まつじ/ふたりぐらし の変更点

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*読む [#x49da1b4]

>朝、目覚めた夫とふたりで朝食をとる。窓から入る陽の光がやさしかった。
> 私は体が不自由で、代わりに毎朝キッチンに立つ夫の後ろ姿を見るのが好きだ。今朝は、トーストにプレーンオムレツとサラダ。
>夫の作るオムレツは見事な黄色で、最高においしそうだったけれど、目の前にきれいに並んだ料理を見ても食欲がわかない。
> ごめんなさい、今日も食べる気がしないの。
> 私はそれを言葉にすることも出来ないけど、夫は笑って許してくれる。だから私も笑顔だけは絶やさないでいる。
> どうして私の体はこんなになったのか考える。覚えていないし、だれに聞くこともできない。食器を洗う夫の背中を眺めていると、それでもいい、という気持ちになる。
> 仕事に行く支度をすませた夫は、機嫌がいいのか、今日は大きなかばんを用意していた。
>「たまには、一緒に行こうか。」
> こんなふうに夫はときどき私を仕事場まで連れていってくれる。
> 夫はかばんをひらいて、テーブルの上の私の首を仕事の書類や筆記具の隣に置くと、そっと入り口を閉じた。
> 頬に触れた夫の両手はやわらかくて、あたたかかった。
> 私は暗い中で微笑んだまま、夫が顔をのぞかせてキスをしてくれるのを静かに待つ。
> しあわせだと思う。

*ジャンル [#t3ac6ab7]
[[愛]]、[[ホラー]]、[[家族]]、[[朝]]、[[仕事]]、[[夫]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#j453500f]
[[超短編/ハ行]]
*この話が含まれたまとめ [#r4bb7f7d]
すぐ読める
*評価/感想 [#ge9a0967]

*初出/概要 [#p316d4c2]
超短篇・500文字の心臓 / ホラー超短編 参加作
*執筆年 [#fb5c04ae]
[[2006年]]

*その他 [#d2b9c2cf]
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