マッチェム のバックアップ(No.1)


ゴドルフィンバルブの孫

マッチェム(Matchem)は、18世紀イギリスの競走馬・種牡馬。

当時はまだ「サラブレッド」という品種・概念が完全には確立していない時代に生まれ、エクリプスヘロドと並び、その確立に貢献した。

 

三大始祖の一・ゴドルフィンバルブ(ゴドルフィンアラビアン)の直系子孫であり、エクリプスヘロドよりも先んじて生まれ、1972 - 74年のリーディングサイアーとなった。

競走馬としての成績は12戦10勝と伝えられ、当時のトップホースの一頭と評価されているものの、ことわざにもなったエクリプスほどの劇的な活躍はなく、群を抜いて速かったということもなかった。

1760年12歳で競走馬を引退し、その後1781年33歳で死亡するまで現役種牡馬として活躍。上述の通り1972 - 74年の3年連続でリーディングサイアーに輝いたが、ほぼ同時期にヘロドとその産駒ハイフライヤーが台頭し、さらにその後エクリプス系の出現が相次ぎ、マッチェムや彼の子孫たちはその勢いに押される形で勢力を衰えさせることとなった。

 

父系牡馬としてはそのように他二系統の勢いに押されていったが、彼らの勢力争いに必要な繁殖牝馬の供給の多くを担っており、父系・牡系に限らず見ればマッチェム系の現代競馬における影響力は相当なものである。

 

現代での存続

マッチェム系は21世紀初頭の段階では、フランスのヤングラトラー(Young Rattler)系、南アメリカに残存するハリーオン(Hurry On)系、アメリカ合衆国のマンノウォー(Man o' War)系の3系統が残っている。

ヤングラトラーはフランストロッターに存在する父系で、2007,08年にオフショアドリームがフランスの最大競走であるアメリカ賞連覇を達成するなどまだ活躍馬を出している。

ハリーオン系は、ブラジルに輸出されたアンリルバラフレ、ベイナウンの2系統がわずかに残り、こちらもサラブレッドの血統からは退場しつつあるものの、セルフランセやアングロノルマンなど馬術分野で一定の勢力を築いている。

マンノウォー系はマッチェム系の中心的存在で、アメリカ合衆国及びフランスで活躍している。

 

しかしながら種付け頭数は年々低下傾向にあり、また繁殖成績が牝馬に偏る傾向が強いことから、血統としては全世界的に衰退・滅亡の一途を辿っている。

日本においては現在のところ末子のカルストンライトオ(現役種牡馬)とサニングデール(現功労馬)が貴重な直系子孫として現存しているが、後継牡馬や活躍産駒に恵まれておらず、滅亡の危機に瀕していると言える。

 

血統関係

ここではウマ娘として登場している競走馬の五代血統表を参照し、五代前(父-父-父-父-父~母-母-母-母-母(-父))までを遡って「マッチェム系を持つ血統」を記載している。

…つまり、「5代ほどを遡らなければ、最早マッチェム系に当たらない」ということである…。