環準同型写像の像は部分環

Last-modified: Mon, 15 Apr 2019 16:50:47 JST (1859d)
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(定理) 環準同型写像の像は部分環

仮定

  • \( R_1, R_2 \) は環
  • \( f \)環準同型写像 \( f: R_1 \longrightarrow R_2 \)
  • \( 1_{R_1} ~(\in R_1), 1_{R_2} ~(\in R_2) \) はそれぞれ乗法の単位元

主張

\( \mathrm{Image}f = \left\{f(x) \in R_2 \mathrel{}\middle|\mathrel{} x \in R_1\right\} \)\( R_2 \) の部分環となる。

証明

\( R_2' = \mathrm{Image}f \) とおく。順に確かめていく。

演算が閉じている

像の定義から、任意の \( a, b ~(\in R_2') \) について、ある \( x, y ~(\in R_1) \) があって \( a = f(x), b = f(y) \) を満たす。

\( a + b = f(x) + f(y) = f(x + y) \)環準同型写像群準同型写像でもあるので成立する。すると \( a + b \in \mathrm{Image} f = R_2' \) となる。
\( a \times b = f(x) \times f(y) = f(x \times y) \)環準同型写像が積を保つので成立する。すると \( a \times b \in \mathrm{Image} f = R_2' \) となる。演算は閉じている。

\( + \) について可換な群であること

\( R_2' \) が群であることは \( R_1, R_2 \)\( + \) に関する群、 \( f \)群準同型写像と格下げて見れば、群準同型写像の像は部分群であるから成立する。可換性は (演算の定義を変えていないので) 満たされる。

\( \times \) についてモノイドになること

\( f(1_{R_1}) \times f(1_{R_1}) = f(1_{R_1} \times 1_{R_1}) = f(1_{R_1}) \in \mathrm{Image}f = R_2' \) であるから単位元 \( 1_{R_2} \)\( R_2' \) に含まれる。
結合法則は演算を変えていなので成立する。

分配法則

演算を変えていないので成立する。