部分群であることの証明
Last-modified: Mon, 05 Nov 2018 07:11:57 JST (2024d)
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(定理) 部分群であることの必要十分条件
仮定
- \( (G,\cdot) \) は群
- \( H \) は \( G \) の部分集合
- 任意の \( a, b \in H \) について、 \( a \cdot b^{-1} \in H \)
主張
\( (H, \cdot) \) は部分群
証明
- (演算)
仮定より、演算は定義されている。
この後確認するように任意の元には逆元が存在するので、演算は閉じている。具体的に説明する。つまり、任意の \( a,b \in H \) に対してその逆元 \( b^{-1} \) は \( H \) に属す。これをとってきて \( a \cdot (b^{-1})^{-1} \) を考えると、これは仮定から \( H \) に属す。一方、これは実は \( ab \) に他ならないので、 \( ab \in H \) がわかる。 - (結合則)
\( a, b, c \in H \) とする。 これらは \( G_1 \) の元でもあり、 \( G_1 \) 内では結合則が成り立っているので、 \( (ab)c = a(bc) \) - (単位元)
\( a \in H \) のとき、仮定より、 \( a \cdot a^{-1} \in H \) となる。ところで \( aa^{-1} = e \) より、 \( e \in H \) 。 - (逆元)
上で、\( H \) に単位元が含まれていることは分かった。すると、任意の \( a \) について、仮定より、 \( e \cdot a^{-1} \) は \( H \) に含まれる。ところで \( e \cdot a^{-1} = a^{-1} \) より、 \( a^{-1} \in H \) 。