まつじ/ピーターの城 のバックアップの現在との差分(No.1)
読む
空を見上げると、そこにはお城がありました。
それはもう絵に描いたような洋風のお城で、ぽつんと空に浮いているのでした。
マグリットの絵みたいだ。
ピーターは、いつか見たその絵をくっきりと頭に思い浮かべ、しばらくの間、宙に浮くお城をうっとりするような目で見ていました。
どれくらい見ていたのでしょうか。
そのうちにピーターは、お城が欲しくてたまらなくなりました。見たところ、お城につながる道はないようです。まずは道を作らなければいけません。
それから、ピーターはせっせと空のお城に届く道を造り始めました。
もしも手に入らなかったときは、きっと壊してしまおう。
そんなことを頭の片隅で考えながら、大砲を傍らに置いて、楽しそうに、一生懸命道を造り続けているのでした。
青い空と白い雲に囲まれて、お城は、まだまだ遠くで静かに浮かんでいます。
ジャンル
ファンタジー、異国、絵画?、城、空、仕事、孤独
カテゴリ
超短編/サ行
超短編/ハ行
この話が含まれたまとめ
すぐ読める
評価/感想
初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第24回自由題 / 参加作
超短篇・500文字の心臓 / 第25回自由題 / 参加作
執筆年
2005年?
その他
Counter: 439,
today: 1,
yesterday: 0