武田信玄 のバックアップ(No.54)

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• 武田氏は河内源氏頼信(源頼光の弟)流に属し、信義を祖とする甲斐源氏の名門。
  由来は信義の祖父義清の出身地である常陸国武田郷。
  同じく武田を称する一族は安芸や若狭の守護に任じられている。
  • 他の同族には大名となった佐竹氏や南部氏、武田氏の臣下となった板垣氏や甘利氏などが居る。

• 信玄が家督相続時に追放された信虎は娘(信玄の姉)が嫁いでいる今川家の世話になったり、上洛して京都観光を満喫息子の支援に勤め、1574年に信濃に帰還。
  80を過ぎる老齢だが、追放時の若手だったが現在は重臣の四天王に激怒する元気振りを見せた。
  • 実績の割りに評判が悪い事は甲府商工会議所公認『信玄のパパ　武田信虎のほんとの話』でネタにされた。
  • 川中島イベのエピローグで義元から信虎が息子の事を案じていたという事が聞ける。
  • 信虎・信玄の二代に渡って婚姻外交の結果、近親婚により信玄の孫世代は武田信虎の血を濃く引いている。
    子義信の妻の母母父、娘見性院の夫穴山信君の母父、義信の異母弟仁科盛信の妻の父父、これらに武田信虎があたる。

• 嫡男の義信は信濃攻略や川中島の戦いで軍功を挙げており、母三条の方は正室で父に三条公頼を持ち、姉妹は細川晴元や本願寺顕如に嫁いでいる良血。
  後に「義信事件」と称される対立で、1565年に廃嫡されてしまい、二年後に死去する。
  今川家から嫁を娶った縁により、今川領侵攻や東美濃を巡る対織田氏外交で今川寄りの立場を取った事が原因とされる。
  有能で良血な義信の粛清がどれ程響いたかは不明。
  子信義は庶子だったので、母方の守隨氏に引き取られた。
  同時代に親か子の一方と対立は他に有るが、両方と対立するのは珍しい。
  • 苛烈に思える対応だが、感覚麻痺する程に内乱をしている武田家の歴史上、大規模の会戦が無い軽傷の方である。
    • 武田家は信玄の曽祖父信昌が国内を統一して、信玄時代の家臣に「昌」の字を偏諱として配られる程の活躍をするが、祖父信縄と大叔父油川信恵による内乱が勃発。
      信縄死去後、信恵を父信虎が討って統一するという内乱が続いていた。
      さらに遡ると、武田信満が甲斐源氏の支流で甲斐守護代逸見有直により自害に追い込まれて、一度は滅亡している。
  • 内乱は武田氏だけでなく、関東では古河公方足利氏が享徳の乱、関東管領上杉氏が長享の乱により後北条氏の台頭を招いている。
  • 義信と同じく今川氏から正室を迎えた徳川家康は正室と嫡男信康を粛清、母方の従兄弟教如は織田氏との関係を巡って父顕如に義絶されている。

• 次男が盲目、三男が早世により、四男勝頼が後継となる。
  勝頼は子の信勝が成人するまでの陣代(中継ぎ)とし、諏訪家所縁の諏訪法性兜と諏訪大明神を意味する「大」の字を書いた旗を使用し、武田の象徴である孫子ノ旗などは禁じられた。
  諏訪出身の勝頼が武田の象徴を使った結果、諏訪家による簒奪と思われなくする信玄なりの配慮だったが、所詮は陣代と思われる裏目の結果になった。
  • 遠江の要衝高天神城や東美濃18城を制圧し、信長は謙信宛に「信玄の掟を守り表裏を心得た油断ならぬ敵である。畿内の防備を疎かにしてでも対処しなければならないのはもっともだ。」と書く程の活躍をするも長篠の戦いで大敗。
    内外から質の低下を揶揄されるも敗戦から2か月で1万超えの軍を再編し、佐竹氏に織田氏との和睦を依頼する等で再建に勤める。
    しかし、信玄の死から7年後の1582年に甲州征伐で、先祖武田信満と同く天目山で自害し滅亡の憂き目を見る。
    武田遺臣から見ればもっと前に謀反しろよと言いたくなる時期の同年、明智光秀による本能寺の変で信長・信忠親子は灰塵と化した。
  • 武田氏は戦国大名としては滅んだが、信玄の五男仁科盛信が旗本になり、七男の安田信清が上杉家に逃れている。

• 父の追放と息子義信の粛清をしているが兄弟間は仲良し。
  ここで挙げた弟達は戦死か武田滅亡時に処刑されている。
  • 信繁・父に贔屓されても兄の顔を立て、川中島の戦いで戦死後は信玄に死を惜しまれた。
    息子信豊も父同様に忠節に励み、武田家滅亡に殉じている。
  • 信廉・容姿が似ていた事で影武者を務め、信玄の肖像画を遺している。
  • 信友・父に従い駿河入り後、今川家の諜報を担当。
  • 一条信龍・長篠の戦いで佐久間勢を相手に二重の柵を破る奮戦後、殿を務める。
  • 河窪信実・長篠の戦いと並行して開戦した鳶ヶ巣山砦の戦いで、小勢で多勢の徳川勢を四度も撃退する。

• 武田軍といえば赤備えと騎馬軍団の印象が有るが、赤備えは飯富虎昌が手勢を赤色にする許可を得たのみで他は不明、騎馬隊も別段多くなかった。
  • 槍58%、弓10%、鉄砲7%、手明7%、大小旗6%に対して騎馬は12%。
    場所に因るが現代で馬一頭の維持費は養老牧場で年間120万円程。
    怪我等による出費込みならもっと高額になり、乗りこなすのに時間がかかるので、足軽よりも揃えにくい。
  • 織田・徳川側の文書には武田の騎兵を警戒する文言が散見される為、当時としては強力な騎兵を有していたのは間違いない。
    信濃は木曽馬の産地である木曽や『望月の駒』の寓話が伝わる望月といった馬産地を有しており、揃えやすかった可能性も有る。
    ただし、東国側の史料では武田の騎馬に関する記述があまり見られない為、東国大名からすれば特筆するほどの規模ではなかったとも取れる。

• 会話4で俺より強い男はいないと述べているが、上田原の戦いと砥石城の戦いで村上義清に大敗したり、長野業正に六度の侵攻(異説有り)を全て撃退されている。
  つまり、村上や長野は男ではない…?
  • イベントシナリオにおいても「俺に敵う男はいなかったが、女はいた」と宣っている。

• イベントや絆Lv1マイルームで語られてる通り約定破りに定評有る。
  信虎が娘を嫁がせた諏訪氏を内乱に便乗して滅ぼし、義元亡き後の今川氏を徳川氏と挟撃した結果、後北条氏とも敵対、遠江を巡って徳川氏とも戦うという惨状になっている。
  織田氏とも開戦しているが、こちらは将軍義昭の命令や義兄弟顕如が織田氏と交戦中という事情が有る。
  • 強引に見える領土拡大だが、武田家が本拠とする甲斐の事情に因る所が大きい。
    甲斐は金山が有り、石高だけなら1598年頃で22万石と駿河(15万石)や相模(19万石)より上だが、家督継承時は信玄堤が無いので氾濫が起きやすく、四方を山に囲まれて港が無いので遠方と交易出来ず、鉄砲や塩等の物資や金銭の入手に難があるという問題が有った。
  • 侵攻先となった諏訪氏は信濃守護小笠原氏と同じく内紛中。
    今川氏は桶狭間の戦いで当主だけでなく重臣達も失った影響で遠州忩劇の鎮圧に手間取り、越後や美濃を巡って上杉氏や織田氏と戦うより楽に勝てる見込みが有った。
  • 後北条氏に今川攻めは長尾(上杉)と組もうとしたからと弁解しているが、氏真の妻になっていた娘の早川殿が戦火から徒歩で命からがら逃げ延びる羽目になって激怒した氏康は聞き入れなかった。
    • 氏康の後継氏政は、謙信が武田領への再三の出兵依頼に応じなかった事に不満を覚え、再度同盟締結となる。
  • 上洛を目指して信長と家康を敵にした事について謙信は河田重親宛ての書状で「且つうはあてがいなきか、且うは信玄運の極みか」と述べた。

• 『人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり。』(城郭の建設よりも家臣団や民衆の存在が大事であり、敵に情けをかければ味方に付くが、恨みを買えば敵に付く。)は後世の創作説も有る。
  城さんと石垣さんと堀さんを集めろとかではない。
  • 城は一から築くより、丸馬出しや三日月堀を用いての改築等が有る。
  • 情けは味方と言っても状況次第で、志賀城攻め時には士気の低下を図り小田井原の戦いで討ち取った3000人以上の首を並べ、忍びとしての才能を警戒して加藤段蔵の粛清もしている。
    理想を現実にするのは難しいから是非もないね。
    別イベで真田役を務めた方々も、そうだそうだと言っています。
  • 喧嘩両成敗が知られている今川仮名目録を元に作成し甲州法度次第、信玄堤などの分国法制定や治水事業を行っている。
  • 負傷した将兵に湯治を勧めており、平安時代頃から存在した志摩の湯は『信玄の隠し湯』と呼ばれる程になってしまった。
  • 一門衆だけでなく抜擢にも定評が有り、時期違いで八人に居る武田四天王や二十四将(自身含む)家臣団を構築。
    高坂昌信とは男色関係にあったとされたが最近では別人とも。
    ゲーム『信長の野望 天翔記』の相撲時の「ああ、このままずっとがっぷり四つでお主といられれば…」「殿…もう昌信はとろけそうなほど殿にまいっております」で有名。

• 異名からして武闘派の印象が有るが、師匠の快川和尚と和歌でやりとりをしており、源氏物語、古今和歌集、伊勢物語等を熟読している読書家でもある。
  また和歌や漢詩を詠むことも嗜んでおり、江戸時代には集外三十六歌仙の一人として取り上げられている。
  • 甲陽軍鑑において、義元の生前に今川家秘蔵の伊勢物語を酒に酔った振りをして盗んでいる。
    信玄が氏真に東三河を割譲したら松平元康と戦う支援をすると提案した際に、氏真はそこを拠点に遠江を攻めるつもりだろうと責めた時にこの事を例に挙げている。

• 甲斐(山梨県)民の武田信玄信仰は現代にまで続く。
  戊辰戦争の際においても、甲州勝沼の戦いで甲陽鎮撫隊(新選組)を破る新政府軍の板垣退助は武田四天王の一人・板垣信方の子孫を知ると、甲斐民は直ちに武田信玄の墓前で「断金隊」か「護国隊」など部隊を結成して新政府軍に参加した。