ドゥリーヨダナ

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ドゥリーヨダナはインド古代叙事詩「マハーバーラタ」における主要登場人物の一人。アルジュナ・ビーマたち五王子と対立した百王子の長兄である。

彼の母親は聖仙により「100人の子を産む」と祝福を受けていたが、産み落とされたのは一つの肉塊であった。
聖仙がそれを分けて100個の壺に入れたところ、そこから100人の男子が生まれたという。

ドゥリーヨダナは五王子たちと事あるごとに反目し、彼らが王国を追放される原因となるイカサマ賭博を叔父と共謀して行った。
そして追放期間を終えて帰って来た五王子たちも受け入れず、一族全体を巻き込んだクルクシェートラの大戦争を引き起こすことになった。

クリシュナにも認められるほどの戦士、棍棒術の達人であったドゥリーヨダナだったが、最終的にはビーマとの一騎打ちに敗れ、アシュヴァッターマンに後を託して死亡した。

身長/体重：190cm・90kg
出典：マハーバーラタ
地域：インド
属性：秩序・悪　　副属性：地　　性別：男性
兄弟喧嘩には我関せずの主義。

五王子の長男ユディシュティラは徳と知性に優れており、次代の王候補と目されていたため、ドゥリーヨダナは彼をはじめとした五王子を目の敵にした。
五王子の次兄、怪力無双のビーマを暗殺しようとしたり、あるいは五王子の家を燃えやすい材質で造らせ、火をかけて諸共に焼き殺そうとしたりしたが、悉くが失敗に終わる。

ある日、王族の前で武芸を披露する催しが行われた際、
アルジュナたちがあまりにも見事な腕前を披露し、ドゥリーヨダナは嫉妬と憎悪を溢れさせた。そのとき観客の前に進み出て、アルジュナに対決を挑んだのがカルナである。
カルナが見せた見事な腕前は五王子たちの勢いを削ぎ、ドゥリーヨダナは彼らに一泡吹かせたカルナの味方となって喜んだ。
カルナはさらにアルジュナとの決闘を求めたが、王族であるアルジュナとの身分違いにより決闘は認められなかった。そこでドゥリーヨダナはその決定に異議を唱えるとともに、身分が違うなら自分がカルナを王にしよう、と一国の王の座を与えた。
これによりカルナとドゥリーヨダナは家族にも等しい親密な関係となり、大戦争でもカルナは百王子側について戦うこととなった。

クル族の長老ビーシュマの裁定により、成長したパーンダヴァ五王子とドゥリーヨダナたち百王子は領土を半分ずつに分けて暮らすことになった。

やがてユディシュティラは与えられた地を豊かにし、偉大なる王としての式を行う。
そこに招待されたドゥリーヨダナはその式のあまりの豪華さに圧倒され、様々な恥を掻かされ、再び嫉妬に狂った。
そこで叔父であるシャクニと共謀し、骰子(さいころ)賭博で五王子の全てを取り上げる計画を立てる。
賭博に目がないユディシュティラの弱点を突いたその計画は見事に成功し、結果として五王子たちは全てを失うことになった。１２年間を森で暮らし、その後の１年間を誰にも知られず暮らすことを強いられた。

１４年目になって彼らが帰還し、そして巻き起こったのがクル族の大戦争である───

〇人悪のカリスマ：Ｂ－
彼の持つ人間味に溢れたカリスマを示すスキル。
彼はすぐに人を嫉(そね)み、羨み、そして憎む小心者ではあったが、同時に見捨てられない魅力を具えていた。
様々な悪行や褒められない行為の結果として大戦争の引き金を引いたにも関わらず、カウラヴァ側の旗頭として大戦争を戦ったということは、彼についていく者もそれだけいたということである。
もし彼が単なる小悪党であったとしたらそれほどの人間はついてこなかっただろう。
クルの王族として、一定の魅力、評価される人間性を持っていたと考えられる。
とはいえ合わない者にはまったく合わない。

〇凶兆の申し子：ＥＸ
彼が生まれたとき、様々な不吉な現象が起こったとされる。一族に災いを呼ぶとして、識者は王にその子を棄てることを勧めたが、王は受け入れなかった。
結果として彼は一族に滅びをもたらす大戦争を引き起こすことになる。
また、彼は悪魔カリの化身であるとも語られている。

『一より生まれし百王子』
ランク：Ａ　種別：対軍宝具
レンジ：１～５０　最大捕捉：１００人

ジャイ・カウラヴァ。
「カウラヴァの勝利」「カウラヴァ万歳」を意味する。
ドリタラーシュトラとガーンダーリーの子たち、カウラヴァの長兄として、一つの肉塊より生まれた百王子たちを一斉に召喚する宝具。
同じ肉塊より生まれたものである以上、霊的には弟たちはドゥリーヨダナと同一存在であるとも言える。
その繋がりを利用して強引に喚び出される、武装した王子たちで構成された一軍。
その中にはドゥフシャーサナやヴィカルナなど名が知られている者もいるが、征服王の軍勢のように一人一人が全て名だたる英雄というわけではない。それでも彼らは古き時代、神話の大戦争を戦った者たちであり、五王子やドゥリーヨダナと同じように武芸を学んだ戦士。血の繋がりによる高い連携力を見せることで、大抵の相手はその数で押し切れる。

なお、程度の差はあれ、百王子たちの性格はだいたいドゥリーヨダナと似たようなもの。
つまりは基本的にロクデナシ集団である。

盲目の王ドリタラーシュトラとガーンダーリーの間には、１００人の兄弟たちに加えて、ただ一人の女子がいた。
その名はドゥフシャラー。
ドゥフシャラーは母の「男子だけでなく女の子もいたらいいのに」という想いを受け、聖仙が最後に準備した１０１個めの肉塊から生まれたのだという。

後(のち)にドゥフシャラーはサインダヴァ族のジャヤドラタ王のもとに嫁ぐ。
ジャヤドラタ王はクルクシェートラの大戦争の際、ドゥリーヨダナ（カウラヴァ）側の味方として参戦し奮戦したが、最終的にアルジュナのその首を獲られた。

戦争後、アルジュナたちは馬祀祭(アシュヴァメーダ)のために各地を巡ったが、そこでサインダヴァ族の地も訪れることになった。
当然ながら一触即発となったものの、ドゥフシャラーの勇気ある懇願により、アルジュナは戦闘を中止したという。

１００人の兄弟たちを殺され、夫を殺され、義理の家族たちを殺された。
恨みはあっただろう。憤りもあっただろう。
それでも、彼女は選んだのだ───憎しみの連鎖を終わらせることを。

血はもはや、充分すぎるほどに、流れていた。

• インド英雄叙事詩『マハーバーラタ』の登場人物。
  カルナの親友であり、ビーマ、アルジュナらパーンダヴァ五兄弟とは敵対関係にある。
  • 原語の発音に忠実な「ドゥルヨーダナ」表記のほうが主流であるが、アルファベット表記の「Duryodhana」を英語風に読んだ「ドゥリーヨダナ」と呼ばれる事も有り、本作ではこちらが採用されている。
    なお、言語の違いによる表記・読み方の違いは「カエサルとシーザー」や「アヴィケブロンとイブン・ガビーロール」など類例は非常に多くある。

• 一つの肉塊として生まれ、切り分けられたそれぞれが百人の兄弟と一人の娘に成長したという「カウラヴァ百王子」の長兄。悪魔カリの化身。マハーバーラタではカルナやアシュヴァッターマンが所属するカウラヴァ陣営のボスとしてヴィラン的立場をとる。
  • カウラヴァ百王子の出生は大変奇妙であった。
    王妃たる百王子の母親が二年間も子を身ごもった後、苦労して生んだのは一つの肉塊であった。
    初め母親は肉塊を捨てようとしたが、聖仙が現れて彼女を制止した。聖仙の指示によって肉塊に冷水を注ぐと、肉塊は百個の小さな塊に分かれ、肉塊一つ一つはギー(インドの食用バターオイル)で満たした壷に保存された。それからしばらくして、壷の中から百人の王子と一人の王女が産まれた。
    • 百王子の長男であるドゥリーヨダナが誕生する時に様々な不吉な兆しが現れ、周りからもその魔の化身たる子供を捨てるようと助言したが、父親である王は情を移し、助言に従わなかった。
    • 末妹の名はドゥフシャラー。母親は聖仙から分かれる肉塊が百人の子になると聞くと、せめて娘も一人欲しいと所望した。要望を受け入れた聖仙がさらに百一個目の肉塊を切り落として、それがドゥフシャラーとなった。

• ドゥリーヨダナは嫉妬深く横暴な性格で、権力を巡って対立するパーンダヴァ兄弟を破滅させようと奸計を巡らせた。
  一方で、カルナが身分の問題で実力を評価されなかったことに憤慨して一国の王に据えるなど人情家としても描かれる。
  • 特にビーマとの関係は最悪で、ドゥリーヨダナは武勇に優れたビーマを妬み、ビーマはドゥリーヨダナを卑怯だと嫌っていたため幾度となく殺し合った。
  • 『マハーバーラタ』でドゥリーヨダナは最終的にビーマとの一騎打ちで敗れ、その時負った重傷で数日後死亡したが、それはビーマがパーンダヴァ側に立つクリシュナに唆されて、当時の棒術決闘で反則とされる「臍から下を狙う攻撃」でドゥリーヨダナの足を折った後、彼の頭を踏みつけたためだった。
    とはいえこれもかつてドゥリーヨダナがビーマたちの妻ドラウパディーに対し、生理中に人前で服を脱がそうとするという暴行と太腿を露出させるという性的な侮辱を行ったため、ビーマがいつかドゥリーヨダナの腿を砕くと誓ったことが遠因。
    • ドゥリーヨダナは悪賢く狡猾な性格だが、棍棒術においてはビーマと互角に戦える程に卓越した戦士でもある。
      ビーマが反則攻撃でドゥリーヨダナを打ち負かした後、彼らの棍棒術の師もビーマを非難した。
      しかしビーマに反則を唆したクリシュナはドゥリーヨダナの数々の悪行を挙げ、非法に非法で報いた事の正当性を主張。重傷を負ったドゥリーヨダナも反則で得た勝利は砂の味に等しいと反論し、神々もこの際にドゥリーヨダナを称えた。
  • ドゥリーヨダナは瀕死の際に指揮権をアシュヴァッターマンに譲るが、色々あって激怒していたアシュヴァッターマンは直ぐに復讐のためにルール破りの夜襲を決めてしまう。
    ドゥリーヨダナはパーンダヴァ五兄弟側が夜襲で全滅したと聞いて、ようやく息を引き取った。
    しかし、後にこれは誤報だった事が判明する。

• サイコロを所持しており、スキルモーションでしばしば遊ぶ。
  • ドゥリーヨダナはかつて伯父のシャクニと共謀し、サイコロ博打に誘ってパーンダヴァ五兄弟の長兄ユディシュティラにイカサマを仕掛け、兄弟達の領地と財産などをすべて巻き上げた。
    後に仲裁により勝ち取った物を返還したが、ドゥリーヨダナは諦めずに再びイカサマ博打でパーンダヴァ兄弟を総計十三年間も追放する権利を勝ち取った。
    この大勝負はドゥリーヨダナにとって人生のクライマックスであろう。
  • しかしこの一連の所業がパーンダヴァ兄弟たちの怒りを買い、彼らが復讐を誓った事で、後の大戦争に繋がる因縁となってしまった。

• 宝具「一から生まれし百王子(ジャイ・カウラヴァ)」
  • 誕生伝説に基づく、かつて同じ肉塊から分かれて産まれた自分の弟達を召喚する軍勢系宝具。
  • バトルモーションと宝具のレア演出として戦友たるカルナやアシュヴァッターマンも召喚される。
    インド屈指の大英雄である彼らを召喚できるというだけでも十分にチート染みた性能だが、人格や風評はどうあれドゥリーヨダナに曲がりなりにも一大戦争の指揮官を務めるほどの人望があった事の証左と言えるだろう。

• 公式マテリアル本によるとカルナ曰く、トーマス・エジソンはドゥリーヨダナと似た性格らしい。
  • プライドが高い、すぐ調子に乗る性格、友を召喚する宝具を持つといった特徴から、実装当時に「インドのイアソン」と一部のマスター達から呼ばれた。

• ベオウルフ以来七年ぶりに登場した、二人目の狂化E-バーサーカー。
  宝具がアーツなのでクラススキルの恩恵はほぼ無いに等しい。

• 同期実装のビーマほど派手な変身こそしないが、実は再臨衣装のファッションスタイルは一見似ている様ですべて異なっており、服やアクセサリーの着回しは一つもない。
  わし様はおしゃれ好きなのだ。
  イベント「ミスティックアイズ・シンフォニー ～妖しの森と麗しの足跡～」ではセイントグラフで見切れている靴を見ることもできる。ポートレイトにつけられた寸評は「Cute!」。

• 一人称がわし様と独特。

• ラクシュミー、カルナorカルナ（サンタ）、アシュヴァッターマン、アルジュナ、ビーマ、大いなる石像神、ヴリトラ、弟系サーヴァント所持時にマイルームに特殊会話が追加される。
  • 弟系サーヴァントの対象は、パリス、織田信勝のいずれか。
    イベント「ミスティックアイズ・シンフォニー ～妖しの森と麗しの足跡～」での描写が元ネタか？