**歴史 [#v8cd5336]
''川崎記念''は、神奈川県川崎競馬組合が川崎競馬場で施行する地方競馬の重賞競走(ダートグレード競走、JpnⅠ)である。国際的な統一格付け制度の下ではLR(リステッドレース)の扱いとなる。
農林水産大臣より寄贈賞が提供されており、正式名称は「''農林水産大臣賞典 川崎記念''」と表記される。
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現在の川崎競馬場は前身の戸塚競馬場を引き継ぐ形で1950年に開設されており、それを記念し1951年に''開設記念''として創設、第1回は川崎競馬場のダート3000mで施行され、創設当初は南関東地区の古馬最強決定戦として位置付けられた。
施行距離はその後年毎に幾度かの改正を経て、1964年にダート2150mに納まった。
1979年には現在の''川崎記念''に名称変更され、1985年に再度ダート2000mに短縮。
1990年に地方全国交流競走に指定されたが1994年のみ南関東限定競走で施行。
1996年には中央・地方全国指定交流競走に指定され、JRA所属馬の出走が可能になった。
1998年には、前年4月から始まったダートグレード競走のGⅠ(統一GⅠ)に格付けされた。
1999年に、ドバイワールドカップへの日本国内の前哨戦の意味合いをさらに高めることを目的として出走可能頭数を12頭から14頭に増加させる措置が取られ、距離もダート2000mからダート2100mに延長し、中央競馬のフェブラリーステークスと共にドバイワールドカップの前哨戦、あるいは年始のダート最強馬決定戦としての地位を確立した。
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2024年より古馬中距離路線のローテーション整備や出走馬の質を高める一環で、前年11月から2月まで古馬中距離のGⅠ(Jpn1)級競走が連続して行われていることを配慮し、時期を4月上旬に移行することが発表されている。
開催時期変更で、重複するドバイワールドカップの前哨戦ないし同レース後には使えなくなるが、フェブラリーステークスやサウジカップデーから本競走へ、また本競走から帝王賞などへのローテーションが可能になる。
なお、地方競馬が会計年度(4月から翌年3月)で行われる関係で「2023年度」の川崎記念は実施されない(2023年開催の川崎記念は「2022年度」、移設予定の2024年4月は新年(2024)度となる)ことから、2023年度内においては同年12月14日にその年限りの中央・地方交流重賞として「''神奈川記念''」(JRA・地方交流、3歳以上、川崎・1,600m)が実施された。
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|>|~時期|~タイトル|~レース場|~バ場|~距離|~根幹|~向き|h
|SIZE(16):シ&br;ニ&br;ア|SIZE(16):2月前半|SIZE(16):川崎記念|SIZE(16):川崎|SIZE(16):ダート|SIZE(16):中距離2100|SIZE(16):|SIZE(16):左|
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**競技場 [#x438b8df]
川崎2100mは向正面の2コーナー付近からスタートして、最初のコーナーまで約400m。
1周1200mの馬場を1周半以上するコース形態で、南関東の中でも特にタイトなコーナーを6回通過する。
1周目のスタンド前の直線でペースが緩むことも多く、位置取りと展開の読みがポイントとなる。
**歴代優勝馬 [#fad11d92]
|回数|施行年|競走名|距離|優勝馬|性齢|所属|タイム|
|第1回|1951|開設記念|3000m|エゾテツザン|牡6|川崎|3:21 0/5|
|第2回|1952|~|2600m|キヨフジ|牝4|川崎|2:50 2/5|
|第3回|1953|~|~|イカホダケ|牡6|大井|2:51 3/5|
|第4回|1954|~|2800m|イチサチホマレ|牡6|大井|3:08 0/5|
|第5回|1955|~|2400m|アサクニ|牡5|川崎|2:36 0/5|
|第6回|1956|~|2000m|カネエイカン|牡6|大井|2:08 4/5|
|第7回|1957|~|2300m|スヰートハート|牝7|川崎|2:22 4/5|
|第8回|1958|~|~|イチカントー|牡5|大井|2:21 4/5|
|第9回|1959|~|2600m|イチカントー|牡6|大井|2:52 1/5|
|第10回|1960|~|~|エータイム|牡5|川崎|2:53.6|
|第11回|1961|~|~|イチアサヒデ|牡6|大井|2:50.1|
|第12回|1962|~|2200m|アサブエ|牡5|大井|2:22.3|
|第13回|1963|~|~|サキミドリ|牡5|大井|2:23.9|
|第14回|1964|~|2150m|ゲイリング|牡5|船橋|2:19.1|
|第15回|1965|~|~|テツリュウ|牡5|川崎|2:18.5|
|第16回|1966|~|~|エイコウザン※|牡5|川崎|2:16.2|
|第17回|1967|~|~|ハロータイム|牡4|船橋|2:17.3|
|第18回|1968|~|~|マーブルアーチ|牡4|大井|2:17.9|
|第19回|1969|~|~|アシヤフジ|牡5|大井|2:17.6|
|第20回|1970|~|~|アポスピード|牡4|大井|2:17.7|
|第21回|1971|~|~|リュウトキツ|牡4|川崎|2:15.5|
|--|1972|~|>|>|>|>|馬インフルエンザの流行により開催中止|
|第22回|1973|~|2150m|ネロ|牡4|船橋|2:16.5|
|第23回|1974|~|~|ゴールデンスネップ|牝5|川崎|2:17.0|
|第24回|1975|~|~|マルイチダイオー|牡4|船橋|2:17.6|
|第25回|1976|~|~|ヒデノアラシ|牡4|川崎|2:17.4|
|第26回|1977|~|~|プラスワン|牡4|船橋|2:14.9|
|第27回|1978|~|~|エフチリン|牡5|船橋|2:17.0|
|第28回|1979|川崎記念|~|タガワエース|牡4|大井|2:16.5|
|第29回|1980|~|~|ゴールドスペンサー|牡4|浦和|2:16.5|
|第30回|1981|~|~|ゴールドスペンサー|牡5|浦和|2:17.3|
|第31回|1982|~|~|ダーリンググラス|牡4|浦和|2:16.2|
|第32回|1983|~|~|カネショウスーパー|牡5|川崎|2:18.5|
|第33回|1984|~|2100m|ダーリンググラス|牡6|浦和|2:15.8|
|第34回|1985|~|2000m|カウンテスアップ|牡4|大井|2:07.9|
|第35回|1986|~|~|カウンテスアップ|牡5|大井|2:10.0|
|第36回|1987|~|~|カウンテスアップ|牡6|大井|2:09.4|
|第37回|1988|~|~|トミヒサダンサー|牡5|船橋|2:08.9|
|第38回|1989|~|~|アエロプラーヌ|牡4|大井|2:11.0|
|第39回|1990|~|~|ロジータ|牝4|川崎|2:10.0|
|第40回|1991|~|~|ダイコウガルダン|牡6|大井|2:08.8|
|第41回|1992|~|~|トーシンイーグル|牡4|船橋|2:09.4|
|第42回|1993|~|~|ハシルショウグン|牡5|大井|2:08.1|
|第43回|1994|~|~|サクラハイスピード|牡6|船橋|2:08.9|
|第44回|1995|~|~|アマゾンオペラ|牡4|船橋|2:10.2|
|第45回|1996|~|~|ホクトベガ|牝6|JRA|2:07.5|
|第46回|1997|~|~|ホクトベガ|牝7|JRA|2:06.7|
|第47回|1998|~|~|アブクマポーロ|牡6|船橋|2:07.6|
|第48回|1999|~|2100m|アブクマポーロ|牡7|船橋|2:16.6|
|第49回|2000|~|~|インテリパワー|牡5|川崎|2:14.5|
|第50回|2001|~|~|レギュラーメンバー|牡4|JRA|''2:12.9''|
|第51回|2002|~|~|リージェントブラフ|牡6|JRA|2:16.2|
|第52回|2003|~|~|カネツフルーヴ|牡6|JRA|2:14.8|
|第53回|2004|~|~|エスプリシーズ|牡5|川崎|''2:12.8''|
|第54回|2005|~|~|タイムパラドックス|牡7|JRA|2:14.2|
|第55回|2006|~|~|アジュディミツオー|牡5|船橋|''2:12.8''|
|第56回|2007|~|~|ヴァーミリアン|牡5|JRA|2:12.9|
|第57回|2008|~|~|フィールドルージュ|牡6|JRA|2:13.1|
|第58回|2009|~|~|カネヒキリ|牡7|JRA|2:13.3|
|第59回|2010|~|~|ヴァーミリアン|牡8|JRA|''2:12.7''|
|第60回|2011|~|~|フリオーソ|牡7|船橋|2:14.2|
|第61回|2012|~|~|スマートファルコン|牡7|JRA|''2:10.7''|
|第62回|2013|~|~|ハタノヴァンクール|牡4|JRA|2:15.4|
|第63回|2014|~|~|ホッコータルマエ|牡5|JRA|2:13.8|
|第64回|2015|~|~|ホッコータルマエ|牡6|JRA|2:16.9|
|第65回|2016|~|~|ホッコータルマエ|牡7|JRA|2:14.1|
|第66回|2017|~|~|オールブラッシュ|牡6|JRA|2:14.6|
|第67回|2018|~|~|ケイティブレイブ|牡5|JRA|2:14.9|
|第68回|2019|~|~|ミツバ|牡7|JRA|2:15.0|
|第69回|2020|~|~|チュウワウィザード|牡5|JRA|2:14.1|
|第70回|2021|~|~|カジノフォンテン|牡5|船橋|2:14.9|
|第71回|2022|~|~|チュウワウィザード|牡7|JRA|2:14.9|
|第72回|2023|~|~|ウシュバテソーロ|牡6|JRA|2:16.0|
|第73回|2024|~|~|ライトウォーリア|牡7|川崎|2:15.5|
-第16回優勝のエイコウザンは前年まで中央競馬に所属しており、馬名は「アスカ」であった。シンザンが優勝した第24回皐月賞(1964年)の2着馬である。