まつじ/いやや11 の変更点

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*読む [#p882983f]

> 道中、猿を拾った。
> 落ちていたのではなく、捕えたのでもない。しかし勝手に付いてきて、与えるのは私だけなのだから、拾ったといってもよいかなと思う。そのように旅人に話すと、面白いこともあるものですねとだけ言い、手元の袋から乾燥肉と、先日立ち寄った村で手に入れた芋を取り出し、鍋の上でくるくると小刀を操っては適当に切り落としていった。私は手持ちの米とニンニクを放り込み、さっと塩を入れ、今晩はいつもより豪勢な飯となった。
> 飯をやると、猿は「IYAYA・IYAYA」と鳴いて満足そう、すぐに平らげて二度目をせびる際にも「IYAYA」という。あとは我々の分だと拒むと、「IYAYA……」と存外素直に引き下がり、隅で寝転んでしまう。ふて寝である。
> 私たちは酒をちびりちびりと飲みながら、お互いの旅の話をした。
> 翌朝目覚めると、猿がいた。どうやら仲間が迎えに来たらしかった。猿は「IYAYA!」と一度こちらを振り向き手を振ったようにも見えたが、そのまま遠くへ行ってしまった。
> 私は「IYAYA」と呟き、では私たちも行きましょうかと声を掛け合いながら旅人と別れ、引き続き西へ向かっているのです。

*ジャンル [#d658fdce]
[[童話]]、[[猿]]、[[ご飯]]、[[酒]]、[[西]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#r74f5908]
[[超短編/ア行]]
*この話が含まれたまとめ [#r9df2d32]
すぐ読める
*評価/感想 [#k1def940]

*初出/概要 [#hc690a10]
超短篇・500文字の心臓 / 第188回競作「[[いやや>超短編/ア行#xf40ac81]]」 / 参加作
*執筆年 [#x713f80a]
[[2022年]]
*その他 [#e007917e]

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