ナポレオン のバックアップ(No.128)

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可能性の男。
人々の期待によって生み出された英雄の偶像。

初代フランス皇帝。
一時期はヨーロッパの大部分を支配するまでに至ったが、最終的には凋落した。
その、波瀾万丈な生涯は、個人の願望と能力のみに依ったものではなく、人々の想いによってこそ導かれたのだ──少なくとも、“英霊の座”はそのような存在として英雄ナポレオンを定義した。

ゆえに、現界した彼は常に「誰かの想い」に応える男として振る舞う。

身長/体重：189cm・92kg
出典：ナポレオン伝説
地域：欧州
属性：中立・善　　性別：男性
ライダーでの召喚時には身長が縮むらしい。

生前の彼は「期待と願いに応える」存在だった。
多くの支持を受けて皇帝として立ち、一度はエルバに籠もった折にも皇帝を待望する声が高まれば舞い戻り、しかし人々が皇帝を否定すれば敗北した。

英霊ナポレオンもまた、期待と願いに応え、想いに応え、己がすべき事を成し遂げる。
あらゆるナポレオン伝説を肯定し、人（霊長）の可能性を体現したサーヴァントとして彼は現界する。

曰く、彼の辞書に不可能の文字はない。
曰く、ピラミッドの中でイスカンダルと出逢った。
曰く、ギザのスフィンクスを砲撃で破壊した。
曰く、フランス革命は秘密結社の陰謀であり、それに深く関わった。

多くに応え続けた人生を過ごした男は、「ナポレオンならそれくらいやるだろう」として語られた伝説のままに、多くの不可能を可能とする。その在り方は最早、ある種の超人とさえ呼べる。

○可能性の光：Ｂ
星の開拓者に似て非なるスキルにして、無辜の怪物によく似たスキル。
実際に自分が手掛けた偉業も、実際には関わりのない伝説も、すべてを一身に受け止めた偶像が英霊ナポレオンであり、現界した彼は「期待」と「可能性」の具現として振る舞う。
「──まあ、そいつもオレが言った事になってるらしい」
可能性の光、虹の如く。
彼と出会った敵対者は、いずれソラ駆ける虹を見る事になるだろう。

○皇帝特権：Ｂ
初代フランス皇帝として立った彼は、皇帝特権スキルを有しているが……
本作では基本的に使用しない。

『凱旋を高らかに告げる虹弓』
ランク：Ａ　種別：対軍宝具
レンジ：１～９９　最大補足：１００人

アルク・ドゥ・トリオンフ・ドゥ・レトワール。
凱旋門のフランス名と同名を冠する砲撃宝具。
人（霊長）の持つ可能性は砲弾へと変わり、まるで虹のようにしてソラを駆ける。
英霊ナポレオンの存在そのものを基軸として、ギザのスフィンクスを砲撃したという伝説を加えることで昇華を果たした宝具。
外観としては片手持ちの変形型大砲。
「スフィンクスを破壊した」という砲撃伝説に伴い、神秘への特攻を有している。

生前の自分にまつわる事柄に執着しない。
コルシカ、パリ、ワーテルロー。すべては過ぎ去った出来事。サーヴァントとして現界した自分、姿形さえ生前のそれとは変化してしまった自分は、ナポレオン・ボナパルトと名付けられた偶像であり、過去に執着する亡霊とはなるまい──
そう、彼は考える。
人が「ナポレオン」に多くを夢見たならば、そう在るのみ。
揺るぎない確信のもと、彼は、現在と未来を生きる人々のために心身を捧げる。

それはそうと。
現界するごとに１人、これと決めた女性を愛する……という厄介な習性がある、と彼は北欧異聞帯で自称したが……
カルデアの英霊として現界した彼もまたそうであるのか否か、今後の彼の言動を注意深く観察して見極めねばならないだろう。

• ナポレオン・ボナパルト。
  19世紀革命フランス期の軍人であり、フランス第一帝政の初代皇帝。

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  ＋クリックで展開(史実におけるナポレオンについて)

  ナポレオン・ボナパルトは1769年にコルシカ島のイタリア貴族の四男として生まれた。コルシカ島ではフランスからの独立運動が起きていたが、ナポレオンの父はフランス側についたためフランスの貴族と同等の権利を得ており、島の総督とも懇意だった。そのおかげでナポレオンはフランス本国で質の高い教育を受けることができた。 ナポレオンは特に数学で優秀な成績をおさめ、その後陸軍学校の砲兵科に入学した。卒業試験の結果は良くなかったものの通常4年かけて学ぶところをわずか11か月で修了したことからその優秀さがうかがえる。 1785年に砲兵士官になるが、4年後にフランス革命が起き国内情勢は不穏になっていく。ナポレオンはもともと革命にまったく興味がなく故郷のコルシカに帰っていたが、家が親仏派だったため島を追われマルセイユに移住する羽目になる。マルセイユでは裕福な商家と仲良くなり婚約者を迎えるなどそれなりに平穏な日々を送ることができた。 1793年に軍に復帰すると、貴族の士官が亡命していたため何もせずに大尉に昇進を果たした。ナポレオンの所属した軍は地中海側の軍港トゥーロンに籠る反革命派の鎮圧にあたり、ここで上官の負傷により少佐に昇進する。戦闘においてもナポレオンの進言した作戦が採用されて見事に勝利の決定打となったため、この功績で一気にフランス軍を代表する英雄となった。 1794年にはイタリア方面軍の軍司令官にまでなっていたが、革命政府内でクーデターが起こりロベスピエールが失脚。マルセイユ時代にロベスピエールの弟と交流があったナポレオンはこれを口実に逮捕・収監されてしまう。またその後も転属などを巡り政府要人と対立したため予備役にまで左遷されてしまう。 しかし1795年にヴァンデミエールの反乱が起こると、当時の軍司令官がトゥーロン攻囲においてナポレオンと知り合いだったおかげで前線に呼び戻される。副官に登用されたナポレオンは大胆な手腕で反乱の鎮圧に成功し国内軍副司令官の地位を手に入れた。 この鎮圧方法は暴徒（＝一般市民）に対して大砲をぶっ放すというもので、かなりの犠牲者を出した。撃った場所は首都の市街地で、使用した弾は対人＆対帆船用の散弾「ぶどう弾」。この時から圧政者の資質十分である。これがきっかけで「ヴァンデミエール将軍」という異名も生まれた。 1796年にナポレオンは再びイタリア方面軍司令官となる。この時オーストリアが革命に干渉したことに端を発して第一次対仏大同盟が結成され、フランス革命戦争がヨーロッパ全体を飲み込みつつあった。フランスはドイツ側とイタリア側からオーストリアの挟撃を狙っており、ナポレオンのポストはこの作戦のためのものだった。 ドイツ側から攻める軍が苦戦したのに対してナポレオンのイタリア方面軍は連戦連勝。1797年にはウィーンに迫り、フランス政府に断らず独自に講和を結んで第一次対仏大同盟を崩壊させた。これによってフランスはイタリア北部の広大な領土と多くの戦利品を獲ることができ、ナポレオンは熱狂的な歓迎を受けてパリに凱旋した。 フランスは陸戦で優勢な一方で、強力な海軍を有するイギリスに対しては海で苦戦を強いられていた。ナポレオンはイギリスの重要拠点たるインド植民地との連絡遮断のためエジプトの攻略を提言。エジプト遠征を行いこれを見事成功させた。 しかし直後にネルソン提督率いるイギリス艦隊に強襲されフランス艦隊は壊滅、ナポレオンはエジプトに取り残されてしまう。さらにイギリスの呼びかけで第二次対仏大同盟が結成され、フランスは各地で敗北を重ねた。 この状況下で民衆の政府に対する不満の高まりを知ったナポレオンは自軍を副官に託して側近のみを連れてフランス本国に帰還。民衆の支持を背景にしてクーデターを起こし統領政府を樹立。1798年に自らが第一統領となり、ついにフランスの支配者に登り詰めた。 独裁を握ったナポレオンはまずフランスに対する包囲網を破ることに注力し、手始めにオーストリアを撃破して奪われていた北イタリアを取り戻した。イギリスも国内の課題に直面したためフランスと講和し、第二次対仏大同盟は崩壊した。 その後ナポレオンは国内を固めることに奔走し、フランス銀行の設立、ナポレオン法典の発布、交通網の整備を行って国内の安定を図った。しかしその過程において海外市場の覇権争いで引くわけにはいかず、イギリスとの摩擦が激化。結局講和から1年ほどで両国は戦争状態に戻ろうとしていた。 またナポレオンを狙った暗殺事件も後を絶たず、王政を敷く諸外国からの印象も悪化した。これらのことからナポレオンは自身の力で事態を収拾することを選び独裁色を強めていった。 1804年、議会の議決を経てナポレオンはナポレオン1世としてフランス皇帝に即位。フランス第一帝政を開始した。 1805年にナポレオンはイギリス上陸を目指して大軍を集めた。「大陸軍(グランダルメ)」の名前が登場したのはこの時である。これに対しイギリスはオーストリアやロシアを引き込んで第三次対仏大同盟を結成した。フランス海軍はトラファルガーの海戦でネルソン提督率いるイギリス艦隊に殲滅されイギリス攻略は失敗に終わる。しかし陸ではオーストリア軍を撃破しアウステルリッツの三帝会戦ではロシア・オーストリア連合軍に完勝、第三次対仏大同盟を崩壊させた。 ロシアはイギリスとプロイセンを恃み、プロイセンが中心となって第四次対仏大同盟が結成されるがナポレオンはこれも撃破。ヨーロッパの中央を制圧したナポレオンは各国の王に自分の血縁者をつかせることでこれらを保護国化し神聖ローマ帝国を滅亡させた。さらにロシアにも打撃を与えた上で有利な講和を結んだ。 この結果イギリスとスウェーデン以外の全てのヨーロッパ諸国がフランスの勢力下に入り、ナポレオンとその帝国は絶頂期を迎えた。 ただしイギリスは依然として強力な敵国で、スウェーデンに対しても陸軍元帥のベルナドットを王位につけたもののベルナドット個人はナポレオンに好意をもっておらず完全な従属国とは言い難かった（事実後に離反する）。 1808年、ナポレオンはスペインの王位継承問題に介入するが、これがスペイン人の大規模な蜂起を招く。イギリスの支援を受けた反乱軍はスペイン全土でゲリラ戦を行い、フランスは泥沼にはまり最終的に敗北する。 この苦戦を見たオーストリアが第五次対仏大同盟を立ち上げる。ナポレオンは勝利したものの以前のような快勝は果たせず大きな犠牲を払った。 ナポレオンはイギリスへの対抗策として大陸封鎖令を発してイギリスとの通商を停止し経済封鎖を図っていたが、世界の工場と言われたイギリスとの交易が止まりむしろ大陸側が痛手を被った。 1810年、ロシアはナポレオンの求めを蹴ってイギリスとの交易を再開。ナポレオンはロシアへの侵攻を決意し60万の大軍で攻め込むが、ロシアはフランス軍との接触を避けて焦土戦術に徹した。物資の獲得と敵の撃破の両方に失敗したナポレオンは敗北を悟り撤退を開始するが、冬将軍とロシア軍の追撃に苦しめられ、ロシア国境まで撤退できたのはたった5000人だった。 これを見たプロイセンは真っ先に反旗を翻し、さらにイギリス・ロシア・スウェーデンが参戦して第六次対仏大同盟が結成される。ロシア遠征で激減した人員を補うべく集められたのは訓練不足の新兵ばかりだったがそれでもナポレオンは連合軍と互角に戦った。 しかし連合軍はナポレオンの部下たちを各個撃破していき、この戦役最大の規模となった1813年のライプツィヒの戦いでは連合軍の圧倒的兵力の前に敗退した。 1814年にはナポレオンの手勢7万に対しドイツ方面のプロイセン・オーストリア・スウェーデン・ロシア連合軍41万、スペイン側から侵入するイギリス軍10万という絶望的な包囲網が形成される。身内の裏切りもあって退位を余儀なくされたナポレオンはエルバ島の領主として追放され、連合軍の手によりルイ18世がフランス王に即位。王政復古がなされた。 対仏大同盟側はウィーン会議を開き戦後処理を話し合ったものの協議は遅々として進まず、フランスではルイ18世の統治が民衆の不満を買っていた。これを見たナポレオンは1815年にエルバ島を脱出してパリに戻り皇帝に復位し、同盟側との講和を試みるが各国はこれを拒否し再び開戦する。 序盤こそナポレオンは有利に戦いを進めたものの、イギリス・プロイセン連合軍に対しワーテルローの戦いで完敗。アメリカへ逃走を図ったがイギリスが港を封鎖していたため失敗に終わり、結局イギリス海軍の戦列艦ベレロフォンに投降した。 ナポレオンの復活は96日で終わりを告げ、百日天下と呼ばれた。 一連のヨーロッパの混乱の原因はナポレオンにあるとされ、今度は南大西洋の孤島セントヘレナに幽閉されることとなった。この島でナポレオンは厳しい監視や劣悪な待遇にさらされることになったが、その中でも膨大な回想録を残した。 しかし監禁生活とそれに伴う心労から病を得て、ついに1821年に死去した。享年51歳。死因は公式には胃癌と発表されているが、ヒ素による毒殺説の可能性なども指摘されている。 遺体は1840年にフランスに返還され、ナポレオンの甥であるルイ・ナポレオンがナポレオン3世としてフランス第二帝政を開始する伏線となった。 ナポレオン本人の没落に伴ってフランス自体も衰退の路を辿った。革命で徴兵制を採用し国民皆兵としていた為、ナポレオン戦争時代で被った人的被害が大きく総人口（働き盛りの男性が大量に戦死した）は大幅減少。併せて国力も大きく落ち込み、以後イギリスやドイツ等に水をあけられる結果となったのである。 その後も人口はなかなか回復せず、これを少しでも補うために創設されたのが、現在に至るまで存続しているフランス外人部隊である。 ナポレオン戦争で多大な死者を出したことや、ナポレオン自身の冷徹な側面から「食人鬼」「人命浪費者」「コルシカ（ナポレオンの出身地）の悪魔」といった悪名も存在する。 ナポレオンの評価は2つの側面からなされている。一つは軍事独裁者（フランス革命の民主主義的な側面を否定した者）、もう一つはフランス革命の継承者（革命を確実にフランスに根付かせ、政治経済の改革を推し進めた者）という一見矛盾したようなもの。 ナポレオンは紛れもなく独裁者だったが、その基盤にはフランス革命があったため、独裁者が消えた後にはフランス革命の成果が根付いていた、と言えば分かり易いか。 フランス革命の影響を危惧した周辺諸国が革命政権をつぶそうとしたのが「フランス革命戦争（1792-1803年）」であり、この戦争で活躍し決着をつけたのがナポレオンである。戦争の天才ナポレオンの軍功そのものが、フランス革命を結実させる糧となったわけである。 皇帝として戴冠する際も本来はローマ教皇に戴冠されるはずだったが、ナポレオンは教皇の目の前で自らの手により戴冠した。また即位にあたっても国民投票という手続きを踏んでおり、これらに革命の精神が垣間見える。 ナポレオンは上記の通り軍学校で砲兵科に所属しており、実戦でも大砲を巧みに操った逸話が残されているため「アーチャー」クラスで召喚されたと思われる。 ナポレオンは大砲を荷馬車に載せることで砲兵の機動性を高めた「騎馬砲兵」をうまく活用した。彼らは空飛ぶ砲兵と評判を得た。 +   騎馬砲兵（＋クリックで展開） 前線を駆け巡り、要所に効果的な砲撃を撃ち込むエリート達。 戦局に応じて柔軟に運用出来る為、大陸軍の『虎の子の戦力』として扱われた。（徒歩の砲兵は比較的安全な後方で砲列を組んで敵に大砲を撃ち込む） ただ、優秀さ故にその編制と維持に掛かる費用もかなりのものだった。 まず、大砲とその砲弾の移動だけでも大量の軍馬（※戦闘で1～2頭ヤラれた位で大砲置き去り、なんて事にならない様に予備の軍馬も必要）が必要であり、ほぼ最前線で大砲を撃つ事から、馬術や大砲の取り扱いだけでなく、（いざという時の為の）近接戦闘訓練も必須とされ、指揮官だけでなく配属される兵にも高い練度が必須とされていた。 またナポレオンは分進合撃、そして内線作戦と呼ばれる戦術を得意とし、これによって数々の勝利を得た。分進合撃とは自軍を複数に分割して進撃（分進）し、それらが合流するようにして敵軍を攻撃（合撃）する戦法である。内線作戦はここからさらに発展し分散した敵軍のどれが主力かを見極めて順番に各個撃破するというものである。ナポレオンはこれらを巧みに操ったが、皮肉にも彼が第六次対仏大同盟に敗れたのはこの戦術によってであった。 頭が良く仕事にも熱心で非常に優秀な軍人であった反面、癇癪持ちで落ち着きがなく、神経質な人物だったと伝わっている。 有名な「3時間しか寝なかった」逸話も「不眠症気味で3時間しか眠れなかった」ためとも。 一説によるとADHDを抱えた発達障害者であったとも言われている。 イタリアの学者ロンブローゾは著書『天才論』の中でカエサルやナポレオンなど「天才」の多くに癲癇の症状があったことを指摘し、「天才と狂人は紙一重」という言葉が生まれるきっかけとなった。 「吾輩の辞書に不可能の文字は無い」というセリフはあまりにも有名。直訳すると「不可能という言葉はフランス語ではない」となり、元々は軍の隊員たちを鼓舞する際の言葉だったと言われている。 しかし多くの偉人の例に漏れず後世の創作という説も色濃く、それを反映したのが第二部CMでの「それも俺が言ったことになってるらしい」というセリフなのだろう。

• 出典が史実に加えて「ナポレオン伝説」とされている通り、人々から英雄として崇められた「ナポレオンの偶像」として現界している。筋骨隆々とした長身や快活な言動など、まさに「快男児」と呼ぶのに相応しいような男だが……？
• 「マスター」に対してはフランス語で「maître(メートル)」と呼ぶ。また、コマンドカード選択時の「D'accord!(ダコール)」は「了解」の意。

• 「アーチャー」クラスで召喚されているため、巨大な砲を武器として扱う。一方で「ライダー」クラスでの召喚もありうるようだ。この場合は「大陸軍(グランダルメ)」が宝具となることが匂わされている。
  • 余談だが、大陸軍(グランダルメ)は日本語に訳すと「大陸軍(だい・りくぐん)」となる。大陸軍(たいりく・ぐん)と読むと、アメリカ独立戦争時にワシントンが率いた軍隊を指してしまうので注意。

• 宝具「凱旋を高らかに告げる虹弓(アルク・ドゥ・トリオンフ・ドゥ・レトワール)」。
  英霊ナポレオンの存在が昇華された、偶像としての彼の在り方を象徴する宝具。宝具名はパリにある有名な「（エトワール）凱旋門」のフランス語名に由来し、直訳で「星の勝利の弓（星の凱旋門）」。エジプト遠征の際「スフィンクスを破壊した」という逸話から神性特攻の効果が備わっている。
  • 凱旋門はパリ市内だけでも複数存在するが、中でも最も代表的なものがエトワール広場（現シャルル・ド・ゴール広場）の「（エトワール）凱旋門」である。イシュタル（騎）の宝具に登場するアレ、と言えば誰でもピンと来るだろう。1805年のロシア・オーストリア連合軍との「アウステルリッツの三帝会戦」の戦勝記念にナポレオンの命で建設が始められたが、実際に完成したのはナポレオンが没した15年後の1836年。
  • 「ナポレオンはエジプト遠征の際スフィンクスを狙撃した」という逸話は現在ではほぼ間違いなく創作とされている。現在も残る頭部の破損はナポレオンの前の時代の出来事と言われており、また当時のスフィンクスは体の大部分が砂に埋没していた。
    • とはいえFateにおいて「後世の人々による後付けの伝説で成立した宝具」はセミラミスやケイローンのようにそう珍しいものでもない。
      マテリアルにもある通り「ナポレオンならそのくらいやっただろう」と人々から信じられたのなら、それだけで宝具として十分成立し得るのだと思われる。
  • 本作での宝具演出の正面絵や3回に渡る発砲シーンは寺沢武一の漫画及びアニメ『コブラ』がモチーフか。主人公の宇宙海賊コブラもまた、不可能を物ともしないタフネスと精神力を持つ快男児である。

• Fateでの身長は189cm、史実での身長およそ167cmとはかなり異なるが、アーチャークラスでの現界だと「願いを受け止める存在」としてナポレオンの体型そのものに補正がかかる模様。
  ライダークラスで現界した場合は史実寄りになって縮むらしい。
  • 後世ではこの低身長にコンプレックスを抱いていたとされ、「ナポレオン・コンプレックス（低身長の男性は劣等感から攻撃的な性格になりやすいとする説）」という言葉も生まれている。
    しかし当時のフランス人男性として167cmはそこまで低くはなく、むしろ平均より少し高めであるらしい。
    ナポレオンを快く思わない対立国らの悪評が原因とも、ナポレオンの親衛隊が皆身長180前後～190cm代の高身長だったため、167cmの彼は実身長以上に小さく見えて「小男」のイメージがついてしまったからだとも言われる。
  • 一説によるとラスプーチンの11分の1のサイズ。
  • なお筋力値D。
    • マッシブな外見の軍人でありながら筋力が低いのは、近世の人物であるために神秘性による補正が薄いためと思われる。元祖筋力Dのアーチャーと近い理由。
• 苦手なものとして犬のパグを挙げている。妻ジョゼフィーヌの愛犬フォルチュネ（幸運の意）がベッドに入ってきてナポレオンにひどく噛み付いたことがある、というエピソードが由来か。

• 欧州どころか世界史上でも稀に見る程に著名な人物だけあって多くの逸話が残されており、既存のサーヴァント、特にフランス圏の英霊にはナポレオンと縁のある者も多い。

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  ナポレオンの関連人物＋クリックで展開

  サンソン：晩年のサンソンはナポレオンに謁見する機会があった。ナポレオンが「革命が起こったら君は私のことも処刑するのか」と尋ねたところ、「私は国王を処刑した男ですよ」と返したため、ナポレオンは気味悪がったというエピソードがある。 マリー・アントワネット：フランス革命を機に処刑された悲劇のフランス王妃。彼女が処刑されたのは1793年だが、当時のナポレオンはまだ政治的権力を持たない一軍人に過ぎなかったので縁は薄く、同時代同国人である程度。 王妃処刑時、ナポレオンはフランス南部で勃発したトゥーロン攻囲戦に参戦していたため面識はない。 なお、後継者がいない事に焦ったナポレオンは男癖の悪さのせいで愛想を尽かしていた妻ジョゼフィーヌと子どもが出来ないことを理由に離婚。神聖ローマ皇帝フランツ2世の娘マリー・ルイーズと政略結婚をして息子をもうけている。このマリー・ルイーズの大叔母(祖父の妹)に当たるのがマリー・アントワネットだったりする。 ジャンヌ：処刑後に名誉が回復されたとはいえ、ジャンヌ・ダルクの名は長らく歴史の表舞台から姿を消していた。しかし、ナポレオンはジャンヌを救国のヒロインとして宣伝し、各地で銅像を建てるなどプロパガンダとして利用した。 庶民の中から英雄が現れ国を救うというストーリーが、同じく立身出世で権力者になったナポレオンには都合が良かったためとされるが、兎にも角にもこの活動によってヨーロッパでのジャンヌの知名度が一気に跳ね上がった模様。 アンデルセン：アンデルセンの父は（体が弱いにも関わらず）ロシア遠征の軍隊に志願するなどナポレオンに憧れていた。子供時代のアンデルセン自身も少なからずその影響を受けており、成長した後に旅行でナポレオンゆかりの地を訪れている。 エドモン・ダンテス：出典元である小説『モンテ・クリスト伯』はナポレオンが失脚間もない頃が舞台であり、彼のモデルは晩年のナポレオンにより人生を狂わされた２人の男だとされている。 船乗り時代のエドモンは、エルバ島にいたナポレオンの家臣ベルトランに荷物を届けており、その際にナポレオンと対面している。この出来事は後にエドモンが冤罪で投獄されるきっかけにも絡んでくる。 『モンテ・クリスト伯』の作者であるアレクサンドル・デュマ(『Fate/strange Fake』ではキャスターのサーヴァントとして登場)の父親は黒人ハーフの軍人であり、ナポレオンとは対立関係にあった。兵卒からの叩き上げで筋骨隆々とした美丈夫であったデュマ将軍に対し、史実における貧相なナポレオンはコンプレックスを抱いていた事もあり、エジプト遠征をナポレオンの私利私欲と批判されたことで完全に決別。捕虜となったデュマ将軍を救助することなく、彼が帰国した時には軍籍を抹消、復帰も認めず、年金の支払いも拒否した（加えて先進的だったフランス革命直前から最中の黒人ハーフ他に対する人権も諸々廃止している）。 イスカンダル：ナポレオンはイスカンダルことアレキサンダー大王を尊敬しており、エジプトに進軍した際、彼の伝説を真似てクフ王のピラミッド内にある「王の間」で一晩過ごしてみたという逸話がある。翌朝、ナポレオンは真っ青な顔で現れ部下たちにも心配されたが、「絶対に信じてもらえないから」と何も話さなかったという。この時、彼はかの征服王の亡霊と対面したのだと伝えられている… ヘクトール、アキレウス：台詞でも言及されているが、ナポレオンは「トロイア戦争」を描いた『イリアス』を愛読書としていたらしい。 シャルルマーニュ/カール大帝：彼の剣「ジュワユーズ」はフランス王権の象徴とされており、ナポレオンの戴冠式でも用いられている。が、フランス革命でオリジナルは紛失しており、戴冠式で用いられ現在ルーヴル美術館にあるモノはナポレオンが新たに作らせたモノであるという説も。 ジル・ド・レェ(術)＆フランソワ・プレラーティ：「クゥトゥルフ神話」系列作品において、プレラーティの翻訳した『ルルイエ異本』のイタリア語版をナポレオンが所有していたという設定が存在している。 Fateにおいてプレラーティが著した邪教書でありジルの宝具でもある「螺湮城教本」をナポレオンが所有していたかは不明。 レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」：ご存じダヴィンチちゃん作、世界一有名な肖像画の一つ。フランス革命後、皇帝となったナポレオンは彼の寝室に「モナ・リザ」（もちろん真作）を飾っていた。 新宿のアーチャー：「犯罪界のナポレオン」という異名を得ている。特殊会話からもナポレオン本人としてその呼び名に思うところがあると察せられる。 アナスタシア：義理の息子(ジョセフィーヌの連れ子)のウジェーヌの息子(つまり義理の孫)マクシミリアンがロシア皇女と恋愛結婚し入り婿になったため、ナポレオンによって興されたロイヒテンベルク公家はロシア皇室の分家筋・レイフテンベルクスキー家となっている。ラスプーチンをアナスタシアの母に紹介したのはこの分家筋の女性。 レオニダス一世：ナポレオンの肖像画でお馴染みの、「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト」の作者・ジャック＝ルイ・ダヴィッドは、レオニダス一世を題材にした「テルモピュライのレオニダス」を描いている。 シャーロック・ホームズ：短編「六つのナポレオン」において、ロンドン市中のナポレオンの胸像が破壊される怪事件の捜査を行っている。 旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐのショップボイスの「どれか一つは大アタリのナポレオンの石膏彫像」の元ネタであろう。

• 初出は第二部TV-CM第五弾。近代的な軍服や武器として大砲を使用していることから、「ナポレオン」は公開直後から真名の候補として有力視されていた。
  • ナポレオン実装以前のFate作品では、『Fate/strange Fake』においてエルメロイ教室の学生「フラット・エスカルドス」がナポレオンの召喚について言及している。
    「(聖杯戦争に触媒として)ナポレオンの肖像画とか持っていったらナポレオン召喚できるんですか！皇帝なら最強じゃないですか！」とはしゃいでいるが、そんな彼に辛辣なツッコミを欠かさないエルメロイⅡ世曰く「私がナポレオンの英霊なら契約する前に君を銃殺しているところだ！」。
  • 『カプセルさーばんと』では、日本ではジャンヌ・ダルクよりもナポレオンのほうが知名度が高かったことでショックを受けたJKジャンヌに「あのちっさいおじさんですら！？」呼ばわりされている。
    • 知名度の高さの原因の一つに、ブランデー（ワインから作る蒸留酒）の等級に「ナポレオンクラス」があるのも原因か。こんな等級が成立したのは長男が生まれた年がブドウが豊作だったからとか、ナポレオンがコニャックを飲んで絶賛したとか諸説ある。なお、AOC（アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ、フランス産農産物の品質を保証する原産地呼称統制）としてコニャックやアルマニャックがついているものならば、ナポレオンクラスのブランデーはほぼ間違いなく最低数万円以上の高級品だが、そうでない地域のフレンチブランデーでも勝手に名前を付けて日本で数千円で売られてたりするので、ちょっと昔のお父さんの秘蔵の一本が大して高いものじゃないとか割とあったりもする。

• マテリアル本によれば一臨の姿で胸のボタンを外したのは武内社長の素晴らしい判断。
  • この皇帝…スケベすぎる！
  • マタギのアーチャー

• アレキサンダーorイスカンダル、巌窟王　エドモン・ダンテス、シャルル＝アンリ・サンソン、マリー・アントワネット、新宿のアーチャー、トロイア戦争関連サーヴァント所持時にマイルームに特殊会話が追加される。
  • 新宿のアーチャーへの会話は、メインシナリオで真名判明済であることも条件となる。
  • トロイア戦争関連サーヴァントの対象は、パリス、ヘクトール、アキレウス、オデュッセウスのいずれか。

• ナポレオン/コメント
• ナポレオン/コメント/1
• ナポレオン/コメント/2
• ナポレオン/コメント/3