剰余類群のR-加群構造

Last-modified: Tue, 28 May 2019 16:38:57 JST (2232d)
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仮定

  • \( R \) は環
  • \( M \) はR-加群
  • \( N \)\( M \)部分R-加群

定義

剰余類群 \( M/N \) に定数倍写像を次のように定義すると、 \( M/N \) はR-加群となる:
任意の \( r ~(\in R) \)\( m+N ~(\in M/N) \) に対して

\[ r(m+N) = rm+N \]

証明

(well-definedness)

\( m_1 + N = m_2 + N \) だったとすると \( m_1 - m_2 \in N \) である。

ここで \( r(m_1 + N) = rm_1 + N \)\( r(m_2 + N) = rm_2 + N \) である。

ところで \( r(m_1 - m_2) \in N \)\( M \)\( R \)-加群なのでよい。すると \( rm_1 - rm_2 \in N \) がなりたつから、 \( rm_1 + N = rm_2 + N \) となる。

したがってこの演算は well-defined 。