単項イデアル整域 のバックアップ(No.1)
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- 単項イデアル整域 へ行く。
- 1 (2018-12-25 (火) 14:36:30)
- 2 (2019-01-26 (土) 19:00:46)
仮定
- \( R \) は整域
定義
\( R \) が単項イデアル整域であるとは、 \( R \) に含まれる任意のイデアルが単項イデアルであること。
例
\( \mathbb{Z} \) は単項イデアル整域。
証明
任意のイデアル \( I \) をとる。 \( a \in I \) であれば \( -a \in I \) であるから、 \( I \) は必ず正整数を持つ。この正整数のうち最小のものを \( m \) とすると、 \( I = (m) \) とかける。
\( I \supset (m) \)
\( I \) がイデアルであるから、つまり任意の整数と \( m \) との積もまた \( I \) に含まれることになる。 \( (m) \) は \( m \) の倍数であるから、この要素は全て \( I \) に含まれる。
\( I \subset (m) \)
正整数 \( x ~(\in I) \) をとる。 \( a, b ~(\in \mathbb{Z}) (ただし b \in [0, m)) \) を用いて \( x = am + b \) と表せる (つまり \( a \) は \( m \) で割った商、 \( b \) は余り) 。このとき、両辺に \( -am \) を足して得られる式 \( b = x - am \) と、 \( x, -am \) が共に \( I \) に属していることから、 \( b \) は \( I \) に含まれることがわかる。\( b \in [0, m) \) であった。 \( m \) は \( I \) の中で最小の正整数であるから \( b = 0 \) しかありえない。結局 \( x = am \) となるから、 \( I \) 内の任意の正整数は \( m \) の倍数となる。そして、 \( x \in I \Longleftrightarrow -x \in I \) であるから負数に関しても \( m \) の倍数である。