ルーラーシップ

Last-modified: Wed, 28 Dec 2022 01:17:13 JST (489d)
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エアグルーヴの仔

ルーラーシップは父にキングカメハメハ、母にエアグルーヴを持つ競走馬・種牡馬である。アドマイヤグルーヴは半姉に当たる。

名の意味は「支配者の位、統治者の支配権」であり、欧州では「Rulership」、香港では「統治地位」と表記された。

 

3歳

2009年12月と遅めのデビューを飾り、翌年は東京優駿へのステップレースとして5月8日のプリンシパルステークスに単勝1.9倍の1番人気で出走。

勝負所で外から早めに進出すると、直線ではメンバー最速タイの上がり3F33秒7を記録し4馬身差をつけて勝利し、東京優駿の出走権を獲得。

迎えた第77回東京優駿では主戦の岩田がヴィクトワールピサに騎乗したため四位洋文に手綱を委ねた。道中好位を追走するも勝負所で仕掛けが遅れ、直線でゲシュタルトに前をカットされた影響もあり、脚を余してエイシンフラッシュの5着に敗れた。

東京優駿後は休養に入り、年末の鳴尾記念に岩田康誠騎乗で復帰。

2番人気に支持され、レースではヒルノダムールに半馬身差をつけて勝利。待望の重賞初制覇となった。

続けて出走した有馬記念ではクリストフ・ルメールに騎乗を依頼。6着に健闘したが、結局クラシックシーズンでの勝ちは重賞2勝を含む3勝となった。

 

4歳

古馬になり初戦は1月16日の日経新春杯にウンベルト・リスポリ騎乗で出走。

当初、日経新春杯は同じ馬主のローズキングダムとの兼ね合いから出走回避も考え、翌週のアメリカジョッキークラブカップに出走することも検討されていたが、結局出走することになった。

2番人気に支持され、4角手前で進出開始し、直線で先頭に立つと、断然人気のローズキングダム、3番人気ヒルノダムールといった同期を寄せ付けず2馬身差で完勝、鳴尾記念に続く重賞2勝目をあげた。

 

この後、欧州に遠征しドバイシーマクラシックへ出走。鞍上にクリストフ・スミヨンを迎える。

レースでは好スタートから3番に付けるも、向正面で折り合いを欠いて逃げる形となり、直線半ばで失速して6着に沈んだ。

 

帰国後、5月28日の金鯱賞に福永祐一騎乗で出走、1番人気に支持される。

スタートで大きく出遅れるも徐々にポジションを上げると、直線で逃げ粘るキャプテントゥーレを捕らえて重賞3勝目をあげた。

 

6月26日の宝塚記念は1年ぶりに横山典弘騎乗で2番人気に支持される。

レースでは道中後方から徐々にポジションを上げていったが、直線では前走のような末脚は見られず離されたアーネストリーの5着に終わった。

 

秋はステップレースを使わず天皇賞(秋)に安藤勝己との新コンビで出走することを表明したが、爪の不安から同レースの出走を回避した。

12月25日の有馬記念では新たにイオリッツ・メンディザバルを鞍上に迎えて出走。

単勝11番人気の低評価であったが、レースでは後方から全馬中最速の上がり33秒2の末脚を繰り出して4着に好走した。

 

5歳

有馬記念から1ヶ月後のアメリカジョッキークラブカップに出走。

前年の金鯱賞以来となる福永祐一とのコンビでの出走で、1番人気に推された。

レースでは後方待機から第3コーナー〜第4コーナーで外から捲るように前へ進めると直線では豪快に伸び、ナカヤマナイトに3馬身の差をつけて優勝。重賞4勝目となった。

 

3月24日の日経賞では中団やや後方よりでレースを進め、直線追い上げるも大逃げを打ったネコパンチを捕らえられず3着に敗れた。

 

次走は香港に遠征し、4月29日のクイーンエリザベス2世カップに出走。

レースでは内目の3番手で控えると直線で楽に抜け出し、2着のサムザップに3馬身3/4の差をつけて快勝。GI初制覇を海外で成し遂げた。

このレースには、香港勢としては独2000ギニー馬イリアン(移籍馬)、欧州勢としてはオブライエン厩舎から前年の愛ダービー、セクレタリアトステークスを制したトレジャービーチなど好メンバーが出走しており、ルーラーシップの強いレースぶりは香港のみならず欧州でも高く評価された。

 

6月24日の宝塚記念ではクレイグ・ウィリアムズが騎乗し、出遅れ気味のスタートから好位に取り付き、直線では外から早めにスパートしたが内からオルフェーヴルに交わされ、2馬身差の2着に敗れた。

 

10月28日の天皇賞(秋)では前走に続きスタートで出遅れて道中は後方待機、直線では大外からメンバー最速タイの上がり33秒1の脚で追い込んだもののエイシンフラッシュの3着に敗れた。

 

続いて出走した11月25日のジャパンカップでも、三冠牝馬ジェンティルドンナを抑え2番人気に支持されるもまたも出遅れ。

直線でもメンバー最速の上がり32秒7の豪脚を繰り出すも、ジェンティルドンナ、オルフェーヴルから離された3着止まり。

 

次走、12月23日の有馬記念では、出遅れ癖を解消すべく出遅れ防止用の矯正器具を外すなど万全の態勢で臨んだが、スタートと同時にゲート内で立ち上がってしまい、10馬身近い歴史的な大出遅れとなった。

それでも最後の直線では大外から追い込んだものの、勝ったゴールドシップや真ん中を抜けたオーシャンブルーを捕らえられず3着に終わった。

 

12月26日に、現役を引退し、社台スタリオンステーションで種牡馬となることが発表された。

 

引退後

種牡馬として2013年から種付けを行っており、初年度は208頭に種付けを行った。

初年度産駒は2016年にデビューし、イブキが産駒初勝利を挙げている。

3歳を迎えた2017年にはキセキが菊花賞を制して、産駒の初重賞および初GI勝利を達成した。

JRAリーディングサイアーランキングでは、2017年12位、2018年8位、2019年5位に輝いており、堅実に産駒は結果を残している。

 

秋GⅠのオール3着

天皇賞(秋)からジャパンカップ、有馬記念とルーラーシップはいずれも3着を取っている。

これは過去に1986年のミホシンザンが達成(?)して以来26年ぶりの快挙(?)であり、すべてのレースでスタートに出遅れながら豪快な直線末脚で先団に取り付くというエンターティナーぶりを見せたレースであった。

また、GⅠでの勝利は香港で開催されたクイーンエリザベス2世カップのみであり、国内でのGⅠには出遅れ癖がわざわいし終に勝てなかった。

ゴールドシップに「ゲート内での立ち上がり」を教えた?

5歳最後のレースとなった有馬記念で、ルーラーシップはスタートと同時にゲート内で立ち上がってしまうという大出遅れを見せた。

このレースで先着したゴールドシップは、それから翌年の春ごろから同様のゲート難を見せ始め、さらに翌年の夏にあの大事件を起こすことになるが、ゴールドシップはこのときのルーラーシップを見て「ゲート内って立ち上がってもいいんだ」と覚えた可能性があるとかないとか…。

 

血統関係

エアグルーヴ(牝 1993 父:トニービン(Tony Bin))

アドマイヤグルーヴ(牝 2000 父:サンデーサイレンス(Sunday Silence))

ルーラーシップ(牡 2007 父:キングカメハメハ)

 ├キセキ(牡 2014 母:ブリッツフィナーレ)

 ├メールドグラース(牡 2015 母:グレイシアブルー)

 └ドルチェモア(牡 2020 母:アユサン)