まつじ/黒い羊 の変更点

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*読む [#nf51dd96]

> さようなら、を頭のなかでくりかえしています。というはなしを誰にきかせるわけでもありません。
> 「めぇ」ともなけないわたしは、脳みそにむかってひとりあれこれをはなしかけるので、誰かがこのはなしを知ることがあるとすれば、きっとわたしの脳みそのかけらだかが、どこか転がりおちるかしたということでしょう。
> なんて、そんなことがあるでしょうか。
> わたしはむかし、とてもわるいことをしました。
> なにをしたのか覚えていないのは、あのひとがわたしをこのようにしてから、ひどくわたしがぼんやりするからです。
> そのひとは、いきているもののなかにわたしを行かせます。
> わたしのすがたをみとめると、たちまち意識も記憶も思い出もなにもかもをなくします。
> さみしくて、空想をします。
> たくさんのなかまたちといっしょに、みんなを目覚めるための眠りへ連れてゆく白いわたしのようすを、脳みそにはなします。
> わたしはこれから先もいろいろをしなすのでしょうか。
> わたしが消えたら、誰かがかわりになるのでしょうか。
> いつか誰かが、わたしを知るでしょうか。
> 何度くりかえしたことでしょう。
> さようなら。さようなら。さようなら。
> わたしのかわりが、まだやってきません。

*ジャンル [#u9cf6d69]
[[リアル]]、[[さようなら]]、[[罪]]、[[ひらがな]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#b4ff6d7d]
[[超短編/カ行]]
*この話が含まれたまとめ [#vcbef97d]
すぐ読める
*評価/感想 [#n2f61985]

*初出/概要 [#m1c44442]
超短篇・500文字の心臓 / 第81回競作「[[黒い羊>超短編/カ行#eed39b0c]]」 / 参加作
*執筆年 [#tf902181]
[[2008年]]
*その他 [#g2999ebb]

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