GⅠレース/マイルチャンピオンシップ南部杯

Last-modified: Sat, 28 Oct 2023 01:56:02 JST (187d)
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歴史

マイルチャンピオンシップ南部杯は、岩手県競馬組合が盛岡競馬場で施行する地方競馬の重賞競走(JpnI、ダートグレード競走)である。

例年は農林水産大臣が賞を提供、またRoad to JBCに指定されているため、正式名称が「農林水産大臣賞典 マイルチャンピオンシップ南部杯〔Road to JBC〕」と表記される。

 

通称:南部杯。また中央競馬でのマイルチャンピオンシップと区別するためマイルCS南部杯、マイル南部杯、MCS南部杯と表記される事がある。

 

競走名は江戸時代に盛岡藩を治めていた南部氏に由来し45代当主・南部利昭の許可の下、名付けられた。表彰式には毎年南部家当主が出席し、南部杯を授与している。

 

岩手県競馬組合創立25周年を記念し、1988年に北日本マイルチャンピオンシップ南部杯として創設、第1回は水沢競馬場のダート1600mで施行された。

創設当初は北日本地区(道営、東北、北関東)交流競走で、地方競馬の北日本地区のマイル最強馬決定戦の位置付けとされた。

 

1995年に中央・地方全国指定交流競走に指定されたと同時に現在のマイルチャンピオンシップ南部杯に改名、北日本地区以外の地方所属馬及び中央競馬所属馬も出走可能になった。

1996年には開催場を現在の盛岡競馬場に変更、1997年には前年から施行されたダートグレード競走のGI(統一GI)に格付けされ、日本の秋のダートのマイル最強馬決定戦として定着していった。

 

2002年からはJBC競走へのトライアル「Road to JBC」に指定されており、本競走の優勝馬にはジャパンブリーディングファームズカップ2競走(JBCクラシック・JBCスプリント)への優先出走権(出走できるのはどちらか一方の競走)が与えられる。Road to JBCに指定された競走では南部杯が唯一のJpnI競走である。

 

発走時のファンファーレは岩手競馬のJpnI用のファンファーレが使用されている。

2007年に岩手競馬のファンファーレはJpnI用を含め全てが新しい物に切り替わったが、JpnI用のファンファーレは2009年から従来の物に戻されている。

また、2015年から2年間は盛岡市の市民吹奏楽団 「グーテン・ライエ吹奏楽団」による生演奏が、2022年は陸上自衛隊 第9師団第9音楽隊による生演奏が行われた。

2011年の東京競馬場での開催(後述)の際もJRAの関東GIファンファーレではなく従前のファンファーレが使用されている。

 
時期タイトルレース場バ場距離根幹向き
10月前半マイルチャンピオンシップ南部杯盛岡ダートマイル1600
10月前半マイルチャンピオンシップ南部杯盛岡ダートマイル1600
 

競技場

盛岡競技場、ダート1600m。

2コーナー奥のポケットからスタートするワンターンのコース。

スタートしてから周回コースに合流するまで緩いカーブがあるが、ほぼ直線が3コーナーまで約900m続く。

3コーナー付近から下り坂で、ゴール前は登り坂となり4.4mの高低差がある。

2020年の南部杯JpnIではダート1600mの日本レコード1:32.7での決着になったように、馬場状態によっては非常にスピードの出やすいコースとなっている。

歴代優勝馬

回数施行年競走名競技場距離優勝馬性齢タイム
第1回1988北日本マイルチャンピオンシップ南部杯水沢1600mグレートサーペン牡71:42.4
第2回1989ダイコウガルダン牡51:42.4
第3回1990グレートホープ牡51:40.0
第4回1991タケデンファイター牡61:40.8
第5回1992タケデンマンゲツ牡71:42.0
第6回1993トウケイニセイ牡71:39.8
第7回1994トウケイニセイ牡81:39.5
第8回1995マイルチャンピオンシップ南部杯''ライブリマウント牡51:40.6
第9回1996盛岡ホクトベガ牝71:38.3
第10回1997タイキシャーロック牡61:36.2
第11回1998メイセイオペラ牡51:35.1
第12回1999ニホンピロジュピタ牡51:38.4
第13回2000ゴールドティアラ牝51:38.3
第14回2001アグネスデジタル牡41:37.7
第15回2002トーホウエンペラー牡61:38.7
第16回2003アドマイヤドン牡41:35.4
第17回2004ユートピア牡41:35.9
第18回2005ユートピア牡51:36.7
第19回2006ブルーコンコルド牡61:36.6
第20回2007ブルーコンコルド牡71:36.8
第21回2008ブルーコンコルド牡81:37.3
第22回2009エスポワールシチー牡41:35.4
第23回2010オーロマイスター牡51:34.8
第24回2011東京トランセンド牡51:34.8
第25回2012盛岡エスポワールシチー牡71:35.9
第26回2013エスポワールシチー牡81:35.1
第27回2014ベストウォーリア牡41:35.9
第28回2015ベストウォーリア牡51:36.8
第29回2016コパノリッキー牡61:33.5
第30回2017コパノリッキー牡71:34.9
第31回2018ルヴァンスレーヴ牡31:35.3
第32回2019サンライズノヴァ牡51:34.2
第33回2020アルクトス牡51:32.7
第34回2021アルクトス牡61:35.3
第35回2022カフェファラオ牡51:34.6
第36回2023レモンポップ牡51:33.8
  • 2011年のできごと
    この年に発生した東日本大震災の影響により、東京競馬場にて施行された。
    岩手県競馬自体は5月より盛岡競馬場での開催を再開しダートグレード競走も施行されていたが競馬関連の施設が大きな被害を受けるなどして開催日数の減少による経営環境の厳しさなどからJRAに要請を行い、本競走は盛岡競馬場と姉妹提携を結んでいる東京競馬場にてJRA主催により施行されることとなった。JRAは当初開催予定のなかった10月10日を「岩手競馬を支援する日」と題して東京競馬場開催を追加し(震災で中止となった3月13日の阪神競馬の事実上代替開催)、岩手競馬所属で活躍した競走馬の名前(トーホウエンペラー、メイセイオペラ)を冠した競走も行われた。
    当競走のスタート前のファンファーレは、例年通り盛岡競馬場で使用されている曲を使用した。
    また日曜日以外の競走で初めてWIN5が実施され、南部杯を含めた第8競走から第12競走が対象となった。この年の入場人員は5万9475人で同年のフェブラリーステークスを上回ったほか、売り上げは70億2941万6200円で前年の本競走の約14倍を記録した。