サッカーボーイ のバックアップ(No.2)
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- 1 (2023-08-08 (火) 01:05:51)
- 2 (2023-08-08 (火) 07:24:43)
- 3 (2023-08-09 (水) 07:44:19)
- 4 (2023-12-31 (日) 23:34:23)
ナリタトップロード、ヒシミラクルの父
サッカーボーイは、父ディクタス、母ダイナサッシュを持つ日本の競走馬・種牡馬である。
1987年のJRA賞最優秀3歳牡馬、1988年のJRA賞最優秀スプリンターである。
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3歳(1987年)
1987年、函館競馬場の新馬戦芝1200mでデビュー。直線だけで9馬身差をつけて劇的な初勝利を挙げるも、続いて出走したGⅢ函館3歳ステークスではスタートで出遅れ4着。
それから栗東に帰厩し、京都競馬場のOPもみじステークスに出走。再び出遅れるも、最終コーナーで内側に進路をとって追い上げ、まもなく差し切り独走。後続と10馬身差をつけて2勝目を挙げた。
その後はデイリー杯3歳ステークスへの出走を予定していたが、裂蹄のために回避した。
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年末、関西の3歳チャンピオン決定戦に位置付けられるGⅠ阪神3歳ステークスに出走、単勝オッズ1.9倍の1番人気に推された。
良いスタートを切って、馬群に収まり中団に位置。先頭が前半の800メートルを46.1秒で通過するハイペースとなる中、第3コーナー辺りで外に持ち出して追い上げを開始。ハイペースに苦労する後続勢を後目に、ただ1頭先行勢に取り付くと、直線では残り300m地点で逃げ粘るジンデンボーイを外から差し切り、あとは突き放す一方となって独走。後方に8馬身差をつけて入線した。
これが3勝目となり、GⅠ初勝利。走破タイム1分34秒5は、ヒデハヤテが1971年阪神3歳ステークスにて樹立したコースレコードおよびレースレコード1分35秒1を0.6秒更新した。
この圧倒的な勝ちっぷりには他の騎手からもサッカーボーイの能力を高く評価する声も上がり、1975年の同競走を7馬身差で勝利し、1977年には天皇賞(春)、有馬記念を勝利して優駿賞年度代表馬になるまで出世した関西馬・テンポイントを想起させたことで、スポーツ新聞の報道では関西のみならず関東においても「テンポイントの再来」との見出しがつけられた。
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美浦トレーニングセンター、栗東トレーニングセンター、JRA本部所属のハンデキャッパーが選定するこの年の「フリーハンデ」では、関西馬首位となる「56」を獲得。
一方、関東馬首位は、朝日杯3歳ステークス(GI)を1分35秒6で走破して勝利したサクラチヨノオーであり、サクラチヨノオーは「55」であったことから、サッカーボーイが世代首位の評価となった。
また「56」は、テンポイントの2歳時に並ぶ評価であり、新馬戦からのローテーション、強い勝ちっぷり等がテンポイントによく似ていたことで「同等の評価を与えてもいいだろう」という意向があったとされる。
またこの年のJRA賞表彰では、全143票中127票を集めて、JRA賞最優秀3歳牡馬に選出。次点となった関東のGI優勝馬・サクラチヨノオーの15票に大差をつける受賞であった。
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4歳(1988年)
年が明けて1988年、3月のGⅡ弥生賞で始動、単勝オッズ1.6倍の1番人気に推され、単枠指定となった。
関東の3歳チャンピオンであるサクラチヨノオーが、始動戦のGⅢ共同通信杯4歳ステークス4着から参戦し、5.5倍の2番人気となり、東西の3歳チャンピオンが顔を合わせた。
レースでは、スタートからサクラチヨノオーが逃げる中、中団に位置。直線では外に持ち出して差し切りを図ったが、逃げるサクラチヨノオーを捕らえることができず、2馬身以上離される3着。
皐月賞の優先出走権を獲得し、出走を予定していたが、蹄の状態が悪化して飛節炎を発症したために回避した。
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皐月賞を逃した陣営は、目標を東京優駿(日本ダービー)に切り替え、トライアル競走であるGⅡNHK杯に出走。ここでもサッカーボーイは単勝オッズ3.5倍の1番人気に推された。
中団内側の9番手に位置し、直線で追い上げるも、メジロアルダンやマイネルグラウベンの末脚に敵わず、それらに2馬身以上遅れる4着。
東京優駿の優先出走権を獲得し、続いてGⅠ東京優駿に出走。
8枠22番の大外枠が割り当てられ、3歳となってからは連敗していたにも関わらず、皐月賞優勝馬ヤエノムテキなどを押しのけて単勝オッズ5.8倍の1番人気に推された。
レースでは後方に位置したが、直線でまったく伸びずに15着と大敗した。
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その後は夏休みに入らず続戦し、GⅢ中日スポーツ賞4歳ステークスに出走。皐月賞優勝馬のヤエノムテキも同じく続戦しており、ヤエノムテキが単勝オッズ1.8倍の1番人気、サッカーボーイはそれに次ぐ3.4倍の2番人気となり、初めて1番人気を他に明け渡した。また、両者はともに単枠指定となった。
レースでは、サッカーボーイは後方に位置し、先行馬有利のスローペースの中で追走。直線では大外に持ち出して追い上げ、ヤエノムテキが2番手先行から先に抜け出していたところに末脚を見せて迫り、ゴール手前で半馬身差し切って先頭で入線。
重賞2勝目となり、4歳になってから初めて勝利を挙げた。
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続いてGⅢ函館記念に出走。古馬と初めての顔合わせとなったが、相手はメリーナイス、シリウスシンボリという2頭の東京優駿優勝馬や、牝馬クラシック二冠馬のマックスビューティが出走する超豪華メンバーによる一戦となった。
そんな中、並み居る古豪を押しのけて単勝オッズ2.2倍の1番人気となり、以下シリウスシンボリ、メリーナイスと続いた。
レースでは後方に位置し、第3コーナー辺りで外から追い上げると、最終コーナーでは先頭のトウショウサミットに並びかけた。直線で先頭に立つと、好位のメリーナイスやシリウスシンボリを寄せ付けずに独走。その差を5馬身まで広げて先頭で入線し、重賞2連勝となった。
走破タイム1分57秒8は、ニッポーテイオーが1986年の函館記念で樹立したコースレコード・1分58秒3を0.8秒更新、さらにサクラユタカオーが1986年の天皇賞(秋)で樹立した日本レコード・1分58秒3を0.5秒更新した。
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その後については、菊花賞や天皇賞(秋)への出走を指向していたが、その前哨戦に選んだ京都新聞杯出走前に左前脚の球節を捻挫し、すべて断念。代わりに11月のGⅠマイルCSに出走。
単勝オッズ2.2倍の1番人気に推されると、スタートから後方に位置。第3コーナー辺りで外から追い上げると、最終コーナーを4,5番手で通過。直線では、逃げ粘るミスターボーイに5馬身のリードを許していたが、大外から末脚を見せて追い上げると、残り200m地点でかわして後続を突き放し、その差を4馬身まで広げて先頭で入線。重賞3連勝、GⅠ2勝目を挙げた。
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続いて年末のGⅠ有馬記念に出走。天皇賞(秋)でワンツー、ジャパンカップでツースリーとなったタマモクロス、オグリキャップと芦毛の2頭が参戦し、サッカーボーイを加えた3頭が単枠指定となった。
人気はタマモクロスが2.4倍の1番人気、オグリキャップが3.7倍の2番人気、そしてサッカーボーイは4.8倍の3番人気であった。
枠入り後、サッカーボーイは発馬機内で暴れ、歯を折り、鼻血を出した。それからスタートは出遅れ、最後方に位置。直線では大外に持ち出して追い上げるも、先に抜け出したオグリキャップやタマモクロスには届かず、その2頭に2馬身離された4位で入線。2頭に半馬身差離されて3位入線とスーパークリークが、メジロデュレンの進路を妨害したため失格となり、サッカーボーイは繰り上がって3着となった。
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1988年の「フリーハンデ」では、有馬記念を制したオグリキャップが世代首位の「65」、東京優駿を制したサクラチヨノオーが「63」で次点となり、サッカーボーイはそれらに次ぐ「62」で世代3位の評価が与えられた。
また、4歳以上の馬を対象に、1600メートル以下の短距離に限定した「フリーハンデ」では、安田記念を制したニッポーテイオーと並んで全体首位の「63」。
「63」は、函館記念を日本レコードで制し、マイルチャンピオンシップ2着となって「62」に評価された、ニッポーテイオー4歳時(1986年)を上回るものであり、ハンデキャッパーは、2頭の4歳時を比べたとき、サッカーボーイの方が優れているとの結論に至った。
また1988年のJRA賞表彰では、全172票中104票を集めて、JRA賞最優秀スプリンターに選出。以下、次点のニッポーテイオーは36票、ダイナアクトレスが14票、シンウインドが7票で続いた。
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引退とその後(1989年~)
5歳となった1989年には、マイラーズカップから始動する予定であったが骨折。
その後は「砂のぼり」と呼ばれる蹄の病気が右後脚を襲ったが、8月には函館競馬場に入厩し、UHB賞や毎日王冠で復帰する予定だった。さらに、天皇賞(秋)を目標としていたが、再び脚部不安となり、結局復帰することなく競走馬を引退した。
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引退後は、社台スタリオンステーションで種牡馬となった。
産駒からは、菊花賞を勝利したナリタトップロード、秋華賞を勝利したティコティコタック、菊花賞・天皇賞(春)・宝塚記念を制したヒシミラクルが誕生。
ブルードメアサイアーとしての産駒には安田記念を勝利したツルマルボーイ、天皇賞(春)を勝利したマイネルキッツ、全日本2歳優駿を勝利したヴァケーションがいる。
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2000年からはブリーダーズスタリオンステーションに移動した。
2006年末、種牡馬シンジケートを解散。以後は社台グループの所有馬として種牡馬生活を続行する。
2007年シーズンは社台スタリオンステーション荻伏で種牡馬生活を送ったが、2007年8月25日に生まれ故郷である白老ファームに移動した。
その後は、社台スタリオンステーションに繋養されたが、2011年になって競走馬時代から続く蹄葉炎がさらに悪化、10月7日、社台スタリオンステーションで蹄葉炎のため、26歳で死亡した。
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ウマ娘では・・・
オグリキャップを主役としたコミカライズ「シンデレラグレイ」において、「ディクタストライカ」の名で登場。
サクラチヨノオーらの同期として、笠松から進出したオグリキャップを迎え撃ち、限界を超えた先にある《ゾーン》の存在とそこへ到る道筋をオグリキャップに見せつける形で教授した。
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また、アプリ「ウマ娘プリティダービー」においては、産駒であるナリタトップロードやヒシミラクルが共にサッカーに興じる様子が描かれている。
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血統関係
◆父
ディクタス(Dictus 牡 1967 父:サンクタス(Sanctus))
├サッカーボーイ(牡 1985 母:ダイナサッシュ)
│├ツルマルガール(牝 1991 母:エプソムガール)
││└ツルマルボーイ(牡 1998 父:ダンスインザダーク)
│├タカラカンナ(牝 1993 母:クリムゾンラトラー(Crimson Rattler))
││└マイネルキッツ(牡 2003 父:チーフベアハート(Chief Bearhart))
│├ナリタトップロード(牡 1996 母:フローラルマジック(Floral Magic))
│├ティコティコタック(牡 1997 母:ワンアイドバンブー)
│├ヒシミラクル(牡 1999 母:シュンサクヨシコ)
│└テンノベニバラ(牝 2000 母:フエートグリン)
│ └ヴァケーション(牡 2017 父:エスポワールシチー)
├イクノディクタス(牝 1987 ダイナランディング)
└ゴールデンサッシュ(牝 1988 母:ダイナサッシュ)
├ナカヤマフェスタ(牡 2005 母:ディアウィンク)
├オルフェーヴル(牡 2008 母:オリエンタルアート)
└ゴールドシップ(牡 2009 母:ポイントフラッグ)
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◆父の父
サンクタス(Sanctus 牡 1960 父:ファイントップ(Fine Top))
├ディクタス(Dictus 牡 1967 母:ドロニック(Doronic))
|└サッカーボーイ(牡 1985 母:ダイナサッシュ)
└サンシー(牡 1969 母:ワーディース(Wordys))
├ハギノトップレディ(牝 1977 母:イットー)
└レーシングジイーン(牝 1982 母:マウタジョウオー)
└ツインターボ(牡 1988 父:ライラリッジ(Lyra Ridge))
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◆母の父
ノーザンテースト(Northern Taste 牡 1971 父:ノーザンダンサー(Northern Dancer))
├アンバーシャダイ(牡 1977 母:クリアアンバー(Clear Amber))
│└メジロライアン(牡 1987 母:メジロチェイサー)
│ ├メジロドーベル(牝 1994 母:メジロビューティー)
│ └メジロブライト(牡 1994 母:レールデュタン)
├アスワン(牡 1979 母:リリーオブザナイル(Lily of the Nile))
│└メジロアルダン(牡 1985 母:メジロヒリュウ)
├ダイナサッシュ(牝 1979 母:ロイヤルサッシュ(Royal Sash))
│└サッカーボーイ(牡 1985 父:ディクタス(Dictus))
├ダイナカール(牝 1980 母:シャダイフェザー)
│└エアグルーヴ(牝 1993 父:トニービン(Tony Bin))
├ダイナランディング(牝 1980 母:ナイスランディング(Nice Landing))
│└イクノディクタス(牝 1987 父:ディクタス(Dictus))
├サクラハゴロモ(牝 1984 母:クリアアンバー(Clear Amber))
│└サクラバクシンオー(牡 1989 父:サクラユタカオー)
│ └シュガーハート(牝 2005 母:オトメゴコロ)
│ └キタサンブラック(牡 2012 父:ブラックタイド)
├スカーレットブーケ(牝 1988 母:スカーレットインク(Scarlet Ink))
│├ダイワメジャー(牡 2001 父:サンデーサイレンス(Sunday Silence))
│└ダイワスカーレット(牝 2004 父:アグネスタキオン)
├マチカネタンホイザ(牡 1989 母:クリプシー)
└エヴリウィスパー(牝 1997 母:クラフティワイフ(Crafty Wife))
└トーセンジョーダン(牡 2006 父:ジャングルポケット)
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◆母の母の父
プリンスリーギフト(Princely Gift 牡 1951 父:ナスルーラ(Nasrullah))
├テスコボーイ(Tesco Boy 牡 1963 母:サンコート(Suncourt))
│├トウショウボーイ(牡 1973 母:ソシアルバターフライ(Social Butterfly))
││├ミスターシービー(牡 1980 母:シービークイン)
││├アテナトウショウ(牝 1981 母:グレイトウショウ)
│││└マチカネフクキタル(牡 1994 父:クリスタルグリッターズ(Crystal Glitters))
││├サマンサトウショウ(牝 1985 母:マーブルトウショウ)
│││└タバサトウショウ(牝 1993 父:ダンシングブレーヴ(Dancing Brave))
│││ └スイープトウショウ(牝 2001 父:エンドスウィープ(End Sweep))
││└ダイイチルビー(牝 1987 母:ハギノトップレディ)
│├テスコパール(牝 1976 母:ムツミパール)
││└アイネスフウジン(牡 1987 父:シーホーク(Sea Hawk))
│├イタリアンシチー(牝 1979 母:リンネス)
││└ゴールドシチー(牡 1984 父:ヴァイスリーガル(Viceregal))
│└サクラユタカオー(牡 1982 母:アンジェリカ)
│ ├サクラバクシンオー(牡 1989 母:サクラハゴロモ)
│ └ユキノビジン(牝 1990 母:ファティマ)
├ロイヤルサッシュ(Royal Sash 牝 1966 母:サッシュオブオナー(Sash of Honour))
│└ダイナサッシュ(牝 1979 父:ノーザンテースト(Northern Taste))
│ └サッカーボーイ(牡 1985 父:ディクタス(Dictus))
└トライバルチーフ(Tribal Chief 牡 1967 母:ムワンザ(Mwanza))
└ミセスマカディー(Mrs. McArdy 牝 1974 母:ハニナ(Hanina))
└アドマイヤマカディ(牝 1991 父:ノーザンテースト(Northern Taste))
└アドマイヤコジーン(牡 1996 父:コジーン(Cozzene))
└アストンマーチャン(牝 2004 母:ラスリングカプス(Rustling Copse))