翔びたつ蝶を捕まえに/はやみかつとし

Last-modified: Sun, 03 Jul 2022 23:49:03 JST (661d)
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はやみかつとし

Q1:どれぐらい超短編読んでますか?(期間や作品数等わかる範囲で)

まもなく20年になります。読んだ数はちょっと見当つきません。自分でも数百の半ばは書いてるだろうから、読んだのは冊子などで2、3千、競作サイトなどでしっかり読み込めなかったものを含めれば万に近いかも。

Q2:超短編のファーストインプレッション覚えてたら教えてください。

これは自分向きだ!と思いました。短詩文芸でも現代詩でもなく、これがぴったり来るという確信。

Q3:超短編をどんな時に読みますか?たとえば、移動中読むとか、家でまったり読むとか。スマホで読むとかエトセトラ。

時間に追われてスマホで読むことが多かったのですが、今はなるべくPC画面で、落ち着ける状況の時に読みます。理由は次の質問への回答で。

Q4:超短編読む際に、気をつけていることや気にしてることってありますか?

微細な違和感も逃さずキャッチする、という点でしょうか。ちょっとした助詞助動詞指示代名詞の使い方や、あえて文法ルールや定石を崩している箇所があれば、そこが物語を大きく跳躍させるジャンピングボードになっているはず。(なのである意味一番すぐれた超短編は、そんな違和感のそぶりも見せないまま、読者を予想外の地点に運んでいって、いつまでも謎解きをさせてしまうような作品かもしれません)

Q5:超短編読みたい!と思うことってありますか?あったらどんな時ですか?

なにかを「超えたい」ときかもしれません。限界とか、閉塞感とか、明日への不安とか。超短編の「超」は、「超える」の「超」でもあるんです、たぶん。(※個人の感想です)

Q6:超短編読む時、字面や発音って気になりますか?

字面は重視します。句読点の打ち方や漢字の開き方から、タイポグラフィックな効果を狙った言葉や文字の選択まで。発音も、黙読派ですが頭の中で再生される音のリズムを意識しながら読みます。リズムは物語の推進力を産むエンジンですよね。

Q7:超短編と他の短い文芸との違いってなんですか?

短さから大きな世界を指し示す、言うなれば「レバレッジ効果」を生み出すテクニックの違いでしょうか。俳句なら「切れ」、現代詩であれば言葉のかくされた機能の発見・開発、それに対して超短編は、既知の文法的な言語機能の効果を極限まで引き出すことで、それを実現しているのかなと。もちろん、それぞれの文芸形式の間にオーバーラップはありますが。

Q8:超短編読んだ!って思えるのってどういう作品を読んだ時ですか?

ここまで述べたことがほぼ答えですが、言い換えるなら、背後にある広がりが気になって、すぐにではなくても読み返してしまう作品、でしょうか。

Q9:本間祐「超短編SENGEN」には算数の文章題みたいのが掲載されてますけど、超短編を謳ってはいないけど超短編な感じのするテキストありますか?

ありふれてるかもしれませんが、取説とか。もっともそう思うのも、谷川俊太郎さんの詩集「定義」(思潮社、1975=絶版。紀伊國屋書店の電子書籍で復刊されている模様)の冒頭に収録されている「メートル原器に関する引用」を読んだ衝撃があってこそかもしれません。

文芸作品でいえばもう一つ、イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」(河出文庫、2003)。無数の、どこか奇妙な都市に関する断章の一つ一つが超短編になってます。

Q10:テキスト以外で、これ超短編では!?と感じたモノ・コトってありますか?

「超芸術トマソン」。最近ちょっとこれに似てるな、と思うのが、落とし物を地面から誰かが拾い上げて、そこらの手すりに結びつけたりベンチに丁寧に置いたりしたもの。どことなく世界から少し浮いていて、でも明らかに誰かが手を加えた跡がある感じが共通してますね。

あと、半ばテキスでもあるんですが、漫画家・高野文子さんの読み切り短編作品は、画角・コマ割り・セリフいずれも超短編的な省略の魅力でいっぱいです。作品集「棒がいっぽん」「黄色い本」をぜひお手にとっていただければ。

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