イデアル

Last-modified: Tue, 08 Jan 2019 13:09:37 JST (2373d)
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仮定

  • \( R \) は環
  • \( I \) は部分集合 \( I ~(\subset R) \)

定義

\( I \)イデアルであるとは、次の二条件を満たすもののことを言う。

  • \( I \)\( + \) について部分群である。
  • 任意の \( a ~(\in R) \) と任意の \( x ~(\in I) \) について \( ax \in I \) を満たす。

\( \mathbb{Z} \) に対して「\( m ~(\in \mathbb{Z}) \) の倍数 \( m\mathbb{Z} \)」はイデアルとなる。

※ これは後に言う単項イデアルで、 \( (m) \) などと表す。

互いに素

\( R \)イデアル \( I \)\( J \) が互いに素であるとは、 \( I + J = R \) が成り立つことを言う。

整数では、互いに素であるとは、最大公約数が 1 であることだった。整数と単項イデアルとを関連させて考えると、 \( a, b \) の最大公約数が 1 であるならば \( (a) + (b) = \mathbb{Z} \) は成り立つし、 \( (a) + (b) = \mathbb{Z} \) となるなら、 \( a, b \) の最大公約数は 1 でないと困る。 ( \( na + mb = 1 \) となる \( n, m \) が存在するということになるので。)

合同式

\( R \)イデアル \( I \) を法として \( a, b ~(\in R) \) が合同であるとは、 \( a - b \in I \) であることを言い、 \( a \equiv b ~(\mathrm{mod}~ I) \) と書く。

整数と対応づけて考えると、 \( a \equiv b ~(\mathrm{mod}~ (n)) \) というのは、いままでの整数でいうところの \( a \equiv b ~(\mathrm{mod} ~n) \) を意味することが分かる。