クロフネ

Last-modified: Wed, 19 Oct 2022 02:50:24 JST (554d)
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カレンチャンの父

クロフネは父にフレンチデピュティ(French Deputy)、母にブルーアヴェニュー(Blue Avenue)を持つカレンチャンの父である。

アメリカ合衆国で生産され、日本で調教された外国産馬。2001年春にNHKマイルカップに優勝、ダート路線に転じた秋にはジャパンカップダートを含む2戦をいずれも大差でレコード勝ちしたが、同年末に屈腱炎発症のため引退した。

同年のJRA賞最優秀ダートホース。通算10戦6勝、うちレコード勝利4回。芝とダートの双方で活躍したが、特にダートでは「日本競馬史上の最強馬」と評される1頭である。

 

”手加減された調教”が裏目に

クロフネがデビューした2000年は同世代にアグネスタキオンジャングルポケットと錚錚たるメンバーが揃い、クロフネは「無敗GⅠ勝者・アグネスタキオン」に挑戦するチャレンジャーとしての立ち位置を確立していったが、デビューからの二戦をレコード勝ちするほどの「馬脚の強さ」を鑑みた「手加減された調教」を施され、騎手の手綱に反して先へ行きたがる気性にも矯正が入った結果、日本ダービーでの敗北に繋がってしまったと回顧されている。

 

アグネスデジタルの飛び入り

また、秋に出走を表明していた天皇賞(秋)も、2頭の外国産馬枠に対して獲得賞金額でクロフネを上回る年長馬のメイショウドトウアグネスデジタルが優先権をもったことから、出走することができなくなった。

アグネスデジタルは直前になって急遽出走を決めたもので、クロフネへの期待を摘まれた一部ファンからはアグネスデジタル陣営への非難の声が上げられた。

しかしながら、クロフネはここからダート路線に転向。武蔵野ステークス、ジャパンカップダートをレコード勝ち・大差勝ちで優勝するなど圧倒的な勝利を収めた。

 

屈腱炎発症、引退へ

ジャパンカップダートの後は休養に入り、翌年にはダートで行われる世界最高賞金競走・ドバイワールドカップを目標とすることが決定していた。

12月6日には有馬記念のファン投票の最終集計結果が発表され、クロフネ陣営は出走回避を明言していたものの8万9171票を集め、このレースを以って引退するテイエムオペラオーに次ぐ2位に選ばれていた。

年末は翌年のフェブラリーステークスに出走するため調教が行われていたが、12月22日の調教後に右前脚に熱を持っていることが判明し、検査の結果右前浅屈腱炎、少なくても9か月の休養が必要と診断され、これにより翌年出走を予定していたドバイワールドカップ、ブリーダーズカップクラシックへの出走プランはすべて白紙となり、25日にこのことが報じられた翌日には競走登録の抹消と種牡馬入りが発表された。

2001年のJRA賞最優秀ダートホースにほぼ満票で選出されたほか、ダート競走格付け委員会によるダートグレード競走最優秀馬にも選ばれた。

 

サイアーランカーへ

2002年より社台スタリオンステーションで種牡馬となり、初年度から201頭の交配相手を集めた。

初年度産駒は2005年にデビュー、フサイチリシャールが朝日杯フューチュリティステークスを制し順調なスタートを切ると、その後も数多くの優秀な産駒を輩出し、2007年以降はランキング10位以内に定着し、2010年には3位、2011年には2位を記録している。2015年には史上16頭目となる産駒のJRA通算1000勝を達成した。

芝、ダートの双方で重賞勝利馬を輩出しているが、カレンチャンやホエールキャプチャ、アエロリット、ソダシなど特に牝馬の活躍が多い。またブルードメアサイアーとしてもクロノロジストがクロノジェネシスやノームコアなどの名牝を送り出している。

産駒は芝、ダートを問わずに走ることから中央のみならず地方でも多数活躍しており、2021年8月22日現在、中央・地方合計で1686頭が出走し、このうち1210頭が勝ち上がっているが、これは日本で供用された種牡馬の歴代最多記録であり、中央・地方合計の勝鞍4339勝は歴代第2位である。

なお、2001年に輸入された父・フレンチデピュティも数々の重賞勝利馬を輩出し、北米の主流血統であったヴァイスリージェント系の日本への定着に父子で貢献した。

 

血統関係

ブルーアヴェニュー(Blue Avenue 牝 1990 父:クラシックゴーゴー(Classic Go Go))

クロフネ(牡 1998 父:フレンチデピュティ(French Deputy))

 ├フサイチリシャール(牡 2003 母:フサイチエアデール)

 ├クロノロジスト(牝 2003 母:インディスユニゾン)

 │├ノームコア(牝 2015 父:ハーピンジャー)

 │└クロノジェネシス(牝 2016 父:バゴ)

 ├シェルズレイ(牝 2003 母:オイスターチケット)

 │└レイパパレ(牝 2017 父:ディープインパクト)

 ├モンプティクール(牝 2003 母:ゲートドクール)

 │└ノーヴァレンダ(牡 2016 父:ダイワメジャー)

 ├スリープレスナイト(牝 2004 母:ホワットケイティーディド)

 ├ローザブランカ(牝 2005 母:ローズバド)

 │└スタニングローズ(牝 2019 父:キングカメハメハ)

 ├カレンチャン(牝 2007 母:スプリングチケット)

 ├ホエールキャプチャ(牝 2008 母:グローバルピース)

 ├アップトゥデイト(牡 2010 母:リニアミューズ)

 ├ホワイトフーガ(牝 2012 母:マリーンウィナー)

 ├アエロリット(牝 2014 母:アステリックス)

 └ソダシ(牝 2018 母:ブチコ)