よもぎ/象を捨てる の変更点

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*読む [#ie1d2555]

>午前五時の朝焼けに一日の終わりを眺める。じくじくと滲む空は錆臭く、歩道は乾いて酸っぱい。白々と細い線で描かれた街頭は不確かな輪郭。軋む窓辺に映る途切れた電車の音。歪んだ象は腰に巻き付きからまりし、囚われた痛みは手を伸ばして空を仰ぐ。傷の苦さを愛おしみかき抱けば、象が鋭い爪をたて新たな傷を増やす。全身が生臭い朝日に染まる頃には、聞き飽きた喧噪が歌うアスファルトの唄。窓を閉じカーテンを引けばもうなにも見えない。収集車が象を集める音がする。

*ジャンル [#r56639ab]
[[一行作品]]、[[朝]]、[[音]]、[[におい]]、[[傷]]、[[リアル]]
*カテゴリ [#r8da9da7]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#h2831007]
すぐ読める
*評価/感想 [#i47cb0d5]

*初出/概要 [#b91f962e]
超短篇・500文字の心臓 / 第42回競作「[[象を捨てる>超短編/サ行#p79919dc]]」 / 参加作
*執筆年 [#q9df3c6a]
[[2004年]]
*その他 [#v298d622]
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