人物紹介 
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ゲームにおいて 
小ネタ 
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- ギリシャ神話の英雄、イタケーの王。父はイアソン率いるアルゴノーツの一員でもあったラエルテス、妻はペーネロペー、息子はテレマコス。
トロイア戦争においてはアカイア(ギリシャ)側としてしぶしぶながら参戦。
大英雄アキレウスの招聘や説得で弁舌・知略をもって活躍を見せ、最終的には「トロイの木馬」作戦を立案してトロイアを滅亡に追い込んだアカイア勢きっての知将。叙事詩においても「堅忍不抜」「機略縦横」等の尊称を付けて呼ばれることが多い。
- 傲岸不遜な総大将アガメムノンに直言を行える数少ない武将であり、副将にしてヘレネの本来の夫であるメネラオス、宿老ネストル、そしてアキレウスなど交友関係は非常に広く、特に仲が良かった勇将ディオメデスとは度々コンビを組んで戦ったり敵地偵察に行ったりしている。ただし自身を無理やり戦争に引っ張り込んで家族から引き離したアカイア勢もう一人の知将パラメデスのことは恨み骨髄だったようで、計略を巡らせ戦争中に謀殺している。さらにアキレウス死後にはその武具の所有権を巡り大アイアスと争い、得意の舌戦で勝ちをもぎ取ったは良いもののアイアスが暴走・自殺する切欠を作ってしまうなどのエピソードもある。
- ギリシャ連合軍の軍師的立ち位置ではあるが知略だけの人物ではなく、むしろ武力においてもトロイア戦争に参加した英雄の中でもかなりの実力者。アキレウスに匹敵する武勇を誇った大アイアスともレスリングで互角の勝負を演じている。特に弓の腕は超一流であり、後に帰郷した際には「12本並べて置かれた斧の柄に開いている穴をたった一射で全て射抜く」という超絶技巧を見せている。
- トロイア戦争後にオデュッセウスは妻子の待つ故郷のイタケーへと戻ろうとしたが、その航海の最中で(主にポセイドンのせいで)様々な苦難に見舞われ、最終的に10年間も放浪することになる。
その旅路は詩人ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』にて描かれており、有名どころの冒険は以下のようなもの。
- 一つ目巨人キュクロプス族の国に漂着し、凶暴なポリュフェモスに食糧として捕らえられる。部下が毎日食われていく中、オデュッセウスは一計を案じて秘蔵のワインをポリュフェモスに献上。機嫌を良くしたポリュフェモスの「お前は最後に食ってやるから名を名乗れ」との問いに「私の名はウーティス(誰でもない)だ」と偽名を名乗り、その後酔っ払って寝こけた巨人の目に杭を突き刺して失明させる。怒り狂ったポリュフェモスは仲間に助けを求めたものの「ウーティス(誰でもない奴)にやられた」と言ったせいでドジを踏んで勝手に失明したと思われ、返ってきたのは失笑だけだった。
ただし話はこれで終わらず、首尾良く脱出しいざ出航というタイミングで功名心からオデュッセウスは本当の名を名乗ってしまう。その結果、ポリュフェモスは父親であるポセイドンに復讐を嘆願し、以降オデュッセウスは海上で常にポセイドンから妨害を受ける羽目になった。自業自得
- 風神アイオロスの支配するアイオリア島(現在のイタリア・エオリエ諸島とされる)に寄航。一月ほど滞在してから故郷に帰るための風を詰めた袋をもらって出航するが、気が逸った部下があろうことか道中で逆風の詰まった袋を勝手に開けてしまい、再びアイオリア島に吹き戻される羽目になる。呆れ果てたアイオロスに今度はけんもほろろに追い出されることとなった。
- メディアの師匠であるキルケーが住まうアイアイエー島に部下共々寄航する。ここでキルケーは毒入りキュケオーンを飲ませてオデュッセウスを豚に変えようとしたが、彼が事前にヘルメス神から入手していた薬草の効能で失敗。自慢の魔術が効かないことに激しく動揺した彼女はオデュッセウスと閨を共にした後に一行を歓待する方向に舵を切り、航海への様々なアドバイスを送るなどして1年間を共に過ごした。
- 行先についての予言を貰うために予言者テイレシアースが暮らす冥府に下って託宣をもらい、既に死去していた母親、アキレウスやアガメムノンを始めとする死者たちの霊、さらにはヘラクレスの幻影(本人は既に神の座に上がってしまったため)とも話をする。また、冥府を駆け回って獣を狩るオリオンの姿も目にしている。
- 美しい歌声で旅人を誘惑しことごとく殺してしまうセイレーンの住む島の側を通過。無事に通るためにオデュッセウスは部下全員の耳に蝋を詰めさせ遮音した上で、自身はその歌声を聴くべく、部下に頼み自らを帆柱に縛り付けさせた。これによって一行はセイレーンの棲家を突破することに成功し、一方、歌声を聞かせたにも関わらず旅人を誘い込めなかったセイレーンはプライドを傷付けられ自殺したとされる。
- その後、スキュラに襲われたり、休息に立ち寄った島で部下が神牛を食べてしまい神罰を受けた結果、部下を全員失い船まで破壊されたオデュッセウスはただ一人女神カリュプソーの棲む島に漂着。8年暮らした後に筏を作って出航して
またしてもポセイドンに途中で筏を壊されパイエケス人の国へと辿り着き、そこから船で送ってもらって何とか故郷イタケーまで帰り着くことに成功する。
- 女神アテナが特に贔屓にした英雄の一人でもあり、戦争中も放浪中もアテナはオデュッセウスやその息子テレマコスに助言を与えたり加護を与えたり、果ては再会した夫婦の夜のために暁の女神を引き留めて無理やり夜明けを遅らせたり等とあれやこれや
少々やり過ぎなくらい手助けをしている。オデュッセウスの側も敬愛の念を持って女神に応え、ギリシャ神話としては極めて珍しい「女神と英雄が互いに尊重し合い、かつ色恋沙汰にならない」関係を築いている。
- 恋愛方面ではオデュッセウス本人は妻のペーネロペー一筋なのだが、女神や仙女から好意を寄せられたり寝所を共にしたり、という逸話はしばしばある。上述のキルケー然り、その後に出会った仙女カリュプソーからは完全に惚れられた挙句8年間も彼女の島に幽閉され同棲を強要される羽目になった。また、漂着したオデュッセウスを保護したパイエケス人の王女ナウシカアも「このような方が夫だったらどんなに良いことか」と感想を漏らし「国に帰っても私を忘れないでほしい」と伝えているあたり、魅力的に映る人物だったようである。
- なおヘシオドスの『神統記』によれば、オデュッセウスはキルケーとの間にアグリオス、ラティーノス、テレゴノスの三子を、カリュプソーとの間にナウシトオス、ナウシノオスの二子を設けたとも言われている(ラティーノスとナウシトオスはそれぞれ母親が逆とする説もある)。ラティーノスは「ラテン人の賢王」として古代ローマの叙事詩『アエネーイス』にも登場し主人公アイネイアースに娘を嫁がせており、この説を採用する場合オデュッセウスはロムルスの先祖ということにもなる。
- 妻のペーネロペーも貞潔かつ賢明な女性として高名であり、夫の出征後はその生還を信じて20年間(トロイア戦争で10年、帰郷でさらに10年)、言い寄る求婚者を様々な口実を使って跳ね除けつつ一人息子テレマコスを立派に育て上げている。『オデュッセイア』終盤でとうとう言い訳が尽きて貞操の危機に陥ったものの、帰還したオデュッセウスが求婚者を一人残らず誅殺、夫婦は再会を果たした。
- 一般的には、帰郷を果たしたオデュッセウスはペーネロペー、テレマコスと共に仲睦まじくイタケー島で余生を送り死去したと言われている。しかし後世に『オデュッセイア』の続編という体で作られた叙事詩『テレゴニア』においては、あろうことかキルケーとの間に出来たもう一人の息子テレゴノスがイタケー島にやって来た時に老オデュッセウスは勘違いでテレゴノスに殺害され、挙句に残されたペーネロペーはテレゴノスが娶り、キルケーはテレマコスの妻となるというとんでもない結末が描かれている。
- 意外なところでは中世に書かれたダンテ・アリギエーリの『神曲』にも登場している。奸計や謀略を弄したことで親友のディオメデス諸共に地獄行きとなっているが、ウェルギリウスに案内されて自分の下を訪れたダンテに「世界の果てを目指した人生最後の航海」について語るなど見せ場が多い。
- オデュッセウスを主人公とする『オデュッセイア』は、トロイア戦争を語った『イーリアス』共々ギリシャ叙事詩の中では最古級に属するもの。どちらもホメロス作とされてきたが、最近の研究では『オデュッセイア』の方が成立年代がやや新しいと推測されている。『2001年宇宙の旅(スペースオデッセイ)』に代表されるように、現代では漂流記・航海記の代名詞的存在となった。
- アイルランドの詩人作家ジェイムズ・ジョイスの著書『ユリシーズ』は、『オデュッセイア』のパロディ的作品となっている。文中に言葉遊びが多用され、同じ作者の『フィネガンズ・ウェイク』共々翻訳が極めて難しいことで有名。ちなみにユリシーズとはオデュッセウスの英語読みである。
- イギリスの作家アリステア・マクリーンの海洋冒険小説『女王陛下のユリシーズ号』に登場するイギリス海軍の架空の軽巡洋艦ユリシーズの名前元ネタもこれ。おそらくは海を舞台にした冒険譚ということで作者が意図的に名付けたものと思われる。余談だが、奥さんの方はアリシューザ級軽巡洋艦ペネロピとして実際にイギリス海軍で名前が使用されている。同国海軍にはアガメムノン、オライオン、ハーキュリーズ、ハーミーズ、ベレロフォン等々ギリシャ神話から名付けられた艦が多いので、調べてみるのも一興。
- 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場する「オデュッセウスガンダム」、フライトユニットを装着し真価を発揮できる状態となった「ペーネロペー」、その所属する部隊名「キルケー隊」の名前の元ネタでもある。
- また宮崎駿の『風の谷のナウシカ』の主人公ナウシカは、前述のパイエケス人の王女ナウシカアが元ネタ。
マスクを外すと胸元もパージするセクシー仕様。
- しかし原典ではこんな生易しいものではなく、ナウシカアの前に現れた時には(漂着直後で仕方なかったとは言え)全裸の状態で保護を願い出ている。
全裸中年男性。
真名判明前は「アトランティス仮面」の通称で親しまれてきた。
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