**歴史 [#d5cd29ae]
''ジャパンカップ(Japan Cup)''は、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GI)である。英称の頭文字から、JCという略称も用いられることがある。
1981年に創設された国際招待競走で、日本初の国際GI競走。国際競走であるため、JRAの厩舎関係者表彰においては、最優秀騎手賞と最優秀調教師賞の資格を得るにあたり「1着をとらねばならない競走」のひとつに指定され、いわゆる「八大競走」と同格の扱いを受けていた。
かつては中山グランドジャンプとジャパンカップダートも国際招待競走になっていたが、中山グランドジャンプは2011年より、ジャパンカップダートは2014年よりチャンピオンズカップに改称の上、いずれもJRAが馬や関係者の諸費用を負担しない国際競走となっている。
本競走は2014年にスイス発祥の世界大手時計メーカー・ロンジンとパートナーシップを締結し、公式計時もロンジンがサポートしており、2022年現在の正式名称は「''ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 ジャパンカップ''」となっている。
|~時期|~タイトル|~レース場|~バ場|~距離|~根幹|~向き|h
|11月後半|ジャパンカップ|東京|芝|中距離2400|○|左|
|11月後半|ジャパンカップ|東京|芝|中距離2400|○|左|
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**競技場 [#t497543b]
東京競馬場芝2400mは、日本ダービーやジャパンCが行われる、中央競馬を代表するコース。
正面スタンド前の直線半ばがスタート地点で、ゴール板を一度通過しコースを1周する。
最初の1コーナーまでの距離は約350m(Aコース時)。直線は525.9m。
基本的にはスローペースからの上がり勝負も、上級条件では総合的な能力が試される。
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ジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)との同日開催となった2004年以後、平年の第5回中山競馬相当分が代替されない限り、ジャパンカップが東京競馬場の年内最終競走となっている。
それ以前は、ジャパンカップ終了後に一般、または特別競走が最終競走として行われていた。また他場への振り替えは2002年に東京競馬場の馬場の拡幅工事及びスタンドの建て替え工事により、中山競馬場で代替された1例だけである。
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**歴代優勝馬 [#c8259116]
|~回数|~年度|~競走名|~競技場|~距離|~所属国|~優勝馬|~性齢|~タイム|h
|第1回|1981|ジャパンカップ|東京|2400m|USA|メアジードーツ&br;Mairzy Doates|牝6|''2:25.3''|
|第2回|1982|~|~|~|USA|ハーフアイスト&br;Half Iced|牡4|2:27.1|
|第3回|1983|~|~|~|IRE|スタネーラ&br;Stanerra|牝6|2:27.6|
|第4回|1984|~|~|~|JRA|カツラギエース|牡5|2:26.3|
|第5回|1985|~|~|~|JRA|シンボリルドルフ|牡5|2:28.8|
|第6回|1986|~|~|~|GBR|ジュピターアイランド&br;Jupiter Island|牡8|''2:25.0''|
|第7回|1987|~|~|~|FRA|ルグロリュー&br;Le Glorieux|牡4|''2:24.9''|
|第8回|1988|~|~|~|USA|ペイザバトラー&br;Pay the Butler|牡5|2:25.5|
|第9回|1989|~|~|~|NZL|ホーリックス&br;Horlicks|牝7|''2:22.2''|
|第10回|1990|~|~|~|AUS|ベタールースンアップ&br;Better Loosen Up|騸6|2:23.2|
|第11回|1991|~|~|~|USA|ゴールデンフェザント&br;Golden Pheasant|牡6|2:24.7|
|第12回|1992|~|~|~|JRA|トウカイテイオー|牡5|2:24.6|
|第13回|1993|~|~|~|JRA|レガシーワールド|騸5|2:24.4|
|第14回|1994|~|~|~|JRA|マーベラスクラウン|騸5|2:23.6|
|第15回|1995|~|~|~|GER|ランド&br;Lando|牡6|2:24.6|
|第16回|1996|~|~|~|GBR|シングスピール&br;Singspiel|牡5|2:23.8|
|第17回|1997|~|~|~|GBR|ピルサドスキー&br;Pilsudski|牡6|2:25.8|
|第18回|1998|~|~|~|JRA|エルコンドルパサー|牡4|2:25.9|
|第19回|1999|~|~|~|JRA|スペシャルウィーク|牡5|2:25.5|
|第20回|2000|~|~|~|JRA|テイエムオペラオー|牡4|2:26.1|
|第21回|2001|~|~|~|JRA|ジャングルポケット|牡3|2:23.8|
|第22回|2002|~|中山|2200m|ITA|ファルブラヴ&br;Falbrav|牡4|2:12.2|
|第23回|2003|~|東京|2400m|JRA|タップダンスシチー|牡6|2:28.7|
|第24回|2004|~|~|~|JRA|ゼンノロブロイ|牡4|2:24.2|
|第25回|2005|~|~|~|GBR|アルカセット&br;Alkaased|牡5|''2:22.1''|
|第26回|2006|~|~|~|JRA|ディープインパクト|牡4|2:25.1|
|第27回|2007|~|~|~|JRA|アドマイヤムーン|牡4|2:24.7|
|第28回|2008|~|~|~|JRA|スクリーンヒーロー|牡4|2:25.5|
|第29回|2009|~|~|~|JRA|ウオッカ|牝5|2:22.4|
|第30回|2010|~|~|~|JRA|ローズキングダム|牡3|2:25.2※|
|第31回|2011|~|~|~|JRA|ブエナビスタ|牝5|2:24.2|
|第32回|2012|~|~|~|JRA|ジェンティルドンナ|牝3|2:23.1|
|第33回|2013|~|~|~|JRA|ジェンティルドンナ|牝4|2:26.1|
|第34回|2014|~|~|~|JRA|エピファネイア|牡4|2:23.1|
|第35回|2015|~|~|~|JRA|ショウナンパンドラ|牝4|2:24.7|
|第36回|2016|~|~|~|JRA|キタサンブラック|牡4|2:25.8|
|第37回|2017|~|~|~|JRA|シュヴァルグラン|牡5|2:23.7|
|第38回|2018|~|~|~|JRA|アーモンドアイ|牝3|''2:20.6''|
|第39回|2019|~|~|~|JRA|スワーヴリチャード|牡5|2:25.9|
|第40回|2020|~|~|~|JRA|アーモンドアイ|牝5|2:23.0|
|第41回|2021|~|~|~|JRA|コントレイル|牡4|2:24.7|
|第42回|2022|~|~|~|JRA|ヴェラアズール|牡5|2:23.7|
|第43回|2023|~|~|~|JRA|イクイノックス|牡4|2:21.8|
-%%%第22回ジャパンカップ%%%
第22回は東京競馬場の改修工事が行われており、中山に振り替えて開催された。
-%%%第30回ジャパンカップ%%%
第30回はブエナビスタが1位で入線したが最後の直線で2位入線のローズキングダムの進路を妨害したとして、審議の結果2着に降着処分を受け、ローズキングダムが繰り上がりで優勝となった(参考:ブエナビスタの走破タイム 2:24.9)。
-%%%第39回ジャパンカップ%%%
2019年に開催されたジャパンカップには当年に死亡した当馬を記念し「ディープインパクトメモリアル」の副称が付けられ、創設以来初めて外国調教馬の出走が0頭となった。
これは「検疫の問題」や「馬場・馬房構造の違い」など技術的・建設的な問題を前提としつつ、2000年ごろから始まった「日本競馬のスピード重視の高速馬場化」に対して諸外国が難色を示したものと見られており、前年度優勝のアーモンドアイが叩き出した2:20.6というジャパンカップレコード及びコースレコード、並びに芝2400mの日本と世界のレコードを塗り替える驚異のタイムが世界を萎縮させたのだろうと考えられている。
またフランスの凱旋門賞やアメリカのブリーダーズカップなどの国際競走の開催時期が近いことなども影響したものと考えられていて、「国際招待競走」としてのジャパンカップの今後を見直す転機となるのではないかと見られている。