GⅠレース/ヴィクトリアマイル のバックアップ(No.2)


歴史

ヴィクトリアマイルは、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬の春の4歳以上の牝馬マイル重賞競走(GⅠ)である。

競走名の「ヴィクトリア(Victoria)」は、ローマ神話に登場する勝利の女神に由来する。

 

競走馬生産の原点である牝馬は従来、早期に引退させて生産界へ戻すべきと考えられており、古馬牝馬にとって目標となる競走も長らく設けられていなかった。

その後1996年にエリザベス女王杯が条件変更され、4歳(現3歳)以上牝馬のGI競走として行われるようになってからは、牝馬重賞競走の増設やローテーションの整備など競馬番組の充実が図られるようになり、競走馬として長く活躍する牝馬が多くなった。

一方、こうして長く現役として活躍した牝馬からも優秀な産駒が誕生するようになったことにより生産界の考え方にも変化が生じてきたほか、ヨーロッパでも競走馬としての牝馬の価値を重視する傾向が強まってきた。

こうした流れの中、2006年に4歳以上牝馬による春季のチャンピオン決定戦として本競走が新設された。

なお、本競走の創設に関してJRA内では「内国産競走馬のレベル向上のため、強豪牝馬は早く引退して繁殖牝馬になるべき。レースに出ては故障してしまう」という反対意見もあった。

 

創設時より国際競走として外国馬が出走可能で、ステップ競走で所定の成績を収めた地方競馬所属馬も出走が可能となっている。

創設時の格付けではJRA-GⅠであったが、翌2007年からは国内格付けとしてJpnⅠ、国際格付けではL(リステッド)となる。

2009年以降は国際格付けでGⅠとなり、JpnⅠは併記しないこととなった。

 

2017年より、本競走の1 - 3着馬には当該年に行われるジャック・ル・マロワ賞(GⅠ)への優先出走権が付与されることになった。

2018年より安田記念とともにデスティナシオンフランスの名称でジャック・ル・マロワ賞と提携。

2021年よりムーラン・ド・ロンシャン賞(GⅠ)も対象競走に追加され、上位3頭に優先出走権が付与される。

 

2020年からブリーダーズカップ・チャレンジの対象競走に指定され、優勝馬には当該年のブリーダーズカップ・フィリー&メアターフへの優先出走権と出走登録料・輸送費用の一部負担の特権が付与される。

時期タイトルレース場バ場距離根幹向き
5月前半ヴィクトリアマイル東京マイル1600
 

競技場

東京競馬場 芝1600m(マイル) 左

直線は525.9m。向正面直線の右奥がスタート地点で、最初の3コーナーまでの距離は約542m(Aコース時)。

3コーナー手前に高低差1.5mの上り坂、最後の直線途中に高低差2.1mの上り坂が設けられている。

3~4コーナーは緩やかなカーブ。スピードのみならず、スタミナ・持続力も求められるコース。

歴代優勝馬

回数施行年競走名競馬場距離優勝馬性齢タイム
第1回2006ヴィクトリアマイル東京1600mダンスインザムード牝51:34.0
第2回2007コイウタ牝41:32.5
第3回2008エイジアンウインズ牝41:33.7
第4回2009ウオッカ牝51:32.4
第5回2010ブエナビスタ牝41:32.4
第6回2011アパパネ牝41:31.9
第7回2012ホエールキャプチャ牝41:32.4
第8回2013ヴィルシーナ牝41:32.4
第9回2014ヴィルシーナ牝51:32.3
第10回2015ストレイトガール牝61:31.9
第11回2016ストレイトガール牝71:31.5
第12回2017アドマイヤリード牝41:33.9
第13回2018ジュールポレール牝51:32.3
第14回2019ノームコア牝41:30.5
第15回2020アーモンドアイ牝51:30.6
第16回2021グランアレグリア牝51:31.0
第17回2022ソダシ牝41:32.2
第18回2023ソングライン牝51:32.2