既約元 の変更点
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* 仮定 [#c9335d3b] *仮定 [#c9335d3b] -&mathjax{R};は整域 -&mathjax{a ~(\in R)};は &mathjax{R};の零元でも''単元でもない元'' - &mathjax{R}; は整域 - &mathjax{a ~(\in R)}; は &mathjax{R}; の零元でも''単元でもない元'' *定義 [#cd8b54cb] * 定義 [#cd8b54cb] &mathjax{a};が既約元であるとは、任意の &mathjax{R};の元 &mathjax{b, c};に対し、もし &mathjax{a = bc};となるならば、 &mathjax{b};か &mathjax{c};の一方が単元になることをいう。逆の言い方をするならば、 &mathjax{a};が非単元 &mathjax{b, c};を使って &mathjax{a = bc};とできないことをいう。 &mathjax{a}; が既約元であるとは、任意の &mathjax{R}; の元 &mathjax{b, c}; に対し、もし &mathjax{a = bc}; となるならば、 &mathjax{b}; か &mathjax{c}; の一方が単元になることをいう。逆の言い方をするならば、 &mathjax{a}; が非単元 &mathjax{b, c}; を使って &mathjax{a = bc}; とできないことをいう。 *例 [#ae2093c7] -&mathjax{\mathbb{Z}};の既約元の集合は (&mathjax{\pm};素数) である。 --&mathjax{\mathbb{Z}};の単元は &mathjax{1};と &mathjax{-1};しかないため、これは (中学校で習う) 素数の定義 (を正負に拡張したもの) だった。 * 例 [#ae2093c7] - &mathjax{\mathbb{Z}}; の既約元の集合は (&mathjax{\pm};素数) である。 -- &mathjax{\mathbb{Z}}; の単元は &mathjax{1}; と &mathjax{-1}; しかないため、これは (中学校で習う) 素数の定義 (を正負に拡張したもの) だった。 * その他 [#u8be143d] - 素元とは似ているが異なる。ただし、 &mathjax{\mathbb{Z}}; に代表される一意分解整域 (UFD) ではこの二者は同値となるので、 &mathjax{\mathbb{Z}}; ではどちらも (&mathjax{\pm};素数) となる。 *その他 [#u8be143d] -素元とは似ているが異なる。ただし、 &mathjax{\mathbb{Z}};に代表される一意分解整域 (UFD) ではこの二者は同値となるので、 &mathjax{\mathbb{Z}};ではどちらも (&mathjax{\pm};素数) となる。 --例えば環 &mathjax{\mathbb{Z}\left[\sqrt{-5}\right]}; において、元 &mathjax{3};を考えると、これは既約元である。 --ここで、例えば元 &mathjax{6}; を考える。 &mathjax{6 \in (3)}; である。これを &mathjax{6 = (1 + \sqrt{-5})(1 - \sqrt{-5})}; という積に分解したとする。もし &mathjax{(3)}; が素イデアルであるならば &mathjax{1 + \sqrt{-5} \in (3)}; または &mathjax{1 - \sqrt{-5} \in (3)}; でなければならない。ところがそうではない。よって &mathjax{3}; は素元ではない。 --したがって、 &mathjax{3}; は既約元ではあるが素元ではない。