制作会話/歌川広重

「ふう、一度休憩といきましょう。……森田、お茶を。」
「大丈夫ですよ、代理殿。期日には間に合わせますからね。」
「他のことならばともかく、絵を描くことだけは森田に任せられませんからね。」
「となると、やはり癒しが必要になるわけです。」
「代理殿もどうです？　共にゆったりと休憩を楽しもうではありませんか。」

「男らしくなろうと、マネ殿から『筋とれ』を学ぼうとしたのですがね。」
「いやはや、あれは厳しいものです。」
「途中から森田に運んでもらわなければ、らんにんぐもこなせませんでした。」
「マネ殿が絶句するところを初めて見ましたが、あれは何故だったのでしょうか……。」
「なので、次はジョット殿に教えを乞おうと思いますよ。」

「さて、ようやく完成ですね。……森田、お茶を。」
「代理殿、こちらでいかがでしょう？」
「……ふむ、休憩が多すぎる、ですか。」
「では、次からは気を付けましょう。代理殿を困らせるのは本意ではありませんし……。」
「一度の休憩を長くすればよい、ということですよね。これで解決ですね。」

歌川広重「シスレー殿、お疲れのようですが大丈夫ですか？」
シスレー「あ……はい、すみません、ご心配おかけして。」
シスレー「バイトが遅くまであったせいで、あまりよく眠れていないんです。」
歌川広重「なんとそれは……。森田、シスレー殿を休ませてさしあげなさい。」
シスレー「えっ、いえ、そんな──」
歌川広重「森田は指圧の達人でもありますから。私も疲れたときにはよくやってもらっています。」
歌川広重「おや、もう夢心地のようですね。どうぞ、ごゆっくりお休みくださいね。」

「金曜日は寿司の日と決めているのですよ。」
「やはり楽しみがなければ、一週間を乗り越えることなどできませんからね。」
「誰かを誘ってみたい気持ちはあるのですが、なかなか勇気が出なくて……。」
「やはりここは北斎殿に……。……代理殿はいかがです？」
「お金のことならご心配なく。ご馳走いたしますからね。」

「ムンク殿やヤン殿を見ていると、幼少の自分を思い出して懐かしい気持ちになります。」
「もっとも、私はダ・ヴィンチ殿のように　おとなしい子だったと記憶しておりますが。」
「代理殿はご自分の幼かった頃を　覚えておりますか？」
「きっと愛らしく、かわいらしい子供だったのでしょうね。」
「ふむ、俄然気になってきました。お茶でも飲みながら聞かせていただくとしましょう。」

「代理殿、今日は金曜日ですよ。そうです、寿司の日です。」
「北斎殿はどこぞで迷子中の様子。となると、代理殿をお誘いしたく……。」
「……いえ、黒田殿はいけません。」
「あの方はすぐに私をいじめようとしますからね。要注意人物です。」
「では、私と代理殿の２人ということで。森田、さっそくご用意を。」

歌川広重「……森田。」
レンブラント「……？　あれ？　今、なにかにつまづいて転びそうだったはず……？」
歌川広重「森田に命じて、レンブラント殿を守らせました。お怪我がないようでなによりです。」
レンブラント「わー。森田さん、ありがとー。これならなにが起きても安心だね。」
歌川広重「突然、植木鉢が落ちてこようと、森田がいればなんの心配もありません。」
レンブラント「今度からはクールべくんじゃなくて　広重さんにお世話をお願いしようかな？」
歌川広重「いつでも頼っていただいて構いませんよ。どんな難事でも対処いたします。森田が。」