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| | すぐに知りたい方はこちら 『Fate/Grand Order』のネタバレを含みます
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- 型月におけるアルジュナは一種の多重人格者である。
本来は勤勉で礼節をわきまえた穏やかな性格の持ち主なのだが、その心の奥底には黒(※インド神話の英雄クリシュナとは別存在)の名を持つ裏人格が潜んでいる。簡単に説明するならば「悪い顔で微笑むもうひとりのアルジュナ」といったところか。
- アルジュナが邪悪と見なして恥じることを成す存在とされているのが『黒』だが、邪悪といってもこの感情は誰の心にもあるようなもの。要するに実のところは「エゴイズムを司る人格」なのである。
しかし、完璧な英雄として恵まれ育てられたアルジュナは「自分の中にこのような悪心が存在するという事実」にひたすら絶望し、到底受け入れることなどできなかった。あまりにも潔癖すぎたが故に、僅かな汚濁を持つ自身すら許すことが出来なかったのだ。
そんな潔癖な彼の心に巣食っている『黒』の実体とは、従者として振る舞う防衛機構的な存在……全く異なる思考系統や道徳倫理を保有し、誰かを憎み嘲り、奸計を謀る「邪悪」──と定められた、他ならぬ「アルジュナ自身」なのである。
- アルジュナが「あまり私を見ないでください」と人を遠ざけるのは『黒』の存在を知られたくないから。
「己を徹底的に律し続けてきた故に皆は私を愛してくれた、愛されなければ己には何の価値もない」との記述が別売のマテリアルにあるが、信頼を失うことを恐れるあまり、『黒』に触れた者は例えマスターであっても殺害に及ぶ可能性を抱えてしまっている。『黒』曰く「私が英雄であるために必要な殺人」。ただし、あくまでも『そうする可能性がある』だけで実際に殺害を実行したことはないと、別人格の台詞から推測されていたりもする。
- 加えてカルナに対しては憎悪や嫉妬、羨望などが入り混じった複雑な感情を抱いている。
アルジュナにとってはそのような感情を抱くことこそが醜いと恥じることであり、卓越した心眼を持つカルナと生前初めて出会った際、醜い自分を暴かれる恐怖を感じたことがきっかけで、彼との戦いが運命づけられることになる。この二人の激突は紆余曲折を経て結局はアルジュナが勝利したが、それにも関わらず英霊となってもカルナとの決着に拘るのは、他ならぬアルジュナがその決着の瞬間、「あの日の出来事」を後悔し続けているためである。
- ざっくり言えば色々と重たい人。
本作ではアルジュナの方が一線引いてしまうため、マスターとの関係も穏便に終わるかわりに核心に触れることはできず、上述の『黒』に関する事情は『Fate/Grand Order』の個別キャラクエスト『問い掛け続けることにこそ』で知ることができる。
- 内容を大雑把に要約すると、アルジュナは自身の夢のなかで自問自答を繰り返し、アルジュナを心配して夢の世界にやって来たマスターがそれを見守っている、というもの。
『黒』のほかにもカルナやラーマ(EXTRAシリーズ未登場)の容姿を借りた人格が登場し、アルジュナは彼らと対話することで「己は何者なのか」という問いの答えを見つけていくことになる。
- 上記シナリオと絆報酬の解説文からアルジュナの一人称に「俺」が存在することがはじめて分かるのだが、実は本作でも「俺」と称している台詞が一つだけある。
- 更に年月を経て、彼のあり得ざる別側面が『Grand Order』にて期間限定SSRとして登場。そのマテリアル情報と第二部『Cosmos in the Lostbelt』のある章を併せて読み解くことで、アルジュナの精神性により深く触れられるようになっている。
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