解説 | プリドゥエンの帆は張った。
此度の遠征は慣れぬ外洋なれど、 ブリテンに名高い円卓の騎士たちに恐れはない。
往く先が広大無辺な大海であろうとも、 認め、讃え、競い合う友がいるのだから。
「ところでランスロット卿、泳ぎの心得は?」 「無論あるとも。鎧を脱いでいいのなら ドーバー海峡を泳ぎ切ってみせるよ。 そう言うガウェイン卿は?」 「さすがに海流を泳いだ経験はありませんが、 嵐のただ中にある川を横断するくらいなら」 「……どちらも中々の技量と見ました。まあ、私は水に 濡れたくはないので、基本的にはご婦人が溺れている 時にしか飛び込みませんが。ですが、円卓一の水泳の 達人と言えば───」 「「「間違いなくケイ卿だな。 あれは変態的だ!」」」
蒼天の下、騎士たちの笑い声が木霊する。 しかし。 「皆さん。ご歓談のところ申し訳ありませんが、船員と しての仕事を理解しているでしょうか? ランスロット卿は帆の張り直しを。 ガウェイン卿は昼食の準備を。 トリスタンは勝手に持ち込んだ私物について話がある ので船長室に出頭してくださいね(ニコリ)」 「ああ、私は悲しい……なぜベディヴィエール卿は 私の隠し事を的確に見抜くのでしょう……?」 |
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