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*読む [#q3dcd3dd]
> 太古、人の脳の中に入り込める、浮霊の一族がいた。
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> 自身の意識を分離電位帯と化し、頭蓋骨の隙間から侵入し、他人の頭の中を泳ぎ、心の内部を覗き見る、特殊な能力。
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> 赤ん坊は頭蓋の継ぎ目が閉じてないので、入り込みやすい。普段は赤子の脳をたゆたい、その無垢な意識の中の景色を遊覧し楽しむのが、ルドラの日課だった。
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> ある日、ルドラが赤ん坊の脳の中に入ると、いきなり視界が真っ白になった。
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>「なにかがおかしい・・・！これは、本当に人の心の中か？」
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> ルドラは危険を感じて、外の世界に戻ろうとした。だが、来た道を引き返せども、赤子の脳の空間から戻れない。
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>「おかしい、オレは確かに骨の隙間を通って、こいつの頭の内部へと侵入したはずなのに・・・出口は何処だ？頭蓋骨の天蓋は、何故こんなに遠い？何処へ消えた？」
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> ルドラがふと下を見ると、そこには渦を巻く白い積雲と、青く美しい海が見えた。それは球状をしていて、その周りには漆黒の空間が取り巻き、無数の星が燦燦と光っていた。
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> インドの古文献『リグ・ヴェーダ』によると、世界は原初混沌の中に生まれた、ヒラニヤガルバ（黄金の胎児）が創ったと云われている。
*ジャンル [#fbf4b13c]
[[神話]]、[[ファンタジー]]、[[SF]]、[[怪談]]、[[脳]]、[[俺]]
*カテゴリ [#v86cca06]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#ee75f846]
すぐ読める
*評価／感想 [#zc6efd8c]
*初出／概要 [#ae7c5aef]
超短篇・500文字の心臓 / 第83回競作「[[頭蓋骨を捜せ>超短編/サ行#be052f55]]」 / 参加作
*執筆年 [#g4258d23]
[[2009年]]
#counter
