よもぎ/テレフォン・コール

Last-modified: Wed, 28 Jul 2021 23:24:55 JST (90d)
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朝。手の中でスマホが震える。『彼』からだ。

「おはよ。そろそろ起きて。いい天気だよ」

返事はしない。けれど『彼』の声で気持ちよく目覚める。

通勤電車の中。イヤホンで聴く『彼』の声。

「今日は11時からミーティングだね。19時には「ボーノボーノ」で女子会だよ。楽しんできてね」

返事はしない。けれど『彼』が私のことをわかっていてくれるのがうれしい。

昼の休憩時。ミーティングで叱られた。『彼』にコールする。

「大丈夫。ボクがついてるよ」

返事はしない。けれど『彼』の声を聴くとヘコんだ気持ちが楽になる。

退社後。『ずいぶん歩いているけど大丈夫?ボーノボーノの場所?OK!ボクが案内するよ。まかせて』

おかげで無事到着。お礼は言わない。けれどいつも私を見守っていてくれる『彼』。


そんなスマホアプリが流行っているのだそうだ。GPS、ナビ、スケジュール管理、検索サイトなどと連動し、自分の好きな声優の声で、状況に応じてボイスメッセージを随時送ってくる。かくして彼女は常にスマホを持ち歩き、『彼』の>声に癒され助けられて日々過ごしている。これは『彼』に恋した一人の女性の物語。

ジャンル Edit

SF日常数字わたし

カテゴリ Edit

超短編/タ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字の心臓 / 第152回競作「テレフォン・コール」 / 逆選王

執筆年 Edit

2016年?

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