ネーター整域での既約分解 のバックアップ(No.1)


(定理) ネーター整域での既約元分解

仮定

主張

\( a \)既約元の積に分解できる。

証明

\( a \)既約元のときはそのまま分解完了なので、 \( a \)既約元でないとする。
既約元でないとき、定義から、非単元同士の積 \( a_1 \cdot a_2' \) で表せる。
両方が既約元であるなら、それで分解が完了している。一方のみが既約元でないとき、 \( a_1 \)既約元であって \( a_2' \)既約元でないとしても一般性を損なわない。そこで、 \( a_2' \) をさらに \( a_2 \cdot a_3' \) と分解する。両方が既約元なら、それで分解が完了している。一方のみが既約元でないときは、 \( a_3' \)既約元でないとしても一般性を失わない。これを繰り返すと、 \( a = a_1a_2a_3 \cdots a_n' \) となる。 \( a_2' \mid a \) より \( (a) \subset (a_2') \) を得る。 \( a_3' \mid a_2' \) より \( (a_2') \subset (a_3') \) を得る。これを繰り返すと \( (a) \subset (a_2') \subset (a_3') \subset \cdots \) となるが、 \( P \)ネーター環なのでこの昇鎖列は必ず有限回で停止する。あるところから \( (a_n') = (a_{n+1}') = \cdots \) となる。