スカーレットブーケ

Last-modified: Wed, 19 Oct 2022 23:48:52 JST (555d)
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ダイワメジャーダイワスカーレットの母

スカーレットブーケは、父にノーザンテースト、母にスカーレットインクを持つダイワメジャーダイワスカーレット兄妹の母である。

 

1990年に中央競馬(JRA)でデビューし、1992年末までに重賞競走4勝を含む通算21戦6勝の成績を残した。

2009年にはJRAの広報誌『優駿』選定による「現代の名牝ベスト100」において第1位に選ばれている。

 

1990年7月7日、札幌開催の新馬戦でデビュー。単勝オッズ1.6倍の1番人気に応え、2着に5馬身差をつけて初勝利を挙げた。

同月29日には札幌3歳ステークス(GⅢ)へ出走。当日は5番人気の評価であった。レースでは第3コーナーで進路が塞がり、騎手の的場均が立ち上がる場面がありながらも、怯むことなく直線では馬群を割って抜けだし、2着に1馬身4分の3差をつけて勝利した。

その後はいったん放牧に出されたが、骨膜炎を生じたこともあり調整が順調にいかなかった。復帰戦の鞍上には武豊を迎え、デイリー杯3歳ステークス(GⅡ)は前走で破ったノーザンドライバーの8着、年末のラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークスでは、スタートから逃げ切ったイソノルーブルに3馬身半差をつけられての2着となり、シーズンを終えた。

 

1991年は1月のクイーンカップより始動。1番人気の支持を受けると、3番手追走から2着に3馬身差を付けて圧勝した。なお、スカーレットブーケは本競走の施行26回目にして関西から出走した馬であった。

続いてチューリップ賞では、ここまで2戦2勝という成績のシスタートウショウと顔を合わせ、同馬と共に単枠指定を受ける。レースではシスタートウショウが楽に抜け出して勝利し、スカーレットブーケは2馬身半差の2着となった。

4月7日に迎えた牝馬三冠初戦・桜花賞は、5戦5勝のイソノルーブル、3戦3勝のシスタートウショウ、前年の最優秀3歳牝馬で当年ペガサスステークスを制してきたノーザンドライバー、当年のシンザン記念など重賞2勝のミルフォードスルー、そしてスカーレットブーケの「五強」による争いといわれた。

当日、スカーレットブーケはイソノルーブルとノーザンドライバーに次ぐ3番人気の支持を受けたが、本馬場入場後の大歓声で落ち着きを失ってしまう。スタートが切られると8番手前後を追走したが、直線で伸びを欠きシスタートウショウの4着に終わった。

 

牝馬三冠2戦目・優駿牝馬(オークス)ではシスタートウショウ、忘れな草賞(OP)を含む3連勝中のツインヴォイスに次ぐ3番人気となる。

レースではイソノルーブルが先導するスローペースの流れを中団で追走、最終コーナーではツインヴォイスと共にイソノルーブルに並び掛けたが、そこから交わすことができず、逃げ切ったイソノルーブルから5馬身弱の差で5着となった。

 

夏を故郷・社台ファーム千歳で過ごし、秋は牝馬三冠最終戦・エリザベス女王杯を目標に9月のサファイヤステークスから始動。

6頭立ての少頭数で行われ、スカーレットブーケは単勝1.6倍の1番人気に推される。しかしレースでは逃げたテンザンハゴロモを捉えきれずハナ差の2着と敗れ、鞍上を務めた武豊は競走後「まさか負けるとは思ってもみなかった」と語った。

10月に出走したエリザベス女王杯トライアル・ローズステークスでも再び1番人気に支持されたが、リンデンリリーの3着に終わる。

迎えたエリザベス女王杯では7番人気と評価を落とし3着、三冠競走を制することはできなかった。12月に出走した阪神牝馬特別も3戦連続での3着となる。

 

トップ名牝へ

トニービンとの間に産んだ初仔・スカーレットメールはチューリップ賞で2着に入り牝馬三冠路線に乗ったが、脚部不安のため桜花賞には出走できなかった。

3年目以降、サンデーサイレンスと交配されはじめると産駒の質はさらに向上、第3仔・スリリングサンデーはクラシック級との評価を受けながら故障のため大成することはできなかったが、第5仔・ダイワルージュは新潟3歳ステークス(GIII)を制したほか、阪神3歳牝馬ステークス2着、桜花賞3着とGI競走でも善戦した。

第7仔・ダイワメジャーは皐月賞を制してスカーレットブーケが果たせなかったクラシック制覇を遂げ、以後2007年の引退までにGI競走を5勝、2年連続でJRA賞最優秀短距離馬受賞といった実績を残した。

さらにデビュー前から「ダイワメジャー以上」とも見られていたダイワスカーレット(父・アグネスタキオン)は、牝馬として37年ぶりの記録となった有馬記念制覇を含むGI・JpnI競走4勝を挙げた。

 

この時点でスカーレットブーケ産駒の中央GI・JpnI勝利数は9となり、ビワハヤヒデナリタブライアンを輩出したパシフィカスを抜いて歴代第1位の成績となった。

日本中央競馬会の広報誌『優駿』が2009年に選出した「現代の名牝ベスト100」では、産駒の獲得賞金額およびGI・JpnI勝利数で1位、重賞勝利数で2位(1位パシフィカス)となり、総合1位に据えられた。

ダイワメジャーは種牡馬としてもカレンブラックヒルやコパノリチャード、メジャーエンブレムといったGI優勝馬を複数輩出しているほか、母系子孫からもダイワルージュの仔・ダイワファルコンが重賞勝利馬となっている。

引退後は社台ブルーグラスファームにて功労馬として繋養され、2018年7月12日、老衰のため30歳で永眠した。

 

血統関係

スカーレットインク(Scarlet Ink 牝 1971 父:クリムゾンサタン(Crimson Satan))

スカーレットブーケ(牝 1988 父:ノーザンテースト)

 ├ダイワメジャー(牡 2001 父:サンデーサイレンス)

 └ダイワスカーレット(牝 2004 父:アグネスタキオン)