海音寺ジョー/共通点

Last-modified: Mon, 09 Dec 2019 23:33:29 JST (120d)
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度胸試しが宏の仲間内で流行り出した。「川向こうの外人団地な」「あそこに一人で乗り込んで『掃除当番』札を盗ってきたやつが俺たちのリーダーだ」まとめたがりの丈が、もうこのゲームをやることが規定事項のように仕切り始めた。僕らの住んでる町から、その外人団地はくすんで見える。老朽化した公団住宅。本来なら取壊されて然るべきだが無計画な外国人労働者受け入れ政策の煽りを食い、雑居ビル化して今に至る。多国籍の日雇い人たちの根城となってて、大人でも怖がって近づかない。「おい、あそこはやばいだろ」「昨夜も銃声が聞こえてきたわ」反対者もいたが、所詮は小学生だから好奇心が勝った。


夕方に決行すること。ゲートまでは全員で行き、二人組で三手に分かれる。など現実的なプランが固まってゆく。


「じゃあ六時半になったら、絶対にゲートに戻ることな」「よしわかった」僕は健と組んで暗い電燈の団地通路を足早に移りながら、先週から学校に来なくなったリラが此処にもしかしたら住んでて、鉢合わないだろうかと期待した。会うことは叶わなかった。木札は健が手に入れたものの、それが何語で書かれていたか判読できなかった。

ジャンル Edit

リアル団地?子ども夕方数字

カテゴリ Edit

超短編/カ行

この話が含まれたまとめ Edit

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字の心臓 / 第173回競作「共通点」 / 参加作

執筆年 Edit

2019年?

その他 Edit

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