単元 の変更点
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* 仮定 [#c9335d3b] - &mathjax{R}; は環 * 定義 [#cd8b54cb] &mathjax{a \in R}; が''単元''であるとは、ある &mathjax{b \in R}; が存在して &mathjax{ab = ba = 1_R}; を満たすこと。 環については一般には乗法の逆元は存在しないが、それでもその中の逆元がある元ということ。 * 例 [#rbbfea8f] - &mathjax{\mathbb{Z}}; の単元は &mathjax{\pm 1}; * その他 [#s766edc4] - かけて単元になる &mathjax{a, b}; があるなら、 &mathjax{a}; も &mathjax{b}; も単元になる。 - 定義自体はなにごともなさそうだけど、実はけっこうすごい。たとえば単元による単項イデアル (傍元) は &mathjax{R}; になる。 (&mathjax{x}; が単元なら逆元 &mathjax{x^{-1}}; がある。任意の元 &mathjax{a}; に対して &mathjax{ax^{-1}}; は &mathjax{R}; に属しているはずなので、逆に傍元を考えるとき、いつかは &mathjax{(ax^{-1}) x}; という項を考えることがある。このときの積が &mathjax{a}; になるので、結局、任意の元は傍元を考えるときに現れることになる。) 結局、この性質により、単元は単位元と似たような性質をもつこともある。単位元は自分を自分自身に写す。単元はそのまま自分自身に写すわけではないが、必ず (&mathjax{ax^{-1}}; の形で) 任意の &mathjax{a}; に対応する元が存在するという意味では似たようなことになる。たとえば &mathjax{\mathbb{Z}}; においては &mathjax{-1}; は単元であって、任意の &mathjax{x}; に対して &mathjax{-x}; をとることにより &mathjax{(-1)\cdot(-x) = x}; を達成できる。単元でない元、たとえば &mathjax{2}; などでは、 &mathjax{2}; に任意の元をかけた結果は &mathjax{\mathbb{Z}}; にはならない (&mathjax{2\mathbb{Z}}; になる) 。