胡乱舎猫支店/誰かがタマネギを炒めている
Last-modified: Tue, 24 May 2022 23:52:54 JST (850d)
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「大丈夫?…爺ちゃん?」
「違うんだこれはな、その…」
「またタマネギ?」
「そう、そうだ、そう誰かがな…タマネギを…い…た…」
直後にHBM022D000ACは活動を停止し、それが最後の言葉となった。
これでこの星域の人類は終了したので報告書をまとめて転送したら直後に「指導」が入った。
ーこの場合は「死亡」だ。訂正を。
ー了解。
ー後、この「タマネギ」だが…。
ー「彼」は何時もそう言った。「泣く」度に。気になるか?
ー過去に担当した個体と同じだ。この「可食植物」はかなり厄介なものだったらしい。
ー「泣く」程「厄介」だったと?
ー そういう事だ。記録によるとどうも「キル」のがそうだったらしい。
ー「キル」…?「イタメル」のではなくて?…同義語か?
ーどちらも「チョウリ」とか「リョウリ」の用語だ。
ー興味深い。
ーさらに古い記録閲覧の許可が可能だが?
ー頼む。「彼ら」についてのデータを蓄積したい。
ー了解。
ーでは。
出来ればまた直接、「担当」をしたかったのだがもうそれが叶う事は無いのだろう。
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初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第187回競作「誰かがタマネギを炒めている」 / 参加作
執筆年
2022年?
その他
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