人物紹介
ゲームにおいて
- アストルフォの幕間の物語「ローランを待ちながら」の登場人物。
シャルルマーニュ十二勇士の筆頭。
小ネタ
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- シャルルマーニュ十二勇士筆頭騎士にして、英雄叙事詩『ローランの歌』の主人公。
イタリア語では「オルランド」と呼ばれ、彼を主人公とした『恋するオルランド』や『狂えるオルランド』といった叙事詩がイタリアルネサンス期に成立している。
- 宝具「絶世の名剣」「不毀の極聖」(デュランダル)の持ち主。
前者は『Fate/stay night』で衛宮士郎とアーチャーの投影合戦にて登場。
アニメ版『Fate/Zero』では四次アーチャーが撃ち出した原型と思われるものをバーサーカーが投げ返している。(こちらは厳密には同一デザインというだけで作中で明言はされていない)
後者はヘクトールの宝具「不毀の極槍」がデュランダルの原型であることを示し、マシュが1部三章でその旨を解説している。
また、マテリアルではヘクトールのもう一つの宝具である「不毀の極剣(ドゥリンダナ・スパーダ)」が関連付けられている。
- 原典では主君であるシャルルマーニュ王から拝領した聖剣。
柄に「聖母マリアの衣の切れ端」「聖ペテロの歯」「聖バジルの血」「聖ドニの遺髪」など、名立たる聖人の遺物を納めている。
『ローランの歌』の最後で、死の淵のローランが敵にこの剣を奪われることをおそれて岩に叩きつけるが、聖剣は折れるどころか岩を砕いて音を立てて震えるだけだったという。
剣はローランの遺体とともに、シャルルマーニュ王のもとへと還っている。
『オルランド』でも登場し、セリカン(「絹の国(中国)」のこと)からの刺客たちがこの剣を狙ってオルランドに勝負を挑んでくる。
- アストルフォが女装している原因。曰く、失恋したローランを慰めるためなのだという。
叙事詩において失恋したショックで発狂し全裸のまま放浪をしていたが、それ以降露出癖がついてしまった「残念系」らしい。
- 2015年エイプリルフール企画や本作でのアストルフォの顔見せイベント「ほぼ週間 サンタオルタさん」等で予てよりその脱ぎっぷりが度々語られており、アストルフォの女装エピソードも相まって本人が姿を見せるどころか台詞すら一切無いにもかかわらず、ある種の異様な
イロモノ臭存在感を放っていた。
- 叙事詩『ローランの歌』と『オルランド』では、性格に差異がある。
『ローランの歌』では高潔で誠実な騎士なのだが、『オルランド』では豪快で猪突猛進な若武者となっている。
- デュランダル以外に、「オリファン」というよく響く角笛を持っている。
伝令や緊急時の警報として用いていたが、『ローランの歌』では彼の命運を握ることになった。
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| | 以下、ローランの歌より抜粋
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- フランク王国はイベリア半島まで侵出していたサラセン(イスラム帝国)との戦い、サラセンからの休戦協定を引き出させる。
その協定の使者としてローランは叔父ガヌロンを推挙する。ガヌロンはローランの義父(母の再婚相手)という説もあるが、ここでは叔父とする。
- ガヌロンはこれを「ローランが自分を陥れようとしている」と猜疑心を抱いてしまう。休戦協定の使者といえば合意がならねば首を刎ねられる役。年長者の自分が邪魔になったのでは?と考えたとしても無理からぬこと。
- しかし当のローランは「ガヌロン伯は幾度も交渉事をまとめてきたし、自分の叔父さんだから人柄もよく知ってる。実績も申し分ないし適任でしょ」と、全く悪意がなかったらしい。しかし交渉とな静かな戦いである。まして勇猛で知られるサラセン人相手ともなれば十中八九死にに行くようなもの。ローランはそのあたりを理解しておらず、叔父を死地に送り込むことになるとは考えてなかった。
- 甥のローランの推挙とあって断り切れず、ガヌロンは不満たらたらで交渉に挑み、なんとその席でシャルルマーニュやローランへの不平不満をぶちまけたのだ。ところがローランに苦渋を飲ませられ続けていたサラセン側はガヌロンの愚痴を聞いて意気投合。サラセンに寝返り、十二勇士を罠にはめてローランを誅殺する策を練った。
- 表向き和平が成立し、フランスへと帰還するにあたり「誰が殿軍を務めるか」という話になった。和平が成ったとはいえ即座に裏切って追撃をしてくる可能性も考えれば極めて危険な、誰もやりたがらない任務である。そこでガヌロンはローランを推挙する。
- 危険な役を押し付けられたとローランはガヌロンに怒り心頭であったが、このあたりからもローランが交渉は簡単な仕事と思っていたフシがある。
- ていよくローランを殿軍に据えたのち、ガヌロンは本体を急かして最後尾を引き離し、ローラン隊は孤立してしまう。そこに密約通り20万人のサラセン軍が殺到する。
- 奇襲を受け、親友で同じ十二勇士であるオリヴィエに角笛「オリファン」を鳴らすよう促されたものの、敵軍の奇襲を許した不甲斐なさと騎士の矜持を優先してこれを拒否。本人曰く「イケると思った」らしい。
- しかし多勢に無勢。無敵のローランはいいとしても次々に倒れていく味方達を見て、援軍を呼ぼうとオリヴィエに提案。しかしオリヴィエは「最初に援軍を呼ぼうと言ったのに断ったのは貴公ではないか。その結果がこれだ。ここで援軍を呼べばなおさら我々は立場を失うぞ。せめて最後まで雄々しく戦って散ることが騎士の矜持ではないのか」と厳しく叱咤されてしまう。
- それでもせめて本体に奇襲の事実だけは知らさねば、と、ここに来てようやくローランはオリファンを吹くべく線戦を一時離脱。
だが急いで帰ると、そこには無残に討たれる十二勇士たちの姿があった。
- これに激昂したローランは鬼神の如き戦いぶりでサラセン軍を圧倒。だがサラセン軍も隷下のエチオピア軍5万人を招聘し、ローランとオリヴィエはすり潰されるのだった。
- 作品によってはローランはそれまでの戦いでは手傷を負っておらず、不死身であったという説もある。しかし窮地に陥り、地の果てまで届けよと渾身の力でオリファンを思いっきり吹き鳴らしたところ心臓がパンクし、体中の血管という血管が破裂して全身から大量の血を噴き出して一気に瀕死になってしまった。
- もはやこれまでと名剣デュランダルを折ろうとしたというエピソードは前述のとおり。
- 折ろうとしても刃こぼれ一つ起きず、逆に岩すらも切り裂く名剣を見たローランが「私は主君の信頼を裏切ったというのに、お前はこの期に及んでもまだ信頼に応えようというのか。ああ、私もお前のようにあるべきだったのに!」と嘆いて絶命したという。
- 様々なローラン像があるものの、多くの作品では「天才で慈悲深いが空気が読めない」「正直で裏表がないが浅慮」といったケースが多く、だからこそ「放っておけない」という世話好きの仲間たちからはやたら愛されるキャラクターとして描かれている。
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