よもぎ/鈴をつける の変更点

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*読む [#q6748d48]

>妙に耳に残る鈴の音だった。いつも通る駅の構内。誰かのカバンにでも付いているのか、りりんりりんとそれほど遠くないところで聞こえる。あたりを見回してもそれらしい人が見当たらない。鈴の主を見つけてやろうと思ったのはほんのイタズラ心。りりんりりんと音が去っていく。追いかけなくちゃ。音だけをたよりに歩いていく。りりん、り。急に音が止まった。僕ははっとして柱の陰に隠れた。なんで隠れるんだ。鈴の音が振り向いたような気がした、なんてありえない。りりんりりん。また歩きだした。それにしてもどうして持ち主らしき人が見当たらないんだろう。音だけが僕の前を歩いていく。僕は柱の陰から踏み出して鈴の音を追った。りりりり。急に音が走り出した。気づかれた。僕も走った。階段を駆けおりて、角を曲がる。暗い通路だった。りぃん。鈴の音が遠くでうすく笑った。りりぃん。りりぃん。ゆっくりと誘うように前を歩いていく。僕はもうなにがなんだかふらりふらりついていく。

*ジャンル [#l2ad72a4]
[[ホラー]]、[[鈴]]、[[歩く]]、[[音]]、[[オノマトペ]]、[[僕]]
*カテゴリ [#c06848de]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#i2a6ac95]

すぐ読める
*評価/感想 [#r3eeea49]

*初出/概要 [#j53e0281]
超短篇・500文字の心臓 / 第114回競作「[[鈴をつける>超短編/サ行#h609cab4]]」 / 参加作
*執筆年 [#u3ccee31]
[[2012年]]
*その他 [#dca2170b]

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