ゴドルフィンバルブ

Last-modified: Fri, 28 Apr 2023 04:18:10 JST (358d)
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“愛情”を司る三女神の一柱

ゴドルフィンバルブ(Godolphin Barb、またはゴドルフィンアラビアン(Godolphin Arabian)とも)は、サラブレッド三大始祖の一頭。

品種はアラブ種とされているが、近年のY染色体ハプロタイプの解析によれば、実際にはターク種であった可能性が高いのではないかとされる。

 

三大始祖の中ではもっとも遅く、1729年にイギリスに輸入されたとされているが、信頼できる資料が少なく、その生涯はかなりの部分が謎に包まれている。

その伝説的で数奇な生涯はアメリカの女流作家マーゲライト・ヘンリーが『名馬風の王(King of the Wind)』として纏めているが、これは児童書籍として発刊されており、歴史書としての信憑性は高くはない。

 

現時点で明確であるのは、1724年ごろの生まれ。猫好き。黒鹿毛馬で、チュニスからフランス経由でイギリスに渡る。

種牡馬として成功し、おおよそ90頭の仔を残したのち、1753年に死亡。墓は現在でもゴグマゴグ丘陵にある。

元の呼び名は不明だが、いつのころからか、最後の所有者だったゴドルフィン伯フランシス・ゴドルフィンの名をとって「ゴドルフィンアラビアン」と呼ばれるようになった程度である。

死後40年が経過した1800年ごろに書かれたジェネラルスタッドブック(血統書)にはバルブ種と記載されており、「ゴドルフィンバルブ」という呼び名はこれに由来する。

 

サラブレッドに占める父系子孫の割合はダーレーアラビアンなどと比較すると一割にも満たないが、父系に限定しない総合的な影響は始祖の中でもずば抜けて高く、遺伝的にはサラブレッド最大の創始者とされる。

つまり、「丈夫な仔馬を産む母馬」を多く遺した、ということである。

猫にまつわる逸話

ゴドルフィンバルブにはグリマルキン(Grimalkin)という名の猫の親友がおり、ゴドルフィンバルブはとても気性の悪い馬だったが、グリマルキンだけには心を開いていたという。

ゴドルフィンバルブの死後、グリマルキンも後を追うようにしてすぐに死んだとされるが、これは逆の話も伝わっており、先にグリマルキンの方が亡くなり、ゴドルフィンバルブは以後猫が大嫌いになったともされる。

サラブレッドと仲の良い猫がいるのは、彼らの関係性の名残ではないかとも言われている。

 

血統関係

不明

└ゴドルフィンアラビアン(Godolphin Arabian 牡 1724 父:不明)

 ├ケード(Cade 牡 1734 母:ロクサーナ(Roxana))

 │└マッチェム(Matchem 牡 1748 母:パートナーマーレ(Partner Mare))

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 └レグルス(Regulus 牡 1739 母:グレイロビンソン(Grey Robinson))

  └スピレッタ(Spilletta 牝 1749 母:マザーウェスタン(Mother Western))

   └エクリプス(Eclipse 牡 1764 父:マースク(Marske))

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