世界の外れのそのまた外れに、外れた町があった。外れた男が住んでいて、頭のネジが外れていた。タイヤの外れた車に乗って、今日もあのコに会いに行く。素っ頓狂な愛の言葉でハートを狙ってみるが、およびじゃないわと外された。男はヤケのやんぱち、町の外れの居酒屋で栓の外れたビールをしこたま呑んだ。男はすっかりゴキゲン気分。調子っぱずれの歌をうたって、町の通りをそぞろ歩き。待っていたのはマンホール。外れたフタはどこへやら。どってんざぶんと落ち込んで、溺れる男はクジをも掴む。男の掴んだ宝クジは、なんと見事に1等賞。外れた町の大当たり、男はあんぐりアゴが外れた。