ヴィブロス のバックアップ(No.1)
シュヴァルグランの半妹
ヴィブロス(Vivlos)は日本の競走馬・繁殖牝馬である。
2016年の秋華賞、2017年のドバイターフを勝利した。
全姉であるヴィルシーナやシュヴァルグラン同様、”大魔神”佐々木 主浩氏が馬主である。
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デビューから2戦目で初勝利を挙げたものの、喉頭蓋エントラップメント(喘鳴症)の発症が判明、さらに慢性的な胃潰瘍にも悩まされ、クラシック参戦の掛かるチューリップ賞、フラワーカップと重賞レースに挑戦したが、いずれも12着と敗退。
その後4ヵ月の休養となり、ノドの疾病を手術して復帰。
中京競馬場で行われた条件戦に勝利後、秋華賞トライアルレースである紫苑ステークスに挑戦。
3コーナーで鞍上の福永が「落馬するかと思った」とコメントするほどの致命的な不利を被ったものの、勝ち馬ビッシュから2馬身半差の2着に健闘し、秋華賞への優先出走権を獲得した。
続く秋華賞ではビッシュ、桜花賞馬ジュエラーに次ぐ3番人気に支持され、レースでは中団に位置取り、最後は上がり3ハロン33秒4の豪脚を披露して初重賞制覇と共にGI初制覇となった。
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翌年はドバイターフの出走馬に選出され、招待を受諾。国内での叩きとして2月26日の中山記念に出走した。
ロゴタイプ・アンビシャス・ヌーヴォレコルトなど牡牝の強豪を会する一戦の中で4番人気に推され、5番手から競馬を進めたが、直線では伸びきれず勝ち馬ネオリアリズムから0.3秒差の5着に留まった。
続いて、ドバイターフ(アラブ首長国連邦、メイダン競馬場)にジョアン・モレイラ騎手とのコンビで出走。
レースでは中団以下につけると、最後の直線では最内から外に持ち出し、そのまま他馬を差し切り優勝。
日本の牝馬としては史上5頭目の海外GI制覇となり、ドバイターフは前年のリアルスティールに次ぐ日本馬連覇を達成した。
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ドバイ戦以降はヴィクトリアマイルや宝塚記念といった春のGIシリーズに出走することなく休養した。
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秋シーズン復帰戦に府中牝馬ステークスを選択し、鞍上にクリストフ・ルメールを迎えて出走。
約7カ月ぶりの実戦ながら1番人気に推されたが、スローペースに持ち込んだ逃げ馬のクロコスミアを捕らえきれず、クビ差の2着に敗れた。
続くエリザベス女王杯でも1番人気に支持されて好位に位置を取ったものの、道中で折り合いを欠いたことが影響して勝ち馬モズカッチャンから0.3秒差の5着に敗退した。
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この年は国内では未勝利に終わったものの、ヴィクトリアマイル優勝馬アドマイヤリードの不調に加え、エリザベス女王杯の勝ち馬が3歳馬だったこともあり、ドバイターフ制覇の実績が評価されJRA賞最優秀4歳以上牝馬に選出された。
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年明け初戦は中山記念に出走。
前年のマイルCS勝ち馬ペルシアンナイト、中山巧者のウインブライトに次ぐ3番人気での出走となったが、後方待機から直線でも伸びずに勝ち馬ウインブライトから0.5秒差の10頭立て8着に終わった。
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続いて、連覇を目指しドバイターフにリアルスティール、一歳年下の秋華賞馬ディアドラ、ネオリアリズム、クロコスミアと共に出走。鞍上にはデビュー戦以来となるクリスチャン・デムーロを迎えた。
速い流れの中で後方に待機すると直線では外から脚を伸ばし、優勝した地元・UAEのベンバトルには離されたものの、リアルスティール、ディアドラとの叩き合いを制し2着に入った(リアルスティールとディアドラは3着同着)。
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帰国後は宝塚記念に出走。
サトノダイヤモンド、キセキに次ぐ6.5倍の3番人気の支持を集めたが、中団待機から伸びきれず4着となった。
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秋初戦となった天皇賞(秋)にはレイデオロやスワーヴリチャードなどの実績馬が揃ったため、単勝オッズは7番人気に留まった。
レースではキセキが淀み無いペースで引っ張る中3番手を追走し、直線では内を突いたが8着に終わった。
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その後、ラストランとして香港マイルに出走。
3歳初戦のチューリップ賞以来となるマイル戦のため伏兵扱いだったが、圧倒的人気のビューティージェネレーションが直線で後続を突き放す中での壮絶な2着争いを制し、2着に健闘した。
この結果を受け、馬主の佐々木は引退を撤回。翌年のドバイターフをラストランにすると発表した。
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翌年は中山記念には出走せず、ラストランとなるドバイターフに三冠牝馬アーモンドアイ、前年3着のディアドラと共に出走。
中団後方に位置を取ると直線では前を行くアーモンドアイを追って2着で入線し、ドバイターフでの3年連続連対を果たした。
なお、その後行われたドバイシーマクラシックでも半兄シュヴァルグランが2着に入っており、兄妹揃っての好走となった。
引退後はノーザンファームで繁殖牝馬となる。
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日本国内での勝鞍は未勝利戦・500万下競走・秋華賞の3勝のみであるが、高額賞金を誇るドバイターフや香港マイルでの好走により海外で7億円以上の賞金を獲得しており、生涯成績17戦4勝での通算の獲得賞金は約9億5000万円にまで達している。
3歳時までは馬体重 410 kg 台での出走が殆どであり、キャリア中の最高値でも 440 kg と小柄な馬体であった。
秋華賞優勝時の馬体重 414 kg はティコティコタック (420 kg) やミッキークイーン (434 kg) などの記録を更新する、同レース優勝馬史上最少馬体重となっている。
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血統関係
ハルーワスウィート(牝 2001 父:マキャヴェリアン(Mavhiavellian))