よもぎ/結晶 の変更点

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*読む [#a5e90dd5]

>「一刻の猶予もならぬ。封印は溶けてしまったのじゃ」
>八百万の神が集まった。
>「毒羽虫は飛び立ってしまった。もはや封じることはかなわぬ」
>「私が洗い流してしまおう」と雨の神が言った。
>「私が雨で射て毒羽虫を地に埋めてしまおう」
>「地に埋めれば毒の木が生える」と地の神が言った。
>「毒の木には毒の実がなり、それを喰らえば喰らった者もまた毒に冒される」
>八百万の神は沈黙した。そこへ
>「私が毒を喰らおう」と声がした。
>「私がすべての毒を喰らって共に消えよう」と小さな花の神が言った。
>「やむをえぬ」「やむをえぬ」
>八百万の神が呪を唱える。小さな花の神は手の平を椀の形に捧げ持った。雨の神が毒羽虫を銀の矢で打つ。すべての毒羽虫が小さな花の神の手の平へ吸い込まれていく。
>やがて銀の雨が止み、呪を唱える声が止んだ。手の平には燐光ゆらめく青い石がひとつ。小さな花の神はひと息にそれを飲み込んだ。一瞬苦痛に顔を歪め、小さな花の神は霧散した。毒羽虫の気配が消え、八百万の神は涙した。神々の涙が地を潤すと、小さな芽がそこかしこに現れた。
>やがて世界はいちめんのなのはな。

*ジャンル [#x68a1bb3]
[[神話]]、[[虫]]、[[花]]、[[毒]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#z6597b16]
[[超短編/カ行]]
*この話が含まれたまとめ [#ebf238ac]
すぐ読める
*評価/感想 [#e851dc97]

*初出/概要 [#o5ac3a08]
超短篇・500文字の心臓 / 第106回競作「[[結晶>超短編/カ行#fed9cd0c]]」 / 参加作
*執筆年 [#cdef3c64]
[[2011年]]
*その他 [#e51eecaa]

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