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#contents
*読む [#p7669c4d]
>「大丈夫よ」携帯電話の向こうで彼女が言う。
>「海に落ちた空は浜辺に流れ着くものよ。そういうものなのよ」
> なぜ君がそれを知っているのか知らないが、僕はひとまずホッとした
> シロギス釣りの朝まずめ。思いきり投げた一振りが勢い余って夜明けの空へガチャン。僕の前で砕けた空がざらざらと海に降り注ぐ。やっぱり金剛石の重りなんて使うんじゃなかった。そして僕は無性に彼女の声が聞きたくなったというわけ。
> やがて彼女の言うとおり、浜辺に空の破片が流れ着く。夜から朝へ霞むカシミアンブルー。今日を予感させるピンクやオレンジ。星が白く瞬くかけらもある。僕はそれを拾い集めた。すると薄明かりの向こうでやはり空の破片を拾っている人がいる。誰かと思ったら君だった。
>「来ちゃった」君はてへっと笑って、夜明けの色に光る破片を僕に見せた。
> 僕らは拾い集めた夜明けを砂浜に並べていく。難しいジグソーパズルだけれど、君が僕のそばで笑っていてくれるのなら、このまま何ピースでも何ピースでも空の破片が流れ着けばいい。君の髪が香る。
*ジャンル [#gbc1985a]
[[恋愛]]、[[朝]]、[[海]]、[[釣り]]、[[色彩]]、[[大丈夫]]、[[彼女]]、[[君]]、[[僕]]
*カテゴリ [#ldaa91b4]
[[超短編/カ行]]
*この話が含まれたまとめ [#wd376262]
すぐ読める
*評価/感想 [#cdc95981]
*初出/概要 [#hf6f8479]
超短篇・500文字の心臓 / 第3回トーナメント二回戦第8試合[[参加作]]
*執筆年 [#z5be6688]
[[2004年]]
*その他 [#j6b77815]
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