胡乱舎猫支店/お願いします の変更点

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*読む [#h20cf296]

>台風一過。屋上で眺める空は晴れ渡って濃い夏の色。月並みだけれど吸い込まれそうだ。うん、一年前に君がうっかり飛んでしまったのが納得できる。
>その日置き去りにされた靴があった辺りにいると「お待たせ!」と君がやって来た。最後に会った時と変わっていないね。薄手のジャケットを脱いだら、しゅるんと生えた翼以外は。「上級者」は伸縮自在になるって本当なんだ。
>「ふっふっふっ、いいよぉ涼しくて」背中に開けた服の穴を見せながら得意げに言う。少し陽に焼けた翼は綺麗に整った形で、まだ不格好な自分のとは大違いだ。
>つい無口になったら「キミが同じになってくれてうれしい。」なんていきなり真顔で言い出すから「お…遅かれ早かれ皆なるよ」と返してしまった。
>うん、相変わらず気のきいたことは言えない。
>「そろそろ、行こっか?」君が切り出した。
>「うん。」
>「あ、靴は脱がなくていいよ。」
>「…そういえば何で脱いで行ったの?」
>「なんとなく。飛ぶのにいらないかなって」
>「後で困っただろ?」
>「困った…ついでにキミは片付けてくれちゃったし。」
>「ええ?ごめん…そんなつもりじゃ…」
>「よし、行こう!見本みせるね。」
>「お願いします。」
>フェンスに手をかける。

*ジャンル [#c81031ad]
[[夏]]、[[青春]]、[[翼]]、[[飛ぶ]]、[[君]]
*カテゴリ [#k4c2e0c4]
[[超短編/ア行]]
*この話が含まれたまとめ [#o391e130]
すぐ読める
*評価/感想 [#y1caab5d]
*初出/概要 [#ob63259d]
超短篇・500文字の心臓 / 第140回競作「[[お願いします>超短編/ア行#i2d4cb3f]]」 / 参加作
*執筆年 [#xb431b9e]
[[2015年]]
*その他 [#y2a04415]
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