Thu, 18 Jan 2024 07:01:44 JST (472d)
人物紹介 
ゲームにおいて 
小ネタ 
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- 新選組参謀・伊東甲子太郎。
神道無念流と北辰一刀流の二つの流派を修めた剣客であり、その腕前は稽古において土方歳三に一度も負けた事がない程。加えて水戸遊学中に国学を身に付け新選組の文学師範も担った文武両道の人物。
更に容姿に優れ弁舌も巧みであり、和歌にも造詣が深く、『残し置く言の葉草』という歌集を著している。
新選組の裏切り者故に近年では策士、腹黒い人物と思われがちだが実際は温厚で平和的な人物という評が残っている。
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- 志筑藩(現在の茨城県南部)の出身。
江戸に出て北辰一刀流伊東道場の伊東誠一郎(精一とも)に師事し、その腕を見込まれて師の遺言と他の門弟の推挙により、婿養子として伊東の娘・ウメと婚姻、道場を継ぐ。
新選組八番隊組長である藤堂平助と知己であり、彼の誘いに応じて実弟の鈴木三樹三郎(九番隊組長)や交遊のあった篠原泰之進、服部武雄や道場の弟子らと共に新選組に加入。各隊の組長より上に位置する大幹部の参謀として登用される。
- 元の名前は鈴木大蔵。
師の伊東道場を継ぐに当たって婿養子入りして伊東姓に改姓。新選組加入のために上洛した際、その年の干支(甲子)に因んで「甲子太郎」と名前を改めている。
- 伊東は新選組の大幹部であったが国学を修めて尊皇攘夷思想を持っていたため、佐幕勢力として同じ尊皇派の維新志士を討伐する新選組の在り方に思想的な齟齬を感じ、薩摩藩への諜報と孝明天皇の御陵を守るという名目で「御陵衛士」という組織を結成し、藤堂平助、服部武雄、篠原泰之進、阿部十郎ら伊東を支持する隊士らと共に新選組から正式分派する。
しかし、御陵衛士にスパイとして加わっていた斎藤一から薩摩藩への接触や近藤勇暗殺計画が新選組に伝えられ、先手を打って京都の油小路で暗殺される(油小路の変)。享年34歳。
その遺体は路上に放置され、伊東の遺体を引き取りに来た御陵衛士達を待ち伏せして襲撃するための囮に利用された。
上述の通り剣の腕前は高いのだが実戦で剣を振るったのはこの時の反撃の1度のみとされている。
- 伊東暗殺の実行犯は多くの隊内粛清に関与した「人斬り鍬次郎」こと大石鍬次郎とされている。
本作では沖田総司が致命傷を与えて、大石がとどめを刺したという設定にされている。
- なお、伊東の腹心である御陵衛士幹部の篠原泰之進は、伊東は最初から新選組を勤王組織に作り替えることを目的として加入しており、近藤からは徳川への忠義を理由にそれを拒否されたという旨の証言を明治維新以降に残している。
- 新選組内では伊東と同様に学識を持つ隊士の山南敬助と仲が良く、彼の切腹の際は歌を詠んでその死を悼んでいる。
なお、その歌については山南のマテリアルに記載されている。
一方で、山南が新選組から脱走された原因として学識豊かな伊東が加入したことで自身の立場を失うことを恐れたという説も存在している。
- 脱走した山南が屯所に連れ戻された後、伊東は永倉新八と共に山南に面会して再度の脱走を勧めたが断られている。
- なお前述通り温厚な人物であるという評は残っているものの、同時に策士であったとする状況証拠も多々残っている。特に油小路事件の直前、坂本龍馬暗殺に前後しての伊東の動きは奇妙なもので、新選組別働隊の諜報成果として薩長蜂起の情報を報告にあげている一方で、龍馬と中岡慎太郎に接触して「新選組が暗殺を目論んでいる」との情報を流しているのである。
加えて近江屋事件の直後には現場に落ちていた鞘を「新選組の原田左之助のものだ」と断言さえし、さらに陸援隊に新選組の密偵が潜入しているという情報も提供している。
そして現場付近には御陵衛士隊の拠点近くにある料亭の焼印がついた下駄が落ちていた、という証言も残っている。
これらのことから坂本龍馬暗殺の濡れ衣を新選組に着せた上で、龍馬暗殺に何らかの関与をし、その上で近藤勇を暗殺し、近藤の首を手土産として薩長や土佐と繋がろうとしたのではないか……という疑惑はつきない。
- 今日においては坂本龍馬暗殺の主犯は京都見廻組・佐々木只三郎との説が濃厚であり、伊東らの目が節穴であったのでなければ、龍馬暗殺の濡れ衣を新選組に着せようとした事は確かと思われる。結果的にこの情報を信じた土佐藩士・谷干城によって近藤勇斬首が決定されるため、遅きに失したとはいえその企みは成功したといえよう。
- 伊東が上洛した際に江戸に残された妻のウメは、寂しさと国事に奔走する夫を案じたことにより伊東の実母が病に伏せっていると噓の手紙を書き、伊東を江戸に呼び戻している。
江戸に戻った伊東は実母と会ってウメが噓の手紙を送ったことを知り激怒。国家の重きを知らないとウメを叱り、離縁状を叩きつけて京都に戻っていったという。
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- シナリオ内では度々幕末時代の人間らしからぬ英語由来の言葉を使うが、これは御陵衛士内で英語の学習を行っていたことに由来すると思われる。
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