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- カードイラストは「ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」。
『Fate/Zero』におけるランサー、ディルムッド・オディナ?のマスター。時計塔?の十二部門の一つ「鉱石科」の学部長であり、「ロード・エルメロイ」の二つ名を持つ名門出身の超一流魔術師。また、別部門である「降霊科」の講師も兼務している。
- ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリは婚約者であり、聖杯戦争においてはケイネスが令呪を受け持ちソラウがディルムッドの魔力供給を行う、という役割分担を行っている。
- 魔術師として挫折を一切体験する事なく数々の成果を上げてきた天才であり、その実力も間違いなく本物。
しかし極めて傲慢でプライドが高い、身分の高い魔術師以外の人間やサーヴァントを軽視したり無視したりする、価値観が全く違う相手を受け入れる度量が無い、計算外の事態が起こるとすぐに取り乱す、など旧態然とした貴族・魔術師らしい悪癖も多く、最終的にそれらの積み重ねが祟って見るに堪えない悲惨な結末を迎える事になる。
- カード名である「月霊髄液」は、ケイネスが自身の魔力を込めて作り上げた魔術礼装。ケイネスの持つ最強の礼装であり、彼の切り札。
- 錬金加工された水銀で、圧力制御で自在に操れる。ムチのように振るって建物の柱も切り刻み、防御壁となって敵の攻撃を跳ね除け、糸状に拡げて温度差を感知する対人センサーとなる万能装備。GOでは迎撃・防御といったパッシブな面が性能に表現されているが、攻撃も十分こなせる。
しかも上述の「分担」により、ケイネスはこの礼装をサーヴァントの維持を気にせず全魔力を投入して使う事が出来る。…と戦略の目の付け所自体は悪くなかったのだが、この時はあまりにも相手が悪すぎた。
- 本来、聖杯戦争には征服王イスカンダルを召喚して戦いに臨むつもりであったが、ケイネスの用意した触媒(征服王のマントの切れ端?)が管財人の手違いで教え子のウェイバー・ベルベット?の手に渡ってしまい、そのまま彼に持ち逃げされたため、あらかじめ確保していた別の触媒を使って代わりにディルムッドを召喚した、という経緯があった。しかし、ケイネスは生前のディルムッドの逸話やサーヴァント自体に対する偏見から、そうまでして召喚した彼の騎士道や忠義心を信用できず、またディルムッドもそうしたケイネスの疑念や心理にきちんと答えないまま自分の流儀を貫き通す事ばかりに執着していたため、最終的にはそうした相互理解の不足が巡り巡って二人を犬死同然の無残な最期へと導くことになる。
- イスカンダルとの相性は明言されていないが、イスカンダル自身がケイネスの事を知った時には「自分と戦場に並び出ず後方でこそこそ指示だけ出すような輩に自分のマスターなど務まる筈がないし、こっちから願い下げだ(意訳)」と真っ向から拒絶するコメントをしている。
ただ『Zero』作者の虚淵玄によると、「(ケイネスとソラウを)普通にもう両方抱いてやるの勢いだったと思うよ」とのこと。
- 「武勲の1つでも立ててやろう」と参加した聖杯戦争では、カラクリ頼りの下賎な魔術師と見下していた衛宮切嗣たった一人に最初から最後まで翻弄され続け、最終的に自らの命を含めた何もかもを失った。
- ホテルのワンフロアを貸切にして満を持して作った、自身の秘術を尽くした自慢の魔術工房を、ホテル諸共爆破して破壊するという大胆な奇策で物理的に突破され、持ってきた礼装の大半と共に壊滅させられる。
- 魔術師の誇りに賭けて切嗣を自分の手で粛正しようと、月霊髄液を片手に一人でアインツベルンの城へ乗り込むが、そこでも切嗣の策に掛かって魔弾の直撃を喰らい、名門中の名門の優秀な魔術回路をズタズタにされて再起不能になる。直後にランサー?が助けに来たため命は助かるが、魔術の行使どころか指一本動かす事すらままならなくなってしまう。
しかも、瀕死になった所でランサーに魅了されてしまった婚約者に無理やりランサーのマスター権を譲渡させられる。
- その後、大金を叩いて購入した義手によって自力で車椅子で動けるようになり、更に卑怯な方法を用いて監督役から別の令呪を手にしてランサーのマスター権を取り戻すも、この時の金も名誉もかなぐり捨てた行動のせいで自らの家柄を没落、失墜させてしまい、結果的にアーチボルト家を存続すら危うい状態にまで追い込んでしまう。
- しかもそこまでして戦線復帰を叶えたのにも関わらず、その直後に令呪を奪った婚約者が重傷を負わされて切嗣の人質にされてしまう。ここでも彼女と自分の命を守るために破滅的な契約?を結ばされ、自分と婚約者の命以外の一切合切を失う形でリタイアする事を約束させられる。
- 契約に従ってランサーを自害させた事で聖杯戦争の脱落が確定した直後、とどめに契約の抜け穴を突いた不意撃ちによって再び致命傷を食らう。この時、全てを投げ売ってまで助けた婚約者も容赦無く撃たれて即死させられてしまった。
- 切嗣の足元で瀕死になりながら虫の息で介錯を懇願するも、「それは出来ない契約だ(先の魔術的契約のため、切嗣は『自身の手では』ケイネスを絶対に傷つけられない)」と冷たく一蹴された。そして見るに見かねて駆けつけたセイバーに介錯を果たされて息絶える。
- 聖杯戦争中でもあくまでも誇り高い魔術師として正々堂々と戦う事に拘っていたケイネスであったが、目的や勝利の為ならば魔術師や人の道から逸れた行動さえも躊躇なく取る「魔術師殺し」・衛宮切嗣の前ではそんな矜持や余裕、考え方は自らの行動を束縛する足枷にしかならなかった。そして何度取り返しのつかない程の大損害を出してもそんな切嗣を追い落とす事にムキになってしまった所為で引き際を完全に見誤り、完全に道を踏み外して進む事も退く事もできない底なし沼に足を踏み入れてしまった事が彼の運の尽きだったと言えよう。
- イラストではボリュームのある髪型になっているが、アニメ版やコミック版ではピッタリとなでつけたヘアスタイルのため、薄毛や生え際をいじられる傾向にある。
- 『花札大作戦』で使うと数本毛が抜けるだの、Accel Zero Orderでもごく自然に言及されているなど、不遇なランサーに劣らず不遇(ある意味では愛されている証拠でもあるが)。
- 第四次聖杯戦争で敗死後、ケイネスを当主としていたアーチボルト家とエルメロイ学派は没落の危機に瀕する事となる。
しかし、ケイネスの死に責任を感じていたウェイバーの尽力により何とか存続を果たし、その経緯によりウェイバーはアーチボルト家新当主から、エルメロイ派の君主「ロード・エルメロイⅡ世」に(半ば強制的に)据えられる事となり、その功績を称えられると同時にエルメロイ派に縛られることとなってしまう。
- ウェイバーが「エルメロイⅡ世」の名を継いだという事実は上述の経緯に直結しているため、【エルメロイⅡ世が登場する事】そのものが【ケイネスは既に死亡している事】を意味する。
そしてエルメロイⅡ世は『Fate/Grand Order』という特例を考慮外においても、第四次聖杯戦争が行われた世界の『Fate/stay night』シリーズ(含む『氷室の天地』)『Fate/strange Fake』は元より、第四次聖杯戦争が行われなかった『Fate/Apocrypha』『Fate/Labyrinth』『プリズマ☆イリヤ』にもその姿を見せているため、これらの作品群ではケイネスは常に死亡している。
なんという理不尽。ある意味、Fateシリーズで最も不運な人の一人かもしれない。
- 『プリズマ☆イリヤ』の平行世界ではエルメロイⅡ世はまだ登場しないものの、こちらでも死亡したことがより直接的に言及されている。
- ケイネス死後の「月霊髄液」はエルメロイⅡ世の関与の元に改造。疑似人格を付与されて、エルメロイ次期当主のライネス・エルメロイ・アーチゾルテの使用人兼ボディガードのメイドゴーレム「トリムマウ」として生まれ変わることとなる。
- ケイネスとライネスとの血縁関係は長らく不明であったが、イベント「Fate/Accel Zero Order?」でライネスはケイネスの姪であることが判明した。
- 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』では、「トリムマウ」を鎧のように纏わせて戦闘するシーンが見られる。
- イベント「Fate/Accel Zero Order」ではエルメロイⅡ世らが主役となる関係で、まさかの主人公側の協力者として登場を果たす。
諸葛孔明?の口車に乗って上機嫌でランサーのマスター権を譲るなど、愉快な側面がクローズアップされているが、そこでもほんの僅かな言葉から自身の死の運命を察する鋭さも見せる。
この世界線では本編では考えられない程にランサーと良好な関係を築いており、ケイネスはランサーを主人公一行に預けてソラウと共に冬木から時計塔に帰還し、ランサーも最後まで戦い続けた末に生き残れたことで、なんと自身の陣営全員揃って死の運命から逃れることに成功した。
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