シーザリオ

Last-modified: Fri, 26 Jan 2024 19:06:44 JST (91d)
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登場が決定

2024年1月26日、X公式アカウントよりシーザリオの登場が告知、公式ページに掲載された。

スペシャルウィークの子

シーザリオは、父スペシャルウィーク、母キロフプリミエールを持つ日本の競走馬・繁殖牝馬である。

2005年の優駿牝馬(オークス)優勝馬で、アメリカンオークスステークスにも招待されて勝利を収め、父内国産馬としては1959年のハクチカラ以来46年ぶりの重賞勝利、日本調教馬として初めてのアメリカG1競走勝利となった。

そのほかフラワーカップ優勝、桜花賞2着など、通算6戦5勝の成績を収め、2005年のJRA賞最優秀3歳牝馬、最優秀父内国産馬に選出された。

 

アメリカンオークスの圧勝劇

当時のアメリカンオークスは3歳牝馬にとっては優駿牝馬の後の有力な目標の一つで、前年には桜花賞馬ダンスインザムードが僅差の2着に入っていた。一方、日本調教馬によるアメリカにおける勝利は、シンボリルドルフ(サンルイレイHで6着)やタイキブリザード(BCクラシックで13着('96)と6着('97))などによる知られた挑戦があったなか、1959年のハクチカラ以来46年の間途絶えていた。

 

本馬は、「スタートだけは気をつけよう」と考えていた鞍上・福永祐一の思い通りに好発を決めた。

隣の馬がヨレてきたため一瞬ハミを噛みそうになったが、福永の指示に従い、スローな流れのなかで好位の3番手を追走。

その後、福永は3コーナー手前から本馬を追い出した。これに応じて馬なりで先頭に立つと、なおも追われ続けた直線では独走態勢に入り、追い込んできた1番人気のメリョールアインダを4馬身(と公式には記録されているが、実際に競走を見ていた平松さとしによれば「どう見ても5~6馬身の差は付けている」と指摘している)突き放して優勝。

1分59秒03の勝ち時計は2003年のディミトロヴァの記録を0.95秒更新するレースレコード、着差の4馬身もレースレコードであった。現地実況アナウンサーはこの走りを「Japanese superstar」と表現した。

 

本馬のアメリカンオークス優勝は、日本調教馬として初めてのアメリカG1競走勝利であり、父内国産馬または中央競馬クラシック競走優勝馬として初めての海外G1競走勝利であり、牡牝問わず3歳の日本調教馬として初めての海外競走勝利であった。このアメリカンオークス制覇を記念して、翌年の12月にハリウッドパーク競馬場の第3競走にて、本馬の名を冠した「シーザリオステークス」が開催されている。

また、日本調教馬による海外競走の勝利はエイシンプレストンの2003年クイーンエリザベス2世カップ以来2年3か月振り、日本調教牝馬による海外G1競走の勝利はシーキングザパールの1998年のモーリスドゲスト賞以来7年振りであった。

この後にもヴィクトワールピサルーラーシップなどで海外G1競走を複数勝利することになる角居厩舎にとっても、やはり最初の海外G1制覇となった。

 

母としての活躍

2006年に繫靭帯炎の再発によって現役を引退したシーザリオはノーザンファームで繁殖入りしたが、不受胎が多くあり、生まれた子も体質的な弱さを表して、しばらくは大成するものが現れなかった。

2009年になり、シーザリオは四肢頑健なシンボリクリスエスと交配された。

2010年2月11日に出産した3番仔の牡馬エピファネイアは、2013年の菊花賞、2014年のジャパンカップなど重賞を4勝。種牡馬入りした後は、初年度産駒から2020年の無敗での牝馬三冠馬デアリングタクトを生産するなど成功した。

2013年1月29日に出産した6番仔の牡馬リオンディーズ(父キングカメハメハ)は、2015年の朝日杯フューチュリティステークスで優勝し、2015年度JRA賞最優秀2歳牡馬を受賞。種牡馬入り後に複数の重賞馬を生産している。

2015年にはロードカナロアと交配し、2016年3月21日に出産した9番仔の牡馬サートゥルナーリアは、2018年のホープフルステークス、2019年の皐月賞など重賞を4勝し、2019年度JRA賞最優秀3歳牡馬を受賞。

 

これにより本馬は、ダンシングキイ(ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの母(いずれも父はサンデーサイレンス))、ハルーワスウィート(ヴィルシーナシュヴァルグランヴィブロスの母(ヴィルシーナヴィブロスは父ディープインパクトシュヴァルグランは父ハーツクライ))に続く3頭目の、JRAGI馬の三兄弟を産んだ繁殖牝馬となった。

3頭というGI馬の産駒数は先の2頭に並ぶ日本記録タイである。異なる種牡馬で3頭のGI馬を生産したこと、3頭のGI牡馬を生産したこと、GI馬が母として3頭のGI馬を生産したことなどは、いずれも日本競馬史上初の記録である。

 

2021年2月27日、子宮周囲の動脈断裂による出血性ショックのため、繋養先のノーザンファームで死亡した。

 

血統関係

キロフプリミエール(Kirov Premiere 牝 1990 父:サドラーズウェルズ(Sadler's Wells))

シーザリオ(牝 2002 父:スペシャルウィーク)

 ├エピファネイア(牡 2010 父:シンボリクリスエス(Symboli Kris S))

 │└※エピファネイアのページを参照。

 ├リオンディーズ(牡 2013 父:キングカメハメハ)

 └サートゥルナーリア(牡 2016 父:ロードカナロア)

 

スペシャルウィーク(牡 1995 父:サンデーサイレンス(Sunday Silence))

 ├シーザリオ(牝 2002 母:キロフプリミエール(Kirov Premiere))

 ├ブエナビスタ(牝 2006 母:ビワハイジ)

 ├ゴルトブリッツ(牡 2007 母:レディブロンド(Lady Blond))

 ├ローマンレジェンド(牡 2008 母:パーソナルレジェンド(Personal Legend))

 └トーホウジャッカル(牡 2011 母:トーホウガイア(Toho Gaia))