制作会話/黒田清輝

Last-modified: Tue, 19 Oct 2021 21:38:57 JST (941d)
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制作風景1/2

+  会話内容

「まったく、邪魔が入るせいで 肝心の自分の絵が少しも進まない。」
「……なんだい。今度は誰が俺に絵を見てもらいたいって?」
「さっきはゴッホ、その前はノワール。ヴァトーも来ていたな。」
「君も少しは俺が快適に絵を描けるよう、協力してくれていいんだよ。」
「まあ、君の協力などあったところで それこそ猫の手を借りる程度にしかならないが。」

 

あの人について①

+  会話内容

「はあ……。ヤンとムンクにはには困ったものだな。」
「ダ・ヴィンチくらい落ち着いていてくれれば、俺もどう接すればいいかわかるんだがね。」
「子供というのは扱いづらいよ。」
「無邪気な顔でまとわりつかれると、どうしていいのかわからなくなる。」
「まあ、ひとまず菓子でも与えておけばいいか。」

 

制作風景2/2

+  会話内容

「ふう、まあこんなものだろう。」
「生徒たちによりよい教育をするためには 俺自身がさらに向上するべきだと思ったわけだが。」
「他者に対して恥じるような教師ではだめだろう。」
「わかったら次の絵を描かせてくれたまえ。」
「俺はこんなところで足踏みしていられないんだよ。」

 

黒田清輝×葛飾北斎

+  会話内容

黒田清輝「葛飾、君は俺を何度呆れさせれば気が済むんだ?」
黒田清輝「それとも毎回毎回こうして言ってやらないと、君のちっぽけな頭では理解できないのかい?」
葛飾北斎「なんだよ、藪から棒に。」
黒田清輝「なにが藪から棒だ。辞書で言葉を調べてからいいたまえよ。」
黒田清輝「いいかい、君の寝床は汚すぎる。さっさと掃除するんだ。」
葛飾北斎「おまえが几帳面すぎるんだ。あんぐらい、普通だろ? ってわけで、俺は作業に戻るぜ。」
黒田清輝「……これだから言葉の通じない猿は……。」

 

金曜日の過ごし方1/2

+  会話内容

「金曜日の昼は授業をしている。」
「未次綱生徒たちを見るのは疲れるがね。俺にとっても学びが多い。」
「ムンクのように異様な才能を見せる生徒もいれば、ゴッホのように諦めない生徒もいる。」
「これからどんな生徒に出会えるか楽しみだよ。」
「もっとも、基本的なことを理解できる人間、というのが条件だが。」

 

あの人について②

+  会話内容

「クールベが法律学校に通っていたことは 君も知っているだろう。」
「実は俺も昔、同じ学校に通っていてね。」
「…・・・おや、意外だったかい?」
「まあ、覚えたからには忘れないことだ。」
「俺は君を法に触れるぎりぎりまで徹底的に責められる。法を学ぶということは、そういうことだよ。」

 

金曜日の過ごし方2/2

+  会話内容

「今日は授業だが、夜は猿どもの相手だ。」
「最近、いつものやかましい奴ら意外にも 俺に教えてもらいたがる者が増えた。」
「まったく、とんだ時間外労働だよ。必要な対価を払ってもらいたいものだね。」
「ああ、そうだ。なんだったら、館長代理の君に請求しようか。」
「そのうち請求書を送っておこう。楽しみに待つといい。」

 

黒田清輝×ミレー

+  会話内容

「君にひとつ、言っておきたいことがある。」
「? どうかしたのかい?」
「北斎を甘やかすのは即刻やめたまえ。」
「君が家事をしてやるせいで、どんどん堕落していっているのがわかるだろう?」
「堕落なんて、誰にも苦手はあるものだよ。僕は得意だから手伝ってるだけ──」
「それが甘やかしていると言うんだ。」
「まったく、ここにはお人好しの馬鹿か、自分の事さえまともにしない馬鹿しかいないね。」