まつじ/君にあげる
Last-modified: Wed, 24 Mar 2021 23:54:25 JST (1100d)
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いろいろ作ってみたんだけどなんだか気にくわなくてぐちゃぐちゃにしたら灰色っぽくなっちゃった。
散らかったから水で流しちゃおう。
ざあっとね。
どうしようかな、このまま壊しちゃおうかな。
全部死んでしまったし。
いや、あれあれ、あんなところに一人だけ人間の女の子が残ってるぞ。
失敗失敗。
ぼくがこんなにしたってことまだ知らないのかな。
眠ってらあ。
このままじゃあ落ちちゃうけど、どうしたもんか。
しかしまあ気持ち良さそうに寝てるね。
なんていうか、可愛いや。
もっとちゃんとしたところに置いてあげようかな。
ちょいちょいっと椅子を作ってちょこん、てなね。
ちょこん、て。
可愛いな。
寒くないかな、服でも着せてあげようかな。
帽子もつけてあげよう。
すうすう眠ってるね。
でも、こんなの作ったっけなあ。
起きたらこんなんじゃ寂しいかな。
しかたがないからまた作り直してみようか。
まず、君が悲しくないように空の色をあかるく塗りつぶそう。
えいえいえい。
ともだちも作ったよ。
きみ、鳥くん、この子を守ってあげてね。
さて、次は何をやっつけよう。
君はどんな世界がお好みだい。
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この話が含まれたまとめ
評価/感想
初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 特別企画・イラスト超短編 参加作
執筆年
2004年?
その他
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