単項イデアル整域 のバックアップ(No.1)


仮定

定義

\( R \)単項イデアル整域であるとは、 \( R \) に含まれる任意のイデアル単項イデアルであること。

\( \mathbb{Z} \)単項イデアル整域

証明

任意のイデアル \( I \) をとる。 \( a \in I \) であれば \( -a \in I \) であるから、 \( I \) は必ず正整数を持つ。この正整数のうち最小のものを \( m \) とすると、 \( I = (m) \) とかける。

\( I \supset (m) \)

\( I \)イデアルであるから、つまり任意の整数と \( m \) との積もまた \( I \) に含まれることになる。 \( (m) \)\( m \) の倍数であるから、この要素は全て \( I \) に含まれる。

\( I \subset (m) \)

正整数 \( x ~(\in I) \) をとる。 \( a, b ~(\in \mathbb{Z}) (ただし b \in [0, m)) \) を用いて \( x = am + b \) と表せる (つまり \( a \)\( m \) で割った商、 \( b \) は余り) 。このとき、両辺に \( -am \) を足して得られる式 \( b = x - am \) と、 \( x, -am \) が共に \( I \) に属していることから、 \( b \)\( I \) に含まれることがわかる。\( b \in [0, m) \) であった。 \( m \)\( I \) の中で最小の正整数であるから \( b = 0 \) しかありえない。結局 \( x = am \) となるから、 \( I \) 内の任意の正整数は \( m \) の倍数となる。そして、 \( x \in I \Longleftrightarrow -x \in I \) であるから負数に関しても \( m \) の倍数である。