UFD の既約元は素元

Last-modified: Sun, 27 Jan 2019 11:15:06 JST (1937d)
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(定理) UFD の既約元は素元

仮定

主張

\( a \)素元である。

証明

\( a \)素元分解すると、 \( n \) を自然数として \( a = p_1 \cdots p_n \) となったとする。
このとき、 \( a \)既約元であるから、よく考えると (後々加筆します) \( p_i \) のどれか一つは \( a \)単元倍となる。今 \( R \) は可換であるから \( p_1 \)\( a \)単元倍であったとしても一般性を失わない。
さて、 \( n \geqq 2 \) であるとすると、 \( p_2 \cdots p_n \)単元であるから、これは各 \( p_i ~(i \geqq 2) \)素元であることに矛盾する。よって \( n = 1 \) である。
つまり、 \( a = p_1 \) となる。 \( p_1 \)素元なので、実は \( a \)素元なのであった。

その他

  • 逆「素元ならば既約元」は一般の整域 \( R \) で成立する。
  • 既約元ならば素元」が成立するのは UFD でのみ成り立つ (実は少しだけ条件を緩めることはできる) 。