海音寺ジョー/三階建て の変更点

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*読む [#y711efb9]

>二階建てだと、ずっと思ってた。まさかうちに三階があったなんて。母は(してやったり)
>というニヤリ顔をする。むかつく。
>「いや内緒にしとく大した理由はなかったのよ」
>「じゃあなんで今さら」
>「幼いあんたらに教えたら、おもちゃぶちまけとか、ふすま破りとか、とにかくぐちゃぐちゃにしちゃうじゃん。だから分別のつく歳になるまで、と考えたまでさ」
>&br;
> まあ、それは分からんでもないけど、そんなに秘密にしときたかった三階って…
>「見たい?」
>「あたりまえよ」
>「見てみる?」
>「是非見たいよ」
>母は、カラーボックスと壁の隙間に手を入れて、たぶん、レバーのようなのを引いた。少しおいて、こてこてと天井の一角が折れ曲がって階段が出現した。はあ、もし家出したお兄ちゃんが、このことを知ってたら喜んだろうなあ、といなくなった兄のことを思い出しながら階段を上ってみると、小ぎれいな和室があり、テーブルで兄が漫画を読んでいた。
>「お兄ちゃん、家出したんじゃなかったの?」
>「いや、ここに居てた」
>&br;
> 久々にその夜は、家族そろってすき焼きをした。

*ジャンル [#e24ee9aa]
[[家族]]、[[ご飯]]、[[階段]]、[[数字]]、[[兄]]、[[母]]
*カテゴリ [#w2ff60a1]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#l1774e92]
すぐ読める
*評価/感想 [#oc716654]

*初出/概要 [#x16d75e3]
超短篇・500文字の心臓 / 第181回競作「[[三階建て>超短編/サ行#na7f1a51]]」 / 参加作
*執筆年 [#q26965bb]
[[2021年]]
*その他 [#x6fbb3e3]

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