単項イデアル整域 のバックアップ(No.2)


仮定

定義

\( R \)単項イデアル整域であるとは、 \( R \) に含まれる任意のイデアル単項イデアルであること。

\( \mathbb{Z} \)単項イデアル整域

証明

任意のイデアル \( I \) をとる。 \( a \in I \) であれば \( -a \in I \) であるから、 \( I \) は必ず正整数を持つ。この正整数のうち最小のものを \( m \) とすると、 \( I = (m) \) とかける。

\( I \supset (m) \)

\( I \)イデアルであり、 \( m \in I \) から、 \( m \) に対して \( \mathbb{Z} \) の要素をかけ合わせたもの (つまり \( m \) の傍元、即ち \( m \) の倍数) もまた \( I \) に含まれる。落ち着いてよく見ると、 \( (m) \)\( m \) が生成する単項イデアルを表す表記であった。単項イデアルの定義は \( m \) の傍元であった。

\( I \subset (m) \)

正整数 \( x ~(\in I) \) をとる。
\( x \)\( m \) で割った商を \( a \) 、あまりを \( b \) とする。したがって、 \( b \in [0, m) \)
このとき、 \( x = am + b \) であるから、 \( b = x - am \) である。まず \( am \)\( m \) の整数倍であるから \( I \) に属す。 \( -am \)\( am \) の逆元であるからやはり \( I \) に属す。
従って \( x, -am \) の両方が \( I \) に属している。 \( b \) はそれらの和なので \( I \) に含まれる。
さて、前提として \( b \in [0, m) \) であった。 \( m \)\( I \) の中で最小の正整数であるとしたので、 \( b = 0 \) しかありえない (そうでないと \( b \) が最小の正整数であることになる) 。以上より \( x = am \) となるから、 \( I \) 内の任意の正整数は \( m \) の倍数となる。そして、 \( x \in I \Longleftrightarrow -x \in I \) であるから負数に関しても \( m \) の倍数が成り立つ。 \( I \) には \( 0 \) も含まれるが、もちろんこれは \( (m) \) にも含まれている。